自民党総裁選は、安倍晋三総裁が、無投票当選しました。当選した安倍首相は、国民のためにさらに頑張ると述べたようです。
でもねえ。『国民のため』と仰いますが、先日新宿伊勢丹前で、『アベ辞めろ!』とプラカードを掲げてデモ行進する多くの人がおりました。
『国民のため』に辞めてと言う意見もあり得ると言うことです。 それにしても情けないですね。何が情けないかですって。安倍晋三候補の無投票当選を許したと言うか、そうするよう、ほとんどの自民党議員が、一致行動したしたことです。以前お話したかもしれませんが、確かに小選挙区制になり、党内の派閥の力は低下しました。
でも、保守からリベラル、ハトからタカまで闊達な議論で政策を示して、長く政権を維持して来た自民党内のバランスと言うか、党内民主主義まで、もうなくなったのでしょうね。
三角大福や安倍、竹下、宮沢ニューリーダーの時代なんて、過去のエピソードなのでしょうか。
自民党議員が、心底安倍晋三氏の政策、政権運営や党内の取りまとめ等を納得しているのかどうかわかりません。
小選挙区制のもと、当公認を得られなければ、当選はおぼつきません。党総裁、執行部を批判したら、党内での『出世』があり得なくなるどころか、選挙では刺客をたてられ、必ず報復を受けます。これは、総裁の独裁ですね。
まあ、誰でも自分が可愛いですから、保身に走ることは、致し方ないかもしれません。
でもねえ。そのために、弱い者いじめをするのはどうなんでしょう。自民党議員、よってたかって総裁選立候補を模索していた野田聖子元総務会長が、立候補できないように、活動したでしょう。
その先頭は、安倍晋三氏ですね。怖かったのでしょうか?誰が?野田聖子氏が?いや、ちょっと待って。そう言えば、もし総裁選挙が行われても、安倍晋三氏は、忙しいから地方遊説はしないと早々に表明されていました。総裁選地方遊説等では、野田聖子氏とともに選挙カーに乗ったら、聴衆から「戦争法案反対!」と浴びせられるとでも思ったのでしょうか。
立候補当日の出陣式には、野田聖子氏を除く全自民党議員に案内を送ったそうです。
そして、取り巻き連中をして、野田聖子氏の推薦人になるのではないかと予想した議員には、推薦人になったらどうなるか、電話攻勢(恫喝)をかけたようですね。 全ては自分の力不足と立候補断念の弁を述べた野田聖子氏は、潔かったです。いじめを受けた子どもが、いじめた人間に恨みを言うことなく、自分を責めて命を絶つことが思い出されました。
民主主義には、絶対はありません。ですから、「この道しかない!」のキャッチフレーズには、かなり違和感があります。歌ではありませんが、あの道もあればこの道もあるはずです。野田聖子氏が仰っていた多様性です。 この自民党総裁選無投票当選劇、国民にはどう映ったでしょう。
野田聖子氏が立候補できず、選挙戦にならぬように、ほとんど一致団結した自民党議員の姿は、国民は、しっかり目に焼き付けたと思います。
これだけ外では安全保障関連法案反対!が叫ばれているのに、自民党内では、安倍晋三氏総裁選無投票当選に躍起になっていたのです。おそらく国民は、野田聖子氏の勇気、晴れ晴れとした姿に、共感したのではないではないでしょうか。 しかし、こんなに党内に敵?を作った野田聖子氏、将来はあるのでしょうか。
大丈夫です。この政党のトップのお方が、アメリカに嫌われ、奥さんに嫌われ?もう自民党に用済みとなったら、かつて『義をみてせざるは勇なきなり』と言って立ち上がった野田聖子氏の周りに人が集まり、持ち上げられるでしょう。自分も共感したなんて言って。
そして小選挙区制で生き残るため、新しい総裁のもと結集するからです。
私は、野田聖子氏は、もう出ないのでは?と感じます。こんな議員らの思惑は百も承知、あるいは堂堂と?『今は時期が悪い。次がある』なんて説得した議員もいたかもしれません。
こんな情けない議員、男らしくない方々には、もう愛想を尽かして、我が道を行くような気がするのです。この間野田聖子氏が言われた『本当の保守』はなんだろうと考えさせられました。ただ言えることは、保守と保身は違うことでした。