「やはりそうか」と納得した発表がありました。維新の党最高顧問で、地域政党大阪維新の会の代表橋下徹大阪市長が、「大阪維新の会で国政政党をやる。年内に道筋をつける」と記者会見で述べました。橋下徹氏は、この発表の前日、「国政政党から離れ、大阪の地方政治に軸足を移す」と述べ、松井一郎大阪府知事とともに、維新の党を離党したばかりでした。 橋下徹大阪維新の会代表は、自らが維新の党を離党するにあたっては、維新の党の国会議員、これは、橋下徹氏に近い大阪、関西選出の議員に向けてでありますが、現在審議中の安保法案へしっかり対応するようメッセージを送り、離党しないよう自重を求めるメールを議員に送っていたそうです。そして、大阪系の議員も、「今(離党して)組織を割っても何も良いことはない」と確認して、党分裂を回避すると述べたばかりでした。それがその翌日になると、橋下徹氏の表明を受けて、『橋下新党』に参加するのだそうです。 以前このひとりごとで、大阪都構想に敗れて政界を引退する、ただし、市長として任期満了まで精一杯勤めると述べた橋下徹氏に、ーーおそらくはじめてーー賞賛の弁を贈ったことを思い出しました。いつも申しますが、精一杯やって結果が出なかったとしても、そして、闘いの場から去る者に対しては、私は、賛辞を送ります。あの時、橋下徹って、実はカッコいいとも思えたのです。まあ、彼は、私なんかにそう思われてもどうってことないでしょうが。 橋下徹氏が、今後国政政党を立ち上げることがどうだと言うものではありません。だいたい、政界引退を表明しながら、安保法案が衆議院で審議入りしている6月ころ、維新の党顧問の松井一郎大阪府知事と一緒に都内に出向いて、菅義偉内閣官房長官、安倍晋三内閣総理大臣と会食する意味がわかりません。そして8月25日には、松井一郎氏は、菅義偉氏を訪ねていたとのことです。「離党せず、安保法案にしっかり対応して」と党員に言っておきながら……。さて、どんな『対応』を、橋下徹氏は期待したのでしょう。 橋下徹氏は、もともと菅義偉氏、安倍晋三氏と近い関係にあり、先の大阪都構想を巡る投票にあっても、官邸は、自民党大阪支部が、共産党、民主党と同調したことに不快感を示し、橋下徹氏を支持していたことが知られています。橋下徹氏、元大阪府議の松井一郎氏らが考えていることは、わかりそうなものです。 それにしても、橋下徹氏人気にあやかろうとしか考えていないのでは?と思いたくなるのが、維新の党のいわゆる大阪系議員さんです。橋下徹氏が立ち上げる政党が、将来自民党と合体した(吸収 された?)場合、この方々は、なんのためらいもなく、付いて行くのでしょうね。私は、維新の党では、その主義政策はともかく、江田憲司氏や柿沢未途氏らのほうが、ご自分の意見を言い、敢然としている政治家だと思います。 大阪都構想に敗れたとき、大阪市長を勤め上げて政界を引退すると爽やかに述べた橋下徹氏、『永田町病に付き合っている場合ではない』として、大阪、関西に集中するして離党した松井一郎氏、ならば、そんな大仰なことを仰らなくてもとだけ、今は述べておきます。