深夜の時間帯の鉄道の使い方

2015年9月4日
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首都圏の鉄道は、JR東日本よりも、私鉄各線が網羅されていると思っています。

 

新宿、渋谷、池袋、横浜等ターミナル駅を結ぶ各線があり、これが新宿駅とか横浜駅の利用客を増やしている計算です。

ただ、始発駅から終着駅まで、それほど距離は長くないので、座席指定の特別料金を要する特急電車は、あまりありません。私が利用する私鉄もそうです。 また、特急電車が走っていても、これが夜間走行するのは無いですね。

 

遅い時間帯に、通勤客のためのホームライナーはありますが、これは、家路に帰る乗客が利用します。ターミナル駅を出て、深夜未明に私鉄の終着駅に到着しても、やることが無いでしょう。ここが姿を消した寝台特急、ブルートレインと違うところです。

 

そんな『常識』を覆す私鉄特急が現れました。8月のある日、西武鉄道が、サッポロビールと協力して、特急車両で、エビスビールの飲み放題付きの『夜行特急ツアー』を行ったのです。これは、深夜0時29分に池袋駅を発車し、終着駅西武秩父駅には2時40分に到着、その後ツアーバスで秩父のパワースポット三峯神社に4時過ぎに着いて、明け方の雲海を臨むと言うものであります。

その後どうするのか、朝そのまま池袋方面に戻って仕事に出るのかは、参加者それぞれにお任せのようです。

これは盛況のようでした。深夜の時間帯は、鉄道は、眠った状態です。これを利用した面白いツアーです。お父さんたちのちょっとした夏休みの思い出となったでしょうか?利用客のおじさんが、西武ドームで活躍中の『エビスガール』が可愛かったなんて、酔っ払い談義に興じていたとtweetされていました。

 

これをいつも行なっては、やる方も参加する方もたいへんですが、夏休みなんかにちょっとやるのは良いかもしれません。

 

全国各地の私鉄の中には、『あまちゃん』のようなお座敷電車よろしく食を楽しむ特別電車等を運行する会社もあります。でも、首都圏のターミナル駅から、仕事を終えた人たちを乗せて、ビールを振る舞いつつ目的地に向かうの列車は、私は、今回初めて知りました。

 

私鉄の場合、車両はロングシートで、トイレが着いていないのが大半です。そもそも始発駅から終着駅までの距離が短いので、今回の秩父ツアーのような企画は難しいでしょう。ましてビール付きでは。

 

でも、小田急、京成、東武等の車両を使って、それこそ首都圏の目玉である相互乗り入れを利用して、なんかできないでしょうか。新しい私鉄各社の顧客獲得策、業績アップへの試みなんて言えそうですが、実は、車内でビールを飲む機会を増やして!の個人的理由からの願望に過ぎないと一蹴されそうですね。

 

ちょっと珍しい、面白い話題でしたので、紹介した次第です。

 

『集中』と『分散』、考えてみませんか?

2015年9月3日
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8月のある日、夕方の通勤ラッシュの時間帯に、東京と横浜を結ぶ東急東横線が、約4時間運転見合わせとなるアクシデントがありました。これは、信号システム等を集中管理する信号機器室の電気ブレーカーが、なんらかの原因により落ちたためと発表されています。この信号機器室は、東横線多摩川駅付近にあって、東横線と合わせ
多摩川駅を通る多摩川線、目黒線もストップする事態ともなって、利用客36万人に影響が出たと報じられています。

このところ首都圏では、信号系統等のトラブルで、長い時間、広範囲に渡って運転見合わせとなる交通機関のアクシデントが発生しています。先日も、横浜港花火大会の夜、その最寄り駅JR桜木町駅近くの信号トラブルで、長時間に渡って電車の運行ができないことがあったばかりです。このときも、京浜東北線のみならず、桜木町駅を通らない東海道線等も、長時間運転見合わせとなりました。

以前にも申したかもしれませんが、首都圏の鉄道は、各社相互乗り入れをしているところが多く、例えば東急東横線は、みなとみらい線、東京メトロ副都心線、西武池袋線もしくは東武東上線に繋がっているので、遅れや運休等各方面様々な路線に影響が避けられない仕組みです。ある路線が止まっているとき、振替輸送はされますが、ひとつには、待っていればやがて動くだろうと判断して駅周辺に残る人、また、その駅でタクシー待ちする人で混雑し、またひとつには、振替の案内は同じ方向に同じルートを勧めるため、振替輸送に関連する別の交通機関にも混雑が集中して、今度はこれらに遅れ等が、波及してしまうのです。

