カツ丼を注文したら、天丼が出て来ました。

2015年9月21日
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日本マクドナルドが、赤字の連続だそうです。

 

私が子どものころ、アメリカから入って来たマクドナルドのハンバーガーは、かなり高価で、なかなか手が出るものではありませんでした。

大学生のころには、あまり売れ行きが良くないからか、ハンバーガーを注文すると、「ポテトはいかがですか。お飲み物はいかがですか?」と店員から必ず言われたものでした。ある漫才師が、「俺はハンバーガーだけが食いたいんや!」とネタにしておりました。

 

マクドナルドだけではありませんが、その後のファーストフードと言われる業界では、飲み物等とセットにして販売するメニューが登場しました。

買い手には割安感があって、売れ行きを伸ばしたと思います。今や、各社凌ぎあっている牛丼業界でも、味噌汁等とのセットメニューがあるのです。それでもファーストフード業界は、客離れが進んで、どこも経営は厳しいと伝えられております。

ここに数年庶民に迎え入れられ、サラリーマンの味方であったファーストフード業界が苦戦したのは、全部円安や消費税が原因とは申しません。

円安株価高騰で潤う大企業の社員らは、優雅な昼食を嗜んでおります。会食の場は、高級店に移行しているのでしょう。ファーストフードや食べ放題のお店は、海外からのお客様が増えて来たと聞きますね。 マクドナルドが業績悪化に至る過程に、店員らによる異物混入や、海外の工場での杜撰な品質管理が暴かれました。コンビニの弁当等も、同じ問題が提起されました。品質衛生は、物を売るときの基本中の基本、これがいい加減であれば、信頼を失うのは当たり前です。

 

でも、品質管理、衛生以前の問題として、お客様が求めない商品を出したら、とても買う気になれないと思います。

 

これは、先のハンバーガーを欲しい客に、「ポテトはいかがですか?」のケースを言うものではありません。 安保保障関連法案は、審議時間を経るごとに、問題点が次々に浮かびあがり、私は、と言うよりも、国民ほとんどが、成立に反対の考えであります。ごく限られた場所地域、すなわち永田町もしくは国会内での『世論調査』以外には、国内どこでも同じような数字になると思っています。この法案がいかに酷いものであるかは、国会での答弁を見ていると、誰でも感じられると思います。

 

自信をもって答弁をし、また、答弁を求められないときでも野次を飛ばす等、いくらでも喋りたい方がおられる反面、担当の中谷元防衛大臣は、もう、見ているのは哀れを誘います。 政府与党が根拠とした砂川判決が、集団的自衛権どころか、専守防衛の任にあたる自衛隊の合憲性にも触れていないことは、法律家の端くれである私でも、理解できております。数日前、この判決に関与した元最高裁判事のメモが公表され、政府与党の説明が欺瞞であることは、歴史的にも明らかとなりました。

 

また、先日の公聴会で、元最高裁判事から「昔はあった」と表現された内閣法制局は、安倍内閣になるまでは、一貫して集団的自衛権の行使は憲法違反として来ました。 それでも、ついこの間、参議院特別委員会で、こんなやりとりがありました。集団的自衛権が認められないのは当然であり、歴代内閣法制局は、砂川判決が、集団的自衛権なんぞ意識していないゆえに、この点のコメントは、残していなかったと言うことです。

 

そしたら、与党の重鎮は、内閣法制局が認めないとは言っていないとして、だから集団的自衛権は憲法上認められると述べたのです。もう、ああ言えばこう言うで、年寄りが、子どものごとく駄々をこねるようで滑稽ですね。

しかし、当時防衛庁の内部資料には、『集団的自衛権の行使は認められない』と解されるとの極秘文書があったことが明らかにされたのでした。

このことについて、防衛大臣として、内閣の一員として、集団的自衛権は憲法上認められるとして、歴代内閣そして防衛省は対処して来たのか問われた中谷大臣、『整合性はある』『集団的自衛権行使を可能とする法律は、憲法に反しない。』『これまで政府や防衛省の答弁と(この法案は)矛盾しない』と、こちらは堂々としてではなく、目は宙にあり、とても気が入らないご様子にて、お答えになったのでした。

 

この答弁を受けた野党議員、このように仰いました。「店でカツ丼を注文したら、天丼が出てきた。」でも、街中で、こんなふうにお客様の注文と違う商品を出したら、そんなお店は潰れますね。潰れないのは安倍内閣、倒産しないのは自民党だけのようです。世の中の常識とはかなり違う世界が、そこにはあるようです。