教育とは、自分のそして他人の命を大切にすることではないのですか?

2015年8月10日
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『だって戦争行きたくないじゃん』

こんな気持ち持っていない人いますか?

安倍晋三内閣総理大臣の側近とされる首相補佐官で、いわゆる安全保障関連法案の策定に関わった自由民主党参議院議員が、「法的安定性、そんなもの……。」と発言したことで安倍首相からお叱りを受け、参議院特別委員会で発言を撤回して陳謝しました。野党議員からの質問に対して答えはなく、4回も陳謝を繰り返す姿を見て、要は何も言わず、陳謝だけしておけ!とのアドバイスでもあったのかと感じました。東京大学法学部を卒業したエリート官僚の経歴のあるこの議員、誰のためか知りませんが、さぞ悔しかったでしょう。

その『陳謝の姿』が放映された日、またひとつ安倍晋三内閣総理大臣の側近の自民党衆議院議員から、堂々のご発言がなされていたことが明らかにされました。そうです。冒頭挙げた『だって戦争行きたくないじゃん』は、「自分中心、極端な利己的考えに基づく。利己的個人主義がここまで蔓延していたのは戦後教育のせいだろうが、非常に残念だ。」と、ツイートし、これが炎上したそうです。この議員、例の『ギャグ先生』の勉強会にも参加しておられます。

『だって戦争行きたくないじゃん』は自分中心、利己的考えなんて発信することなんて、それこそ『ギャグ先生』の勉強会の成果、誰もが相手にしないギャグかと思いました。でも、この議員先生、ご自身のこの発言を認めた上で、「特にコメントすることはない」そうです。与党の有力議員が、最近「『自民党って、なんか感じ悪いよね』と国民から思われるときにその支持を失う」と発言したのですが、コレって、「なんか感じ悪いよね」程度の発言、見解ではないですね。

「だって戦争行きたくないじゃん」……「当たり前じゃん」。

以前『ひとりごと』でもお話した美輪明宏さんが言われるとおり、この安全保障関連法案に反対しない議員、選挙で与党に投票した国民、この方々がまず率先して行きなさい!に同意します。件の与党衆議院議員は、ご自分が率先して『非戦闘地域』に、尤も、この先生によれば、戦争しに行くのでしょうか?

教育評論家のおぎママこと尾木直樹氏は、「自分の命を大切にして、他国の人々の命も大切にしようとする気持ちは人間としてごく自然。戦争反対!戦争行くのは嫌だは当たり前!」それを批判する議員が居ることに驚き、「戦前と間違えているのでしょうか。恥ずかしい」と早速コメントを出しました。確かに、「戦争行きたくないじゃん」のような考えは、自分中心、利己的個人主義だとその『教育』を批判するわけですから、この36歳の議員先生は、戦前の教育こそ正しいとお考えなのでしょう。

それにしても、そんなに戦前の教育が正しいとお考えならば、戦後民主主義のもとに教育を受けた子どもたちが創るこの国に居る意義ないじゃんと感じます。戦争行きたくないとデモ等して意見表明したことで批判された若者からは、『戦争に行きたくない』を断罪するのは戦時中の日本そのもの、『戦争しないための法案』だったのでは?、戦争に行きたい人なんて居るのか逆に聞きたい、デモ等で意見表明するのは民主国家で当たり前、国会で、立憲主義や民主主義を勉強するべき等等意見が寄せられています。

私は、尾木直樹氏が最後にツイートしたと同様、『教育の根本を否定された。議員を辞めるべき』と思います。でも、今のところ政府与党は、この議員を『注意』する様子はありません。例によってある大手新聞社は、この議員の発言を、民主党がヒトラーを例にして批判したと報じた最後に、『議員は、法案に反対しても、国会前でデモしても、中国や北朝鮮の行動は変えられない』と投稿していたと結んでおりましたが。戦場に駆り出される若者以外は、どうでも良いと言うことでしょうか。

確かに美輪明宏さんが、尾木直樹さんが、そして私なんかが何をほざいても、国会議員の先生方は、戦場に行ってお役に立つご年齢ではありませんね。さて、件の36歳の先生、誠に残念ながらご自身は、もはや『お国のために』お役に立つことができないご年齢と諦められたのでしょうか?