今年は、全国的に桜の開花が早く、東京都内が最初の開花宣言がなされ、3月中には西日本ではほとんどの県で開花したようです。
4月1日訪れた福岡市でも、桜はほぼ満開でした。
でも、『花より団子』と言う言葉があるように、私の福岡は、『お菓子よりお魚』であります。4月になると、九州では『うに』が出るのです。 福岡市に春を告げる風物詩となっているのは、室見川河口の『しろうお漁』です。
2月中旬から今ころまで、ハゼ科に属する透明な小さな魚の踊り食いが有名です。そして、禁漁を迎える赤なまこに変わるように、『うに』が並びます。この『ひとりごと』では、毎年しかも数回九州のうに、特に『うに前線北上中』について書きました。最初は鹿児島阿久根、そして右に大分佐伯、左に熊本天草、いよいよ4月になると、私が日本一と称する佐賀県唐津市の『うに』が出るのです。
唐津の『赤うに』、絶品ですが、まだこの時期は子どもで、もともとしっかり小粒なうには、本当にこじんまりしています。旬はまだですが、それでも味は流石ですね。これもいつも申しますが、首都圏には、九州のうには入らないのです。福岡まで行く必要があります。4月も後半となると、福岡市の糸島半島や志賀島でも、美味しいうにが獲れます。
さて、私からすると、事実上の『解禁』となる4月1日、福岡市の台所『柳橋連合市場』には、唐津のうにはありませんでした。数日前に初めて入荷したそうですが、ここ数日天候が悪くて入荷しないのだそうです。ちなみに、唐津にも海女さんがおります。それで、まずは市内の美味しい魚を食べさせてくれるお店に足を運んだものの、行きつけの数店には、まだ出せないと言われました。地元の人はわかっているのですが、北海道あたりのうにに慣れた観光客がいらっしゃると、この時期の子どものような小粒のギュッとしていないうにを見ると、食わず嫌いになられるのでは?と言われたことがありました。
それで、いつものように、ヤリイカ、唐津や福岡では『剣先いか』と言われる『いかの活造り』を食べました。福岡市の和食店、居酒屋で『いかの活造り』を出せない店はほとんどありませんが、やはり店によって捌き方、並べ方等違います。刺身醤油との相性もあるのですが、出されたいか、捌かれたいかにより、いくらか甘みが違います。また、呼子、鐘崎、芦屋等入荷先が異なることもあって、居酒屋を幾つも知っておくと、時化のときでも、何処かではありつけたり、また、『ハシゴ』する楽しみもあります。
今回は、西鉄グランドホテルから、徒歩1分くらいの場所にある比較的新しい店に行きましました。ちなみに、西鉄グランドホテルから、3分、そして2分、さらに信号機があるため1~2分となる店にはもう何回も入りして、焼酎のボトルが残されるなど、私は『常連』として覚えられています。今回行った店も、行きつけとなる予感です。写メ撮りました。 それでも『うに』はありませんでした。
この日店で出せるのは、北海道のばふんうにだそうです。冬季唯一国産のうにが入るのは、北海道東部の根室、釧路、浜中あたりの漁港で、太平洋産と言われますが、北方四島周辺で獲れるうにです。ばふんうには、北海道の定番ですが、夏季の積丹、利尻礼文、焼尻あたりのが良いですね。
でも、うに好きは、我慢できませんね。冬季北海道に出張すると、必ず新千歳空港のこれまた行きつけの居酒屋で、北海道東部のうにを注文します。そんな思いでいかを食べつつも、最後の綱は、天神の岩田屋さんだと思い、翌朝開店と同時に鮮魚店に入りました。 唐津のうに、岩田屋さんにありました。
まだ小さいですね。ですから1.000円代でした。でも、濃厚の締まるような味、やはり唐津であり、北海道とは違います。これは好き好きでありますが、ぜひ九州、それも唐津のうにを食べて、北海道のものと比べて欲しいです。九州も北海道も、これからうにのシーズンを迎えます。さて、今週は、札幌出張です。また、あの店で、今度は道内のうにを食べることになるでしょう。