古き良き駅あり、新しい便利な駅あり

2015年9月16日
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東京駅は、新幹線の始発駅ですが、上野東京ラインができて、始発駅終着駅らしくなくなった感があります。これは、ブルートレインが無くなったころから感じております。また、かつて東北の匂いがすると言われた上野駅も、そんな面影はなくなりました。上野駅の下のホームは、ローマ中央駅を真似た終着駅でしたが、寝台特急北斗星が廃止され、L特急も、上野駅が始発ではなくなり、このホームの意義や思い出が、薄れていくようです。


同じことは、青森駅にも言えましょうか。『上野発の夜行列車降りたときから……。』『北へ帰る人の群れは誰も無口で……。』青森駅は、本州の端、北海道の入り口であって、青函連絡船が発着しておりました。かつての東北本線も、奥羽本線も、青森駅が終点でした。すなわち、行き止まりだったのです。それが青函連絡船が廃止されて青函トンネルができ、東北新幹線の新青森駅が開業して、青森駅は、東北新幹線から、『通過』されることになりました。

また、青函連絡船が発着し、かつては北海道の陸の入り口の役割を果たした函館駅もまた、青森駅と同じ運命を辿ることになりました。2016年3月開業の北海道新幹線は、函館駅に入らず、北斗市内に、『新函館北斗駅』が開業することに決まりました。函館市は、地図を見れば一目瞭然、北海道の南端、その先は津軽海峡であり、新幹線のレールが、函館市街まで回り込むことは困難なのです。

昔鉄道少年だった私は、終着駅は、なんか哀愁が感じられ、好きでした。新宿駅や池袋駅は、私鉄の始発駅であり終着駅です。でも、通勤等のためにターミナルに繋がる私鉄駅の場合、あまり感動はないのです。上野駅等は、長距離列車がやってくるからでしょうか。
写真 1 H27.09.14
そんな鉄道の駅ですが、ちょっと
面白いと言うか、いつ、どうなるの?と関心がある駅があります。平成23年秋から全面工事がおなわれているJR千葉駅です。いつまで工事が続くのだろうと、ここを利用するときには、いささか不便を強いられておりますが、房総の入口千葉駅は、これまで乗り換え等が、甚だ不便な駅でありました。新館10階建ターミナルビルは、平成30年に完成するのだそうです。






千葉駅は、終着駅ではありません。正確に言えば、ここでレールが止まっているものではありません。総武線各駅停車は、始発駅であります。ただ、ほとんどの路線が、房総半島の突端まで行くには、千葉駅での乗り換えになります。ところが、総武本線成田線方面と、内房線外房線とは、ここ千葉駅で大きく離れますので、駅ホームそのものが離れていて、乗り換えホームがわかりにくく、また、時間がかかるのです。そんな不便を解消するため、10階建ての3階部分を駅改札口として、2階をホームとする構想なのだそうです。市内を回るモノレールと乗り場も同じ階で、ひとつにまとめたと言うか、房総の入口として、ひとくくりと言う感じですね。


8月の誕生日に、房総半島で漁が解禁したばかりの房総エビ、すなわち伊勢海老を食べに外房に行きました。帰りは、千葉駅を通って新宿駅まで直行でした。古き良き終着駅がなくなる反面、新しい便利な駅がで来ていくのだなと思いました。