昭和の高度経済成長期に子ども時代を送った人たちは、家から歩いて小学校中学校に通ったと思います。高等学校になると、電車やバスを利用し、通勤通学時間帯を経験するのでしょう。その後の社会経済情勢から、中学受験が始まり、今では公立の中高一貫高もできて、経済的な余裕、ステータスやセレブと称されることだけが理由ではないでしょうが、小学校から私立に通わせるご家庭も増えつつあるようです。そうすると、特に大都市圏では、早くから子どもたちは、満員電車を経験することになると思われます。 私が初めて電車通学をしたのは高等学校からで、ある事情から、真面目に通学しなかったことや、通勤ラッシュとは別方向だったこともあって、当時住ん でいた家からはかなり遠い学校でしたが、あまり混雑したという意識はありませんでした。進学した大学は、今度は家から近くて、これまたラッシュとは反対方向でした。 皆さん経験あると思いますが、専門課程と言われる3.4年になると、様々な理由から大学には行かなくなり、私も図書館のような場所で、司法試験の勉強をしていたので、さらに混雑する電車に乗る機会は減りました。 司法修習生となり、その後弁護士登録して今日に至るわけですが、本格的な通勤ラッシュに遭遇するのは25歳の4月からでした。その後1年半福岡市に赴任しましたので、こちらは住まいから20分、電車は10分でしたから、楽なもんでした。 そして今では、日本一乗降客が多い新宿駅を通過しますから、毎日のように混雑で、電車はノロノロ運転、また駅ではない場所で、停止信号だとして、しばしば停車します。今日も通勤途中でこれを書いていますが、この電車、混雑のため5分遅れていますとアナウンスがありました。混雑のため遅れるなんて…。通勤時間帯は、混雑するのは当たり前でしょ。混雑したり、電車が停まった状態が続くと、体調を崩した乗客が出てきて、今度は『急病人対応』となって、さらに遅れることがままあります。 いつもお話するとおり、私は地理に明るく、特に電車には詳しいので、何処に行くにも迷うことはありません。 でも、電車に乗っているときに、嫌だなと思うことはあります。それは、車内に閉じ込めれて、なかなか電車が動かない状況になることです。首都圏の鉄道網は、各社相互乗り入れを含むあらゆる路線が縦横無尽に行き交っていて、便利ですが、わかりにくい面もあります。また、自分とは関係ない場所で事故など発生しても、たちまち遅れや運転見合わせが起きるのも、便利と不便の裏返しの感があります。 横浜地方裁判所があるみなとみらい線日本大通り駅には、新宿三丁目駅から1本で着きます。ただ、この間3社違う路線を経由するので、例えば1社何かアクシデントがあると、相互乗り入れが中止となり、新宿三丁目駅で待っていても、電車はなかなかやってきません。特に、池袋を経由して繋がる東武また西武線でアクシデントがあっても、横浜方面に影響が出てしまうのは、困りものです。もっとも、午前中にさいたま地方裁判所川越支部に、午後からは横浜地方裁判所に出頭したときには、電車1本で旅行気分でしたが。 ところで、そんな悠長な現実ばかりではありません。例えば、途中で電車が止まってしまったらどうしますか。地理に明るい私は、首都圏、特に山手線の内側を走行中に電車が止まる、路線が運転見合わせになっても、他の行き方を考えつくので多少の遅れはあっても大丈夫です。それでも嫌なのは、ずっと車内に閉じ込めれることです。地下鉄と駅間が長い路線のときは特に注意が必要です。途中降りれないからです。こんな理由で私は、大阪より先は、新幹線ではなく航空機を利用するのです。 最近は、スマホなどでも、運転見合わせや遅延の情報は知ることができます。でも、案内された迂回経路がデタラメではないにしても、かなり非効率的非現実的だったと経験される方もいらっしゃるでしょう。ここは日頃の経験がモノを言います。例えば、震災のときなどは、ターミナル駅には、多くの人が集まりますから、ここはパスすることです。池袋駅から東武線西武線に乗車するなら、その前に東京メトロ有楽町線副都心線で、新宿駅から京王線に乗車するなら、その前に都営新宿線に乗って、ターミナルを通過することです。さらに車を運転しない私は、運転手さんのナビ代わりを務めます。私はナビが大嫌いです。だいたい自分でわかるからです。でも、これは運転手さんに信用していただかなければ活用できませんが。 さて昨日も、関東地方で地震があり、長く車内に缶詰になった方がおられたようです。本当に地震は怖いです。いつ起こるかわかりません。これがある程度予期できる台風や降雪の場合には、予め目的地までの行き方を抑えておかれるべきです。首都圏で長く暮らし、電車を利用していると、強風に弱い路線、大雨に弱い路線等だいたいわかっています。私のように首都圏を中心にあちらこちらに行き来する人間は、地理と電車に詳しいと、かなり得をします。これからは、この『武器』を顧客サービスに活かすことができればと思っています。法律相談に限らず、地理や鉄道、あるいは旅行パックのご相談も、ーー資格はございませんが、ーーお受けします。