ペットの犬も、人間の子どもも、早く母親から離してはいけません。

2015年9月25日
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先日首都圏のある市で、飼い主のもとを離れた紀州犬が、人間に噛み付いて軽症を負わせ、翌日も人間を噛み、探しに来た飼い主までも噛み付いて離れないことから、臨場した警察官が、この紀州犬に対して、飼い主の同意を得て発砲、それでも犬は怯まず、警察官に向かって来たとのことで警察官3人が、計13発拳銃を発射して、ようやくこの犬を仕留めたとのニュースが、報じられておりました。

 

今日は、この警察官の行為について論じようとは思いません。法律的には、犬は、『器物』であり、その所有者の同意を得て『損壊』したのであるから、器物毀棄罪は成立しません。

 

仮に、飼い主の同意がなかったとしても、警察官や飼い主に対して攻撃を仕掛けて来たのであれば、自己または他人の生命身体等を守るため、必要やむを得ない状況にあって、その反撃の程度が相当であれば、発砲行為等は、正当防衛が成立します。 この件では、射殺されたこの紀州犬の飼い主が、批判されています。それはそうでしょう。報道されたところでは、70歳を超えるこの飼い主は、日頃あまり散歩に連れて行くことがなく、この犬は、よく吠えていたと言うことです。しかも、飼い主の家から逃げ出したのですから、その管理がなっていないと言わざるを得ません。

 

犬は、相当ストレスが溜まっていたでしょう。おそらく躾なんてしていなかったのでしょうね。

でも、そんな飼い主だったからかもしれませんが、いかに自分の腕に噛み付いて離れないからと言って、射殺して良いなんてよく言えるなと思います。犬は、攻撃を止めればよい、つまり法的に言えば、急迫不正の侵害行為が止まれば良いのであって、まさに息の根を止めてしまう必要があったのかと言うことです。

 

概して吠える犬は臆病で、不安なのです。飼い主がしっかり愛情を持って育て暮らしていれば、こんなことにはならなかったでしょう。まさしく犬も家族なのです。お陰で?動く標的が相手とは言え、市街地で13発も拳銃を発射したとして、関わった警察官もあれこれ言われてお気の毒との意見もあり得るでしょう。 我が家には、わんこが3頭います。もともと知人がブリーダーをしていたことから、その家で生まれた生後90日を超えた子犬を引き受けたのがきっかけでした。

その後、その知人であるブリーダーさんを介して、この犬種では、最も信頼できるとされるブリーダーさんの元のわんことの間に交配し、我が家で5頭生まれました。そのうちの2頭が残って、母親と一緒に暮らしているのです。今は、母犬7歳、子ども4歳になりました。 『8週齢規制』と言われるわんこ引き受けに関するルールがあります。

 

これは欧米でのルールで、日本の動物愛護法では、45日間とされる子犬の販売規制のことです。多少犬種により異なるとは言われますが、犬は、生まれて70日から90日の間に、社会性が身につきます。つまり、母親の愛情をたっぷり受けるなどして、人間社会で生きるルールを学ぶのです。これが生後間もないときは、身につきません。よく例示する誠に辛い統計ですが、早くして母親と離れた少年の非行率が高いことでも裏付けられることだと思っています。

ところが、『可愛い!』がだいいちのペットショップでは、可能な限り、生まれて小さいままの犬を並べます。見た目可愛いからです。

 

小さいときに、母親と引き離すべきではないのです。さらに悪いことに、ペットショップのガラスケースで長く暮らしていると、もちろん生育状況も気になりますが、他のわんこと触れ、また、外で遊び、まして躾教室に通うなどの機会はないでしょうから、社会性を身につけないまま、人間と一緒に暮らすことになることです。 良い犬のブリーダーさんは、生後90日くらいまでは、購入希望は受けるものの、引き渡しはしません。

 

その間に、母犬と一緒に暮らし、また、他の兄弟姉妹とも一緒に暮らし、社会性を見につけさせるのです。ペットショップは全部ダメだとは言いませんが、『目と目が合った』『抱っこして懐いた』は、止めた方が良いですね。我が家で生まれた子犬は、皆良い家庭に引き取られました。それでも生後100日以上、我が家に居る母犬と一緒に、暮らしました。

そして、今でもよく皆で会いますが、兄弟姉妹仲良しです。母犬は、子どもたちをペロペロ舐めます。もちろん吠えることもなく、人間大好きなわんこたちです。 男女の中でもそうかもしれませんが、『可愛い』とか『運命』は、少し慎重に捉えたほうがよろしいかと思います。

 

ブリーダーさんをはじめ、しっかりした家庭で大切に育てられ、愛情たっぷり受けたわんこは、一緒に暮らすと安心です。そして、そんな環境で育ったわんこたちは、決して拳銃で射殺されるような目には遭わないはずです。

 

子どもを愛情を持って育てること、それは人間社会の規範ではないでしょうか?