記事詳細

面接交渉を希望する父親(元夫)の皆様へ

(2013/10/15)

>> 一覧に戻る

面接交渉が難しいのは、基本的に、父(元夫)と母(元妻)との間に、信頼関係が損なわれているからです。

 

 前回、未成年者を監護する,すなわち、面接を履行する義務がある母親にお願い事をしました。(『面接交渉に躊躇される方へ――お願いを込めて』)

 

 

 本日は、父親に対する希望を申します。

 

 離婚に至った経過については、言いたいこと,納得できないことはあるでしょう。離婚したからといって、その憤懣,鬱憤は、容易に消えるものではないとはわかります。

 

 しかし、子どもに対する愛情と、成長を見守りたい気持ちがあることも真実です。

 

 父(元夫)と母(元妻)は、互いに信頼することは難しい。これは、そのとおりです。

 

 どうすれば、子どもとの面接が実現できるでしょうか。

 

 母(元妻)に対し、さらなるダメージを与える所為をしてはなりません。

 

 元夫であるあなたが、離婚に至る過程で、ダメージを受けたことは事実でしょう。

 

 離婚の交渉,調停等で、いろいろ主張することは結構です。しかし、追い詰め過ぎてはなりません。既に、リングから降りている者に対し、パンチをくらわせて何になるのでしょうか。

 

 離婚話の過程で、出ていなかった事項を持ち出す(とってつけたようないやがらせに聞こえる),法律的にも、現実的にも成り立ちえない主張をする(紛争を解決しようとするのではなく、非生産的なやりとりを続ける)人がおります。

 

 たとえば、調停等で、何の根拠もないのに、突如として、「妻が離婚を求めるのは、別に男がいるからだ」といったり、夫の暴力が原因で、障害を負った妻に対し、「そんな身体では、子どもは育てられない」というなど、実に悲しい現実を目にしてきました。

 

 このような経過によって、調停や裁判で離婚ができたとしても、母(元妻)は、父(元夫)との調停等の態度・対応がトラウマになって、子どものために、父(元夫)と面会させる気持ちになることは、ほとんど困難です。

 

 主張すべきところは主張する,しかし、それ自体不合理で、ためにする言い方である場合、まして、それが、人道にもとるようでは、離婚した途端に、リスタートはできるものではありません。

 

 子どもと会いたい,この先も、面接交流を続けたいと願うお父様、どうぞ、離婚調停等で、母(元妻)を追いつめないでください。頑なになった心は、なかなか開かれません。

 

 結局、母(元妻)が、精神的に立ち直れなければ、愛する子どもに影響がないわけがありません。

 

 弁護士は、離婚調停が係属中に、依頼者の相手方となる代理人弁護士と諮って、面接の準備を行ないます。離婚が成立した後、当事者間で、細部にわたってやりとりする必要がないよう努力します。

 

 どのような場所で、だれが出てきて、どれくらいの時間で、どれくらいの頻度で行なうか、また、面接の前に、何を準備しておくか、これらは、離婚後の父母(元夫・妻)の間で、話し合って合意するのは難しいです。

 

 離婚等の男女の問題,そして、調停は、必ず弁護士に依頼する必要があるということです。