安全保障関連法案は、シルバーウィークの前に、参議院で可決、成立することは確実です。国会前、テレビの前、そして街の中、日本各地で起きている国民の声は、全く政府与党には、どこ吹く風です。ここに来て、来年の参議院選挙が怖いのか、改選される参議院議員を抱える『野党?』3政党が与党と合意し、「国会の承認を『閣議決定』することを条件に、この法案に賛成する意向を示しました。これで与党は、野党の意見を聞くことなく、『強行採決』したとの批判をかわせることになりました。 そんな採決まで、着々準備のある日、国会では、公聴会が開かれ、6人の国民が、意見を開陳しました。その中で、与党推薦の2人は、法案に賛成する意見を述べました。私は、この人たちの賛成理由に呆れました。だって『こんなこと』誰だって言えるからです。すなわち、国際社会の変化に政治が対応しなければならない、平和のあり方も変わりつつあるから、『この法案』を、今、成立させる必要があるのだと言うことです。 私も、その理屈は否定いたしません。こんな意見を述べた大学教授の横には、『改憲派』の重鎮、小林節慶應義塾大学名誉教授がおられました。小林氏も、ここまでは同じお考えでしょう。だから、憲法改正が議論され、国民に問われるべきなのだとなると思います。問題は、この法案が憲法に違反するかどうかです。国際情勢が変わったから、違憲の法律を制定して良いと言うのでしょうか?小林節氏は、憲法を無視するのは独裁政治の始まりだと言われます。そう言えばこのセンセイ、過日衆議院山口4区のある山口県長門市に赴いて、講演されましたね。完全アウェイかと思いきや、「アベ家がキム家になる!」と述べられて、ブーイングではなく、拍手喝采を浴びたようです。 国会前で、デモ行進する若者の中から、23歳の大学生が、意見を述べました。自分たちは、組織はない、動員されたのでもない、ただ、個人として戦争反対を訴え、この法案に反対している、たとえこの法案が成立しても、国会前に集まった者たちは諦めない、ずっと反対を言い続ける、そして、次の選挙で意思表示すると述べました。議員各位には、個として判断して欲しいとまとめられました。 国会前でのデモ行進に参加こそしていないが、このところタレント芸能関係者からも、この法案に関する意見が、相次いでおります。世界的な音楽家坂本龍一さんが、国会前に現れたことはニュースになりました。戦争に関わるテレビ番組や映画に出演した渡辺謙さんや笑福亭鶴瓶さん、プロレスラー髙田延彦さん、女優竹下景子さん、また、母校早稲田大学で講演した吉永小百合さん、沖縄出身の今井絵理子さん等等続々です。 そんな中で、「あれっ」と思わせる場面に遭遇しました。安倍晋三内閣総理大臣は、よく出演されるのは日本テレビとフジテレビですが、フジテレビのバラエティ番組で、あるタレントが、反対運動している若者を指して、憲法9条があったから――平和だったかもしれないが、平和ボケして――なめられているとの自説を述べ後、「ニュースに誘導されている」なんて感想を披瀝したそのときです。SMAPの中居正広さんが、「若い子が声をあげるのは良いことだ。このままでは法案は通ってしまう。僕は嬉しかった…。」と応じたのです。フジテレビ、そして○○新聞社、まさかでしたか? 憲法があったから平和だった、それでなめられていたとして、何が悪いのですか。なめられたって実際戦争をしない、巻き込まれないことが大切だと思います。日本国憲法には、日本国民は、世界に先がけて、「国家の名誉をかけて、この崇高な理想と目的を達成することを誓う」と書いてあります。 そんな各自さまざまな意見を持ちながら、いよいよ安全保障関連法案は、成立します。意見がないのは、自民党議員だけの気配です。