それにしても、集中管理がどんなものかわかりませんが、たったひとつのブレーカーが落ちただけで、これほど多くの影響が出るとはなんとも脆い感が否めません。故障が生じるのは仕方ないと思いますが、トラブルが起きたとき、これを収拾させる能力が必要でしょう。これも広く言えば危機管理となるのでしょうが、私は、よく『危険の分散』を申し上げます。

ちょっと話題は逸れるかもしれませんが、大切な書類は、原本を然るべき方法で保管する他、幾つかコピーを保存して別の場所、信頼できる家族等に預けて保管することをお勧めしています。裁判の結果が記されている書類だから大切に保管されるよう申し添えしたケースで、数年して『紛失した』と連絡される方がおられます。そんな方に限って、コピーを残さないなど、しっかり管理されていない実情が露わになる例です。

子どものころ、ハイキング、ちょっとした登山に参加させていただいた機会に、リーダーが言われるには、隊長、責任者、ベテラン等は、率先して参加者を連れて行くのではない、先頭は、ある程度経験がある者が務め、責任者ある者は最後尾に付く、そして列の真ん中にも、ある程度勝手を知った者を配列させると仰ったことがあります。お陰様で、こんな私でも、富士山に2回登頂することが叶いました。機械の場合は、そうはいかないのかもしれませんが、便利が嵩じて不便が起きたら元も子もありません。

この東急電鉄のアクシデントが、『集中管理』と関係することを聞き、考えを述べたくなりました。権力でも人口でも、一点に集中させることには、凄い違和感があります。よくトップダウン方式の会社が登場しますが、確かに直ぐになんでも決められるでしょうが、果たしてそれが良いことなのか、良し悪しの判断ができる仕組みなのか、ひとたび間違った方向に走り出したらもう止められないのは歴然としています。『集中』と『分散』、少し考えてみませんか?

 

またひとつ時代が終わりました。ーー寝台特急北斗星の運行終了に寄せて

2015年9月2日
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寝台特急『北斗星』が、8月23日朝上野駅に到着し、その全ての運行が終了しました。来年3月新青森新函館北斗間の北海道新幹線の開通により、青函トンネルの運航が困難になることが理由とされておりますが、鉄道ファンや、何かの儀式行事や思い出に乗車するケースはそんなにあるわけではなく、やはり採算が取れない事実は否定できません。国鉄分割民営化は、今は昔のことであり、JR各社も利益を上げなければなりません。

寝台特急北斗星は、1988年(昭和63年)3月に、青函トンネル開業に合わせて上野駅と札幌駅間に運転を開始したブルートレインです。運行当初は、個室寝台や豪華な食事等で注目を浴びました。当初3往復だった北斗星は、やがて2往復に、そして1往復になって、今年の3月に全ての定時運行を終了し、8月まで臨時列車として動いていたのでした。

北斗星が生まれた当時は、まだ東京駅からは、九州に向かうブルートレインがありました。私も小さい子どもを連れて、『あさかぜ』に、そして『北斗星』に乗車したことがあります。特に北斗星は、その名のとおり北への思いを運ぶ夢の青い車両の感がありました。ロビー室やシャワー室もあり、束の間の夏休みを、家族で堪能した記憶があるのです。

仕事を終えた北斗星のブルーの車体は、解体される予定でしたが、これの譲渡を希望する声があったりするので、今後の行き先は未定とのことです。姿を消したSL、蒸気機関車も、あちらこちらで保存運動が起こり、その後実際石炭を入れ、点火して運行する、つまり、生き返ったSLもあります。

前夜午後5時過ぎに上野駅を発車した北斗星1号は、私が札幌の裁判所に午前10時に出頭するために早朝羽田空港を出、新千歳空港駅を8時49分の『快速エアポート』で札幌駅に到着するころ、長旅を終えて、終着札幌駅に到着します。単に航空機でひとっ飛びにはない風情があり、思い出作りができるのではないでしょうか。私が初めて福岡市に赴任する際乗車した『あさかぜ1号博多行き』の車内でも、初めて会う人たちと、旅談義に花を咲かせたものでした。

