事例 破産・債務整理 事例 会社・商取引に関する問題

私は、金型加工の職人です。私は、ある町工場から製作の仕事を請け、約束とおり仕事を終えて、製品を納入しました。 しかし、この工場は、元請会社から代金が支払われないと言って、私に対して、全く代金を支払ってくれません。最近では、私に対し、契約書を作っていないとか、そんな仕事は頼んでいないなど、開き直ったかの対応をします。働いて製品を納入した私は、納得できません。

(2012/04/12)

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ご質問者は、請負業に従事する個人事業主と思われます。ご指摘の町工場から給与を受ける関係にあれば、従業員なので、仕事の成立とか、元請の対応に関わりなく、取り決めした月給(又は日給・時給)を支払われるべきことは当然です。

 ご質問者とA工場(町工場)とは、請負契約を締結したことになります。

 請負人は、請負った仕事を完成して、注文主に引渡すことにより、請負代金の請求ができます。完成さえすれば、約束した日時に、代金は支払われます。A工場と元請会社との関係は、問題になりません。支払日を約束していなかった場合には、完成して納品した段階で、A工場に対して請求できます。ご質問に対する回答は、このようになります。

 請負の場合、「そんな契約はしていない」とか、「人工の単価(配置した職人の日当額)が高い」など、注文主から指摘を受けて、トラブルになるケースが実に多いと思います。

 これは、確かに契約内容を書面にしていなかったことが原因ではあります。しかし、通常仕事を受注する前に、見積書を交付するでしょう。注文主として、この工事・仕事で幾らかかるのか、無関心ではいられないからです。

 後日のトラブル防止策として、当該見積りのとおりでよい、――仕事を発注する――のであれば、「このとおりでOKです」とか、「了解しました(承認します)」などのサインを注文主からもらい、折返しこの見積書をFAXなりされるよう、申し出ておくことが有効です。

 これすらできない事情があるときには、せめて業務日誌,日報の類に、「○○氏へ見積書No.・・・を送付,特段異議なく仕事受注」などのメモを残しておきましょう。裁判などでは、請負契約成立の有力な証拠になります。