新国立競技場問題からラグビー日本代表、そしてアビスパ福岡井原正巳監督を思う。

2015年9月24日
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ラグビーワールドカップイングランド大会で、日本代表チームが、世界ランク3位、過去2回優勝し、今大会も優勝候補とされる南アフリカチームに勝利しました。なんでもこれまで日本は、W杯では1勝しか挙げておらず、体格でもかなり劣るので、劣勢が伝えられ、その勝利は、歴史的快挙と讃えられているのです。

この試合、何回もビデオ放映されましたので、そのシーンは記憶されました。ノーサイド直前に、相手チームが反則を犯し、そこでペナルティキックを選択してこれが決まれば同点のところ、日本チームは、あえてスクラムを選択しました。トライとなれば5点、もし、プレーが切れれば、そこで試合は終了です。

スクラムから出たボールを右に展開、そしてラックとなって素早く出したボールを、今度はバックスが左に展開、飛ばしパスを使って、最後は、左隅に逆転トライを決め、ノーサイドとなった試合でした。

ラグビーもサッカーもバレーボールも団体競技です。もちろん個の力、巧い選手がいるに越したことはないでしょうが、それだけでは勝てません。言い古された言葉ですが、チームワークです。ひとりでも諦めたら、ひとりでも気を抜いたら、この結果はなかったでしょう。ラグビーは、サッカーと異なり、たくさん得点が入り、オフサイドなどルールが難しいと言われます。身体と身体をぶつけ合う英国で始まったスポーツですが、ノーサイドで知られるごとく、紳士のスポーツと言われますね。確かにシン-ビンと言う危険な反則による一時退場はありますが、殴り合いや審判に対する暴言等は、ほとんど目にすることはありません。あのデカイ男たちが、審判に注意を受けて小さくなっているのは、可愛いものと思います。

次は2019年、日本でラグビーワールドカップが開催されます。この話で、先の新国立競技場建設問題を思い出された方もおられるでしょう。もともと新国立競技場は、2020年東京オリンピックパラリンピックが決定する前に、建て替え建設が決まっていて、実は、ラグビーワールドカップのメイン会場となる予定であったのです。

日本ラグビーフットボール協会名誉会長は、あの森喜朗氏です。この森喜朗氏が、2020年東京オリンピックパラリンピック協会大会組織委員会委員長となったことから、いくらか話がややこしくなった感は否めません。森喜朗氏は、「あの生牡蠣みたいな競技場、初めからイヤだった」と述懐されました。そんな記憶も薄れていないときに、日本代表チームの快挙です。前日あったこちらも『歴史的転換』となった永田町界隈での出来事をも忘れられるかの大きなニュースとなりました。

自国でのワールドカップ前のワールドカップと言えば、2002年日韓サッカーワールドカップの前、初めて日本代表がワールドカップに出場した1998年(平成10年)ワールドカップフランス大会です。このとき、日本代表は、三戦全敗でした。ここから歴史を刻んでいくのです。

世界に初めて出たフランス大会のサッカー日本代表チームの主将は、井原正巳氏です。この井原正巳氏、現役引退後、指導者としての研鑽を積み、特に名将ネルシーニョ監督のもと、柏レイソルでのヘッドコーチとして人材養成の傍ら、確かな目を養われたようです。そして、今年2015年、アビスパ福岡の監督に就任されました。

アビスパ福岡は、すっかりJ2に定着し、しかも毎年順位は二桁で、この間赤字連続によるライセンス剥奪の危機もありました。ところが、 前社長、前々社長や選手スタッフスポンサーサポーターら、一丸となって苦境にあるチームを支え、全国のサッカーファンの応援を受けて昨年経営危機を脱し、この春より井原監督のもと、スタートを切ることができました。

この井原監督、まず顔が良い、スタイルが良いです。現役時代からの物腰の柔らかさ、落ち着いた丁寧な語り口で、かつての日本代表主将井原正巳を知らない方々も、すっかり魅せられてしまったようです。開幕三連敗を喫し、あれこれ不安が囁かれましたが、その後はブレることなく、チームは安定してここまでやって来ています。

先日のホームゲームは、アビスパ福岡20周年記念としてOB戦が行われ、試合のほうも、不利な判定を受けながらも、選手の集中を切らすことなく、後半アディショナルタイムに逆転し、レベルファイブスタジアムを埋め尽くした今季最高数となった観客は、感動したものでありました。

話があちこち飛んですみません。

きさらぎ法律事務所が後援会に登録され、福本悟が応援を続けるアビスパ福岡が、秋ともなったこの時期、まだプレーオフ圏内の順位に着けていることで、いささか気分が良いのです。井原正巳氏のこのお姿を拝し、今イングランドで活躍するラグビー日本代表選手の皆様が、ラグビーワールドカップ日本大会を経て、指導者とられるなどの将来をあれこれ想像しながら、応援する自分がおります。