貨物室の犬から、難民の受け入れに思う

2015年9月22日
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『心温まるいい話』『命は何より大切』『カッコイイ』等ネット上でも、好評な記事がありました。

イスラエルからカナダに向かっていたエアカナダの旅客機が、貨物室に預けられていた犬を救うために行き先を変更して、ドイツに緊急着陸する出来事についてです。

 

エアカナダによると、テルアビブからトロントに向かう途中で、貨物室の暖房装置にトラブルが発生、貨物室には、乗客が預けた7歳のオスのフレンチブルドッグ犬がいたので、この高度でそのまま飛行を続けると、犬の生命に危険があると判断した機長は、行き先をフランクフルトに変更して着陸、この犬は、別の便に乗り換えて助かったと言う内容であります。

 

結果、この便には約75分の遅れと、燃料が嵩んだものの、犬が危険にさらされる恐れがあって、行き先変更したことで、その安全が確保されたことを知ったこの便の乗客は、間違いなく正しい判断だったと機長を讃えたようです。遅延が生じるなどしたことについて、エアカナダとこの犬の飼い主は、迷惑をかけたことを詫びたところ、概ね乗客からは、好意的な返答がなされたとのことであります。 たかが犬、されどひとつの命、救出できた機長のプロ意識に感動しました。たとえ貨物室の『荷物』であったとしても、これを損傷することなく目的地まで届けるのはまさにプロです。

 

また、エアカナダの乗客の民度の高さにも感動、ゆとりがある、大人の対応ですね。

 

振り返ってどこかの国だったらどうでしたか。商談に遅れるとかキレる人あり、果たして航空会社も、機長の判断を認めたでしょうか。

心に余裕を持つこと、命の大切さは、こんなところから教えられるのではないでしょうか。

 

今、ヨーロッパでは、シリア等からの難民流入問題で、さまざまな意見が出されています。

 

各国間でも協議の必要性が言われています。島国日本では、国民の間では、あまり実感がないようです。難民認定が極めて少ない日本の現状には、国際社会からは、『鎖国』と疑問視されているのです。 2014年の日本での難民認定数は、5.000人の申請に対し、わずか11人でした。ヨーロッパでの難民危機を巡っては、今月EUの欧州委員会が、加盟国に対して、新たに12万人の受け入れ義務化案を示したと言うことです。

 

これを受けてオーストラリアが1万2.000人の受け入れを表明したほか、アメリカも、ケリー国務長官が、受け入れに前向きな意向を示したと言われております。 どころが、菅義偉内閣官房長官は、「難民対策は、これまでも国際社会と連携して対応している。現状では、具体的な政策を追加することは考えていない」と述べました。

 

どこが国際社会と連携?と思いました。また、法務省が出した第5次出入国管理基本計画では、新しい形態の迫害を受けたケースを含むとされましたが、就労目的等の申請は、偽装難民であるかの視点があって、日本弁護士連合会は、『申請抑制策に特化した内容』と批判しているところです。 積極的平和主義ってなんでしょうね。

 

世界の平和、全世界の人々が、等しく恐怖と欠乏から免れる生活ができることとは違うようです。集団的自衛権なるもので、国外まで出て、同盟国の面倒まで見ると言うのに、日本国内には『来るな!』と言うことでしょうか。難民受け入れを広く行うかどうかに関するネット上のアンケートでは、80%の日本人が、難民受け入れに消極的です。

 

これは、島国日本の伝統なのかもしれません。ならば、集団的自衛権のときだけ、島から出て行くべきなのでしょうか。なんか心が狭い感じがいたします。おそらくわんこの一件でも、日本の航空会社の便でしたら、乗客の民意を押し測って、機長は、エアカナダのような対応はできなかったのでは?と考えてしまうのは、わんこを飼っている私の穿った見方なのでありましょうか?