新大阪駅、新横浜駅だってそうでしたーー長い目で見たい新函館北斗駅の活躍!!

2016年4月11日
テーマ 
3月26日、北海道新幹線新青森と新函館北斗間が開業しました。

新幹線が北海道に上陸すると言うことで、道内のテレビ局を中心に、多く取り上げられていましたし、私が暮らす首都圏でも、百貨店等では北海道物産展、特に函館特集をやっていて、先週行った福岡市天神にあるデパートでも、北海道物産展をやって、全国的に、北海道新幹線を盛り上げる試みがなされているようです。


開通した当日は、61%の乗車率だったそうですが、翌日には37%に、現在は25%くらいになっていると報じられています。開業前から開業9日間の指定席の売れ行きは、座席数の26%なんて発表されていましたから、初めから多くの利用客を見込まれていたのではないようです。



この乗車率や北海道新幹線が苦戦する原因について、これまでこの『ひとりごと』でも何回か私見を交えて書いてきました。JR札幌駅構内での催し物はともかく、いちばん感じるのは、札幌市民は、あまり関心を持っていないなと感じられることです。


新函館北斗駅と言う名のとおり、北海道新幹線の始発駅は、函館市から15km離れた北斗市にあります。平成の大合併の前は、大野町と言う自治体で、その中心、すなわち現在の新函館北斗駅になったJR渡島大野駅は無人駅で、前年の1日の乗降客は54人と発表されていました。



青森駅も函館駅も、地形が『付け根』となっていて、いわゆる行き止まりですから、そこを終点にしない新幹線が入ることはできません。それで北斗市に駅を開設し、『新函館』を付けたわけですが、この駅名決定にも、悶着があったことを知っています。


東京と新函館北斗間は4時間かかり、函館にはさらに乗り換えが必要な上、折角新幹線で新函館北斗駅に到着しても、ここから札幌までは、JRの特急に乗車して3時間半はかかるのです。北海道の関係者には、甚だ失礼ながら、私はいつも札幌一極化を感じています。人口27万人の函館市と190万人の札幌市とでは、どうしても「札幌でなければ…」の思いは、北海道の方々にもおありかと思います。



北海道新幹線が札幌まで開通するのは2031年ですから、東京オリンピックも、名乗りを上げている札幌冬季オリンピックも終わった後であり、日本の産業構造、経済状況もまた、読めないものがあると思います。何か「新幹線が来た!」の実感がないのでは?と思ってしまいます。

でも、子どもころから地図を眺めたり、時刻表を捲るのが好きだった私は、やり方盛り上げ方で、集客?効果はあるだろうと思うのです。東海道新幹線が、新大阪が終点になったとき、なんと言われたでしょうか?


私自身は、新大阪駅で下車して、大阪市内に用足しをしたことは未だありませんが、今や新大阪駅は、近隣に商業施設や著名なホテルが並び、関東から紀州や北近畿鳥取方面に、西日本から北陸地方への乗り換え駅として大切な役割を果たしています。


新大阪駅は、梅田、キタで知られるJR大阪駅とはひと駅です。隣から、人や建物が流れ込んで来たとも言えるところはあるかもしれません。その点、『新横浜』は違います。東海道新幹線が開業した当時、『横浜駅』を通らず、何もなかった場所に『新横浜駅』が出来ました。高速で走行する新幹線は、基本的に『真っ直ぐ』線路が続く必要があり、横浜駅を通すことはできません。


新横浜駅は、こだま号しか停車しない本当に、こんなところに駅が?新横浜って、誰が使うの?と子どもこころに感じたことを覚えています。それがどうですか。今や新横浜駅は、横浜駅に匹敵するターミナルで、企業やホテルのほか、日産スタジアムや横浜アリーナ等の大きな施設が周辺に幾つも出来ました。当然『のぞみ号』は全て停車します。

新函館北斗駅、この駅を起点に、観光等をメインにした活用の仕方はあるのではないでしょうか。さいわい?札幌伸長はあと15年先です。函館市には空港があり、青函トンネルを見たい!とでも考えるファンはいらっしゃるでしょうが、首都圏からは、やはり航空機を利用するでしょう。新幹線の新駅は、これまた失礼ながら、函館だけを向く必要はないのではと思うのです。



函館から札幌方面に向かう観光、ツアーバスは、大沼公園、駒ヶ岳を経て、長万部で『かにめし』を食べ、洞爺湖から中山峠越えか京極、小樽経由で札幌に入ります。これまたあまり知られていない(失礼!)室蘭や反対側の岩内あたりも観光客を呼び込んで、途中下車、何も函館から札幌へ一気に移動することなく、立ち寄ってもらい、知ってもらう、特に宿泊させるようは町おこし、企画は、考えられないでしょうか?この場合、新函館北斗駅は、まさに北海道の陸の玄関、北海道はここからです。


私は、新千歳空港は大好きですし、札幌には毎年行き来しています。ですが、都会の人間にとっては、北海道の風景、山の恵みこそありがたいものなのです。新千歳空港から出るツアーバスは、だいたい回る場所はワンパターンです。新しい北海道の魅力は、これまであまり踏み入れていない場所を知らせることではと思います。

函館にとらわれず。また、なんでも札幌ではなく、新函館北斗駅から新しい北海道の魅力がスタートできるよう願っています。

新函館北斗駅が、新大阪駅、新横浜駅とはまたひとつ違った魅力ある新駅となったと評価されるには、長い目で優しく見て行きたいですね。