ブルートレインは、長い道程を、なんの繋がりもなかった人たちをひとつにまとめて目的地に運ぶ人生の模型のようなものではないでしょうか。『袖振り合うも多生の縁』。同じ車両で一夜を共にし、また、酒盛りをした縁、この偶然を大事にしたいとずっと思っていました。別に名刺交換するわけではありませんし、再会を約束するものではありません。もちろん、何処かでその後会ったこともないでしょう。でも、ブルートレインでのひとときは、古き良き日本が凝縮されていたようにも思います。日本の線路から、ブルートレインが姿を消し、またひとつの時代が終わったと思うのです。

 

ある中学校が、いじめにより自殺した生徒が、転校したと在学生に説明したとの報道に寄せて。

2015年9月1日
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何とも不可解な対応が、ニュースになっています。今月発生した大阪府内の中学1年生2名が亡くなった事件は、多くの方が、痛ましい思いと怒りの念を持たれたかと思います。同世代の子どもが被害に遭った事件は、川崎市内で、夜年長の少年に暴行を受けて男子生徒が殺害された事件、また、岩手県内では、いじめにより男子生徒が自殺した悲しい出来事が報じられたばかりです。

先週になって、宮城県内で、昨年自殺した中学1年生が、実はいじめを受けていたこと、後日学校側も、いじめが影響した自殺であったことを確認していたことが明らかになりました。驚いたのは、亡くなったこの当時中年1年生の生徒ついて、学校側は、在学生に対して、「転校した」と説明していたことであります。教育委員会は、このように説明した理由を『遺族の意向』と述べました。

まず、ご遺族に対して、マスコミ等が、『本当かどうか』等の確認と称して、追いかけることが無いよう願いたいです。教育委員会は、そんな理由を挙げながら、『発覚』して事実関係を問い合わせして来た報道機関に対して『謝罪』しておりました。これはおかしい。怒りを覚えます。

本当に、遺族の意向であり、学校や教育委員会がそれを汲んで『転校した』と生徒らに説明したことが教育者として正しい判断だったとされるなら、それこそ遺族の意向に逆らってまで、今ころ事実を発表するのはおかしい。また、悪いことはしていない、間違っていないならば、どうして、しかも報道機関に対して、謝罪しなければならないのでしょう。

私は、『遺族の意向』が、『いじめにより亡くなったことを隠して、家庭の都合で、生徒は転校したと在学生には説明して欲しい』と申し出されたのだととしても、この学校側の判断は、教育者としては納得できません。確かにご遺族は、辛い、悲しい出来事があった街は離れたいでしょう。

真相を明らかにして将来いじめが無くなったとしても、亡くなった生徒は戻って来ません。ですが、このところ報道されるいじめに関する学校側の対応にやるせなさを感じているからか、私は、この中学校や教育委員会は、『遺族の意向』を渡りに船にしているのではなかったかとの疑念を抱きます。『遺族の意向』は、文字通りしなければならないのではなく、真摯にこの亡くなった生徒に対する『すまなかった』思いがあったのならば、何か違ったやり方があったのではないでしょうか。

この中学校には、命を守れなかったこの中学生のほかにも、このいじめに関わった生徒を含む多くの生徒がいます。学校は、この全ての生徒を教育し、命の大切さを教えなければならないでしょう。特に、いじめを行ったとされる生徒のうち数家庭には、『事実』そのものが伝えられていないとも報道されているのです。教育ってなんでしょう。学校や教育委員会は、どこを見て、何のために教育に携わっているのでしょう。

少し話は逸れますが、心にもない謝罪は、すぐにバレます。また、そんな『謝罪』をしても、そんな『謝罪』をした前提となった事実出来事は、また繰り返されます。もし、この学校や教育委員会が、『遺族の意向』に沿って生徒らに対して嘘を教えたことが間違いであり、この度の報道機関に対する『謝罪』は、心からの謝罪であるとされるなら、いい大人が揃いも揃って馬鹿面下げてマスコミ前で頭を下げるではなく、さっさと職を辞すべきだと考えます。


こんな報道に接するたび、個人で責任を取らない組織にいる方々の良心、職業倫理ってなんだろうと思うのです。

 

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