アビスパ福岡を応援する私が、昨年ホームへレベルファイブスタジアムで観戦したとき、福岡市を拠点にして活動するHKT48 と言うアイドルグループの女性(女の子?)メンバーが応援に来ました。 J1へ昇格した今年も、その姿が、レベルファイブスタジアムで見られました。芸能界も、ましてAKBもよくわかっていない私ですが、これまで多くのタレント、特に何かと注目される女性タレントを輩出する土地柄、彼女たちの活躍を期待したいとは思いました。そのHKTに関して、昨日ある新聞紙が記事にしていました。正確に言えば、メンバーが歌った歌詞について、物議を醸していると言うのです。 報道されて少し知った歌詞の一部ですが、「女の子は、可愛くなきゃね。学生時代はおバカでいい」「頭空っぽでいい」「女の子は、恋が仕事よ」「ママになるまで子どもでいい」……。 既に一部では、議論になっているようで、この問題の論点?は、私からは申しません。 私の年齢や日々の生活の中で、おそらくこの歌詞にあるような主人公?の女の子とは、何らかの関わりを持つような事態があるとは思われませんので、私に利害関係などなく、どーでもよいことではあります。この歌を聴くこともないでしょう。ただ感覚的なことを申せば、「気分悪いな」です。もちろん女の子はバカでいい!なんて思いません。 若い女の子はバカでいいとは思いませんが、世の中には、「バカで済まされない」立場の人がおります。このHKT48の歌詞問題が報じられた同じ日に、『バカ』と指摘された方がおります。感覚的に『バカ』と勘違いされることは、甚だ失礼ながらこれまでもあったかに記憶しておりますが、これはバカかどうかを論じるよりも、深刻な問題をはらんでいると考えます。以下私の思うところを書きます。 衆議院予算委員会で、野党民進党の政調会長が、保育園待機児童問題と保育士の賃金の問題は、与野党真剣に議論していくべきだと質問したところ、この委員会に出席を求めれていた内閣総理大臣、こんな答弁をしました。「山尾委員、議会の運営というものについて、少し勉強していただいた方がよい」は、国権の最高機関と憲法に書かれている国会から求められて、内閣を統括する立場でここに出席している議院内閣制を、相変わらず理解していないなくらいで済まされるのかもしれません、しかし、国会議員に対して、 「少し勉強された方がよい」と言われた当人が、「私は、立法府の長でありますから」とやったのです。‼︎‼︎‼︎ このお方のご機嫌取りに終始している与党議員からは、拍手も起きましたよ。映像を見る限り、ただひとり、石破茂地方創生大臣だけが、「はっ」とした様子を一瞬だけ示しましたが、この方は、『次』を考えておられるのか、無視?していました。 安倍晋三内閣総理大臣が、本当にご自分が立法府の長であり、立法府に所属する議員に対して、また、議員に国政を託した国民に向かって、「勉強しろ!」と言ってよい立場にあると思っていたのだとしたら、これは独裁です。三権分立なんて頭からこのお方にはなかったことが露呈されます。 そしてこのお方を総裁として仰ぎ、この『発言』について拍手した与党議員らが成立させたい憲法改正草案、これが何を目指しているか、ハッキリいたします。 たとえ学生時代はおバカで良いと考えていた人でも、中学校で習ったことは覚えているでしょう。中学受験を目指している小学生ならば、立法府=国会、行政府=内閣、司法権=裁判所の三権分立は理解できています。 もちろん、何で三権分立が必要なのかもです。立法府すなわち国会、日本では衆議院と参議院の両院ですが、これの長である議長こそ『立法府の長』であることを本当に知らなかったのだとしたら、小学生と机を並べて学習する必要がありますね。これまでも内閣総理大臣として、両議院の議長副議長、最高裁判所長官らと一緒に、天皇陛下主催の儀式に出席するなど、いろいろ経験されていたのですが。 国民は、与党自民党に圧倒的多数の議席を与え、安倍内閣を半数以上が支持しているわけですが、日本国民は、独裁国家を期待したのだ思わない、思いたくないのは私だけではないはずです。政府与党を支持する多くの国民に安心していただくためにも、安倍晋三自民党総裁は、自党の議員が、ご自分の間違いに拍手した現実にも直視され、三権分立と議院内閣制に関して、例えば改憲論者で、かつて自民党の先生だった小林節慶應義塾大学名誉教授あたりを講師に招いて、『勉強会』を開いたらどうでしょう。昨年のある勉強会では、『ギャグ先生』を招いたばかりに、マスコミを懲らしめる!等の生徒たちの行き過ぎたギャグを打ち消すのに必死でしたから。小林先生、きっと引き受けてくださると思いますよ。 『行政府の長』が、こんな具合ですから、若い女の子に「おバカで良いとは何事か!」と怒ったり、窘めたりするのは、全く説得力ないですよね。「オッさん、よく言うよ」でしょうね。最強の内閣、最強の総理大臣、最強の政党、これに慣れきった日本人には、もはやバカであっても構わない、諦めにも似た最近の風潮を感じます。