九州はひとつの思いを強くいたしました。

2016年4月20日

熊本県地方を襲った地震は、ライフラインを寸断しただけだけではなく、九州の観光にも大きな影響を与えそうです。

 

地元の被災者の皆様の不安、苦悩を思えば何が観光かとも言うことが聞こえそうですが、円安により外国人観光客を多く誘致する政策が進められている昨今、経済効果にも気がかりな向きもあるでしょう。特に九州は温泉大国、アジア諸国とも近く、少なくない影響はあるでしょう。 JTB九州によれば、ここ1週間の熊本市内や阿蘇方面のツアーや宿泊予約のキャンセル率は、ほぼ99%におよぶと発表されました。

特に九州随一の温泉県である大分県は、別府、湯布院の2大温泉地を持つところ、別府で震度6、湯布院で震度5の地震が発生して、外国人観光客の動揺は大きかったようです。由布市では、各国の言葉を盛り込んだ避難支援に関する案内書を配布するなど、今回の事態に対応したとのことで、地震に慣れない外国人観光客から、感謝の言葉が多く語られていたそうです。

 

それでもあえて危険な怖い思いをする場所には行きたくないでしょう。これは、外国人観光客に限られた現象ではありません。別府温泉では、14日夜の熊本県内を襲った地震が発生した直後から、予約のキャンセルが出始め、この土日は、半数以上がキャンセルとなったと報じられています。

湯布院温泉は、これまで震度5を記録した地震に見舞われたことはなかったと言われます。私も湯布院の町並み、そしてそこから見上げる由布岳の姿は大好きですが、湯の坪街道の土産物店では土産物が地震で散乱し、ほとんどの店が片付け等で休業し、街を歩く人も疎らな様子が写し出されておりました。

 

鉄道も大分自動車道も、大分県の入口日田市より先は不通となっていて、福岡方面から行き来することができません。その影響は、福岡市にも出始めています。 以前この『ひとりごと』で、ゴールデンウィークの宿泊予約数急上昇ベストテンに、福岡市内から2箇所ランクインしたことに驚き、また、私なりの分析をしました。

 

それは、アジアの入口としての福岡市、さらに、九州を観光するにあたっての入口に当たる福岡市の地理と経済を指摘したと思います、福岡市博多区にある大型デラックスホテルでは、ゴールデンウィークの先、1ヶ月以上も先の日の予約のキャンセルも出始めていて、そのほとんどが、外国人からのお客様のようです。

 

福岡を拠点に、九州各地を回る予定だったと見られます。 熊本県内の被害状況から、福岡から鹿児島、宮崎、大分への道路が不通となり、九州内の移動もたいへんで、九州は広いなと改めて感じました。

 

JAL日本航空は、福岡鹿児島間の臨時便を運航したとのことです。熊本は、九州の真ん中、ここがやられると九州は寸断されることがよくわかりました。九州から離れた私なんからいたしますと、こんなとき、九州はひとつと思い至るのです。