安倍晋三内閣総理大臣のヨーロッパ諸国訪問も終わり、この後は伊勢志摩サミット、そして夏の参議院議員通常選挙です。安倍晋三内閣総理大臣は、伊勢志摩サミットの『成功』と消費税率アップの中止を提げて衆議院を解散し、成果が出ていると言うアベノミクスをさらに進めるのか、例によって「後戻りするのか?」のかつて流行ったわかりやすいフレーズで、衆議院議員総選挙に打って出ると言われておりました。 すなわち、衆参同時選挙、ダブル選手を行うだろうとの予想であります。 任期中の衆議院議員の身分を失わせる総選挙は、議院内閣制のもと、国会と内閣の間の政策面での対立が続き、にっちもさっちいかなくなり、国政が停滞した場合に、それを国民のために打開する手段として行われるものです。これが憲法7条に基づく内閣の解散権で、よく『国民の信を問う』と言われますね。 衆議院解散は、まさに「そんな国会議員、使えるの?」と国民に尋ねるわけですから、内閣を支持する議員、すなわち与党が多数を占める間は、あえて政権を支持する議員をいったんクビにする必要はないはずです。選挙となれば税金が使われますし。 そう考えると、衆参同時選挙って、おかしいと思いませんか?解散すなわち国会議員を不在にしてまで、国政を停滞させないために、衆議院議員総選挙が行われます。その間は、参議院だけとなります。法律は、国会で可決したときに成立しますから、審議中の法案は廃案となります。 条約の承認や予算の成立は、憲法上衆議院の優越が規定されておりますから、参議院だけでーー緊急集会なるものがありますが、ーーそうまでして審議することはありませんね。まして衆議院議員総選挙中に、参議院議員通常選挙が同時に行われていたならば、国会は、事実上『半数』の参議院議員しか動けない、動かないわけで、そのこと自体が国政の停滞を招く危険性があります。 先の安保法制を急ぎ成立させようとするとき、政府与党からは、不測の事態への対応、切れ目のない体制つくりなど声高に言われました。そんなに急ぐ必要あったのでしょうか?そんな『国会重視』の政権が、今度は衆議院を解散するですって。この間、国会と内閣が厳しく対立する事態が起きていたでしょうか。参議院議員の定数は確か242ですから、その半数の議員は、改選を迎えて自分の選挙で忙しいくなります。 ですから事実上半数の人たちで、国政を決めなければならない理屈です。国会そして国民の立場からすると、興味本位の当選予想はともかく、あまり歓迎できるものではありませんね。 自国で開催されたサミットが成功しないはずがありません。 しかもご丁寧にゴールデンウィーク中に、休みも取らず安倍晋三内閣総理大臣は、ヨーロッパ諸国を訪問し、準備を万端にしています。既にドイツのメリケル首相と会話したこと自体で、成果を強調した新聞社もありました。そして消費税率ですが、一昨年の衆議院議員総選挙でも、誰も税率アップを求めていないのに、『国民の真を問う』とされました。あのときは、国政の停滞ではなく、年末のクソ忙しいときに!だったでしたか? ところがここに来て、どうやら安倍晋三内閣総理大臣は、衆参同時選挙となる衆議院解散をしないのではの予想が出ています。 先の衆議院北海道5区補欠選挙では、選挙運動期間最終日に北海道入りすることが叶わず、熊本地震で被災した方々を励ますために現地入りされました。膝をつけて被災者に語りかけるその姿は、北海道5区を含む全国に放映されましたが、さぞ気持ちは、北海道へだったでしょう。 そんなお優しい姿と、連日放映される自衛隊の活動に心を動かされた北海道5区では、自衛隊とそのご家族が暮らす千歳恵庭のみならず、多くの選挙民が、与党候補に託す選択をされたのです。おそらく国民は、政府を信頼している、政権を支える与党も支持されている、もはや国会運営につまらないケチがつく心配はないと分かったのでしょうか。 以前にも指摘しましたが、小選挙区制が基本の衆議院議員総選挙と、かつての衆議院議員中選挙区制に似ている同一選挙区に複数の当選者を出す、しかも同じ政党の候補者が立候補する参議院議員通常選挙では、仕組みが異なり、自ずから選挙運動も異なります。 巨大与党に対抗するための野党連合は、小選挙区制では、候補を一本化しますが、複数の当選者を出す参議院の選挙区では、それぞれの野党が、候補者を出します。 方や統一方や独自です。これでは選挙協力なんてできませんね。でも、変な声も聞こえてきます。 それは、熊本地震の復旧がままならない間に、血税を使って選挙を行うのマズイと。確かに、ご自身が出演された既に収録収録済みの民間バラエティ番組か、不謹慎狩りにあったのかどうかわかりめせんが、放送中止になりましたから。やはりどこまでもお優しい方のようです。