沖縄県で発生したおぞましい事件に心を痛めます。

2016年5月24日
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久しぶりに引き込まれました。5月20日金曜日夜の報道番組でのコメンテーターの発言です。

このテレビ番組、ある方向から、これまで何か批判されていて、この春に、メインキャスターが降板したこともあり、後任のキャストターの清々しさが好感を持てるものの、何かイマイチの感じがしておりました。特に、コメンテーターとして?毎日登場する方は、どなたかの会食友だちなのかと思うようなコメントを連発していて、私は、この番組に対する興味を失いかけておりました。


ところが今回初めて知ったのですが、この4月以降、金曜日だけは、コメンテーターが違うのだそうです。

金曜日のコメンテーターは、ご自身の立場をリベラル保守と言われる中島岳志東京工業大学教授です。


この方、昨年度までのこの番組でも、首都大学東京の木村草太先生とともに、私はそのコメントをとても楽しみに、また、日本国民として勇気つけられておりました。その中島先生、沖縄県で発生した20歳の女性が遺体で発見された事件に関連して逮捕され、その後勾留されている沖縄県に駐留するアメリカ軍の元兵士で、現在軍属として嘉手納基地内で働いているアメリカ国籍の男性が、女性を殺害したと供述していることに関し、政府与党関係者の発言に、激しい怒りを述べられたのです。

とても痛ましい事件であり、犯人に対する怒りは誰でも持ちます。それが政府与党に無いわけではありませんが、この方々が、「たいへんなことになった、タイミングが悪い」と述べたことに関して、涙ながらに怒りの弁を述べました。

曰く、「日本の若者が殺害された、これを悼むのではなく、自分たちの政治的都合でモノを言うのはいかがなものか。タイミングの良い殺人なんてない」と。

報道ステーションを見ていた視聴者からは、番組が久しぶりにビシッとしまった、当たり前のことをよくぞ言ってくれた等等好意的な意見が寄せられているようです。一部ネットでは、政府与党の誰が言ったんだよと、「匿名なので調べようがない」と国会で述べた方と同じような誰かを、どちらかを擁護する意見が多数出てはおりましたが。


『政府高官』『閣僚』『与党』と報道関係者が発表するときのルールをご存知ないようです。このタイミング悪い発言なるものが出ていたことは、最終的には、国内の全ての新聞紙に掲載されていたはずですが。

中島先生、日米地位協定が、沖縄県での米軍人や軍属の犯罪が続いている温床のひとつと指摘されました。日米地位協定とは、米軍人や軍属が関与した刑事事件の裁判権について、公務中に事件が起きた場合はアメリカ側に、公務外なら日本側に裁判権があるとした上で、ただ公務外であっても、被疑者の身柄がアメリカ側にあるときは、日本側が起訴するまでは、アメリカ側が、引き続き拘禁すると定められているものです。つまり、公務内外に関わりなく、被疑者がアメリカ側に逃げ込めば、事実上日本側は、捜査が困難になるわけです。


普天間基地の移設が決まった契機ともなった1995年に発生した少女強姦事件では、当然のごとく被疑者3名が、起訴まで日本側に身柄が引き渡しされませんでした。これが基地反対運動につながり、危機感を抱いた日米両国が話し合い、以後凶悪事件に限っては、起訴前の引き渡しについて、アメリカ側が、『好意的な配慮を行う』と合意したわけです。

そもそも犯罪そのものは、公務のはずはないのです。


公務外であっても、被疑者が基地内に逃げ込めば、日本側は、アメリカの好意的な配慮を待つしかありません。犯罪抑止力には、しばしば厳罰をとの声が上がりますが、私は、発覚と検挙逮捕の可能性だと思っています。

悪いことをしても捕まらない、処罰されない、これほど犯罪者の担保となる仕組みはありません。この地位協定があるので、基地のある沖縄県から、米軍人軍属の犯罪が無くならないのだと言う認識であります。

沖縄県警によると、沖縄の本土復帰から昨年までの在沖米軍人軍属とその家族らによる殺人や強姦等の凶悪事件は、574件に上ります。事件のたびに、綱紀粛正や再発防止が申し入れされますが、何度やってもダメなものはダメ、他の方法を考るしかないのではと思ってしまいます。


さいわい?トランプ大統領になれば、日本を守るためであって、アメリカ合衆国の利益にならないモノに金を出す理由はないとのことですか、駐留費用を全額日本が負担ない限り、アメリカ軍は、沖縄から、また日本からサヨナラするらしいです。


そうなると、これで問題は解決します。しかし、アメリカ合衆国が、その選択をしない場合には、地位協定をなくすか基地そのものをなくすしか、犯罪撲滅には奏功しないように思います。

あるいは、どうしても日本の平和、アジアの安定に、アメリカ軍が日本に駐留する必要があるのでしたら、『危険の分散』が、最も公平だと思います。すなわち、米軍基地を、日本各地に均等に配置すべきです。そうすると、他人事のように感じていた本土の人間も、沖縄県民の痛みが、少しはわかるようになるでしょう。

このところ、政府与党は、アベノミクスは成長から分配に入るなどと言われておりますから、きっとそんな選択も考えられるのではないでしょうか。常日頃私が申し上げる共存分配の原理です。中島岳志先生は、ご自身を保守右派と言われております。

安倍晋三内閣総理大臣と中島岳志先生は保守右派、そうすると、その中島岳志先生の見解に賛同する私たち報道ステーションのファン?は、安倍晋三氏とも合い通じるお友達となりましょう。


安倍晋三内閣総理大臣、今回の事件の報を受けて、「非常に強い憤りを覚える」と述べられました。世界どこかで起きたテロでも同様な心境を吐露されますが、行動で示していただきたいものです。