航空機の安全性、重心すなわち重さのバランスにあるのです。

2016年4月6日
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東京で空港と言えば、誰もが東京国際空港すなわち羽田空港を挙げるでしょう。

 

ただ、羽田空港以外にも、国内線定期路線が就航している『空港』があります。昨年、離陸直後の小型飛行機が、民家に墜落した大惨事が記憶に新しい『調布飛行場』がそれです。

 

新中央航空が、調布と伊豆諸島の幾つかの島との間に、定期便を就航させています。 日本国内を毎月のように航空機を利用して行き来する私は、1度だけ調布飛行場から航空機に搭乗したことがあります。5年くらい前でしたが、東京弁護士会から嘱託を受けて、法律相談の担当者として、伊豆大島に行ったのです。

 

大島は、伊豆諸島の中ではいちばん近い島で、人口も多く、三原山と 椿まつりは特に有名です。

 

羽田空港からは、ANAが就航していますが、実は事務所からも、多摩地区にある家からも、羽田空港より調布飛行場のほうが近いので、小型飛行機にも興味かあり、利用したのです。 ところが、私にとって、『恐ろしい?』経験をしました。それは、私自身が悪いので、飛行機の仕組みのイロハを教えられ、また、安全性のチェックを徹底させていると感心したものでもあります。

 

新中央航空では、搭乗手続きの際、体重を申告するのです。航空機のバランスを保つため、搭乗者の体重により、座席を決めるシステムがとられているのです。それと、手荷物も、重さによって料金が発生する扱いです。本当は、身体が重い人には追加料金を支払わせたいのでしょう。いざ搭乗機に乗り込む直前に名前を呼ばれて座席が指定されます。搭乗した日は、箱根駅伝に出場するための合宿に向かう大学生と、おそらく地元大島のお年寄りがほとんどで、どー見ても、私がいちばんヘビー級であり、恥ずかしかったです。

写真 2

行きも帰りも、『真ん中』あたりの同じ座席が割り当てられました。 さて、今月4月1日、私は羽田空港から福岡空港に向かいました。この日搭乗したのは、福岡県に本社がある『7年連続顧客満足度1位』の国内線スターフライヤーです。早朝6時40分に羽田空港から出発しました。

 

そして私が福岡空港に到着したころ、福岡空港では、少々騒がしい事態が起きておりました。この日朝7時48分ころ、JAL日本航空のコンピュータシステムが故障して、羽田空港を中心に、欠航遅延が発生していると言うのです。福岡空港でもテレビ局が、空港の様子を放映していました。

 

このトラブルは、航空機の重心を計算するためのプログラム、すなわち重量管理システムに不都合が生じたことが原因で、午前10時過ぎには復旧したものの、その間は予備システムで対応していたそうで、通常よりも処理速度が劣るので、結果遅延が生じたのだそうです。

 

JALでは、この日48便が欠航となり、ほぼ終日遅れが出たと報道されています。 よく『バックアップ』の大切さを言われますから、故障したものの予備システムで作業を継続、極力運航に努めたことは評価して良いでしょう。でも、私たち利用者にも、重量管理システムの大切さを知るきっかけを齎したことが意義あることなのかもしれません。

 

航空機の重心を計算するのは、乗客が座っている座席の位置や貨物の置かれている場所などを計算し、航空機の重心を把握することで、バランス維持するわけです。これが正常に機能していない場合には、航空機は離陸できない仕組みになっているのだそうです。

 

調布飛行場からの小型機は19人乗りで、たったひとりでもデブがいると飛行機の重心、すなわち、バランスに影響しかねないとして、厳重な?チェックがなされるわけが理解できました。羽田空港を離発着する航空機は、ほぼプロペラ機はなく、機内には、そこそこ搭乗者がいるので、体重を自己申告するまでもなく、コンピュータ管理が可能なのでしょう。

 

しかしこれが故障すると、安全性が失われる、基本はバランス、特に太っていると何も良いことはないよと『注意』を受けた気がしました。羽田空港を離陸後、そんな事態になっていることは知らずに機内に居た私は、『顧客満足度1位』のスターフライヤーの革製の足元が広い座席で、呑気にNHK幼児向け番組『はなかっぱ』のオーディオを眺めていたのでした。