伊勢志摩サミットが行われ、アメリカ合衆国オバマ大統領が広島市を訪問した5月27日、東京羽田空港で、離陸滑走中の大韓航空機の左側エンジンから火が吹き出た重大インシデントと認定されたアクシデントが起きました。
機体は離陸を中止、乗客は緊急脱出し、大きな怪我をされた方はおられないとのことで、大事に至らなかったことは安堵されたかと思われます。ただし、これがために羽田空港は、長時間に渡って全ての滑走路が閉鎖され、その後徐々に再開されたものの、欠航や遅延、到着地変更等、利用者には大きな影響が避けられなかったと伝えられています。
このニュースは、厳戒態勢が敷かれた時期と場所で起きたことから直ぐに報道され、ニュースを見ればすぐに『特定』されますから、『ある航空会社』なんて面倒は言わず、この『ひとりごと』でも大韓航空機と書きました。なんか気を使うの面倒ですね。特に日本の近隣複数の国や人・法人等が絡んだときは、発言に留意を要するのがとても窮屈です。もちろん私は、特定の国や民族に、特別な感情意識はございません。 この重大インシデントのために、広島市に向かう予定の国会議員が移動できなくなったことが報道されていました。
また、折から月末の金曜日でもあり、普段のビジネス客のほか、単身赴任の方、旅行者等約6万人が影響を受けたようです。それにしても一時期とは言え、羽田空港にあるAからDまでの全ての滑走路が閉鎖されては、全国的に大きな影響が出たことは想像に難くありません。この日私は、空港を利用する用事はありませんでしたが、ある私用かありまして、あるいは空港から来る人がいるのではないかと気をもむ状況にありました。
ひとたび空港で何かあると、影響を受けるのは、利用できない当人だけではないことを認識した次第です。 この日空港で足止めを食った方は、最初はまた犬でも入ったのか、あるいはサミットに標的を合わせてテロかとも思われたと感想が述べられていました。機内にいた方の話として、「緊急脱出を行っている航空機があります。当社ではありませんが」のアナウンスが流れたと言っていました。なんか余計ですね。私も数年前、搭乗中の航空機が羽田空港への最終の着陸態勢に入った後、緊急着陸を許可された航空機を優先するため、しばらく待機しますとのアナウンスを受けた経験があります。
このときも、最初のアナウンスは、「当機ではありませんが」でしたが、やがて時間経過とともに、「当社の便ではありませんが」に変わりました。
コレって余計なアナウンスだと思います。「当機ではない」は、搭乗客を安心させるために必要かもしれまんが、あたかも搭乗客から、遅れによるクレームが起こるのを予想して、先手を打ったように見えます。それに、緊急着陸や緊急脱出に遭遇した便の乗客や乗員は、緊張の最中にあります。「当社ではない」が、なんか他人事に聞こえてしまうのはなぜでしょうか。 羽田空港が国際化され、海外の航空会社も多く入ってきました。都心に便利な羽田をうたうのと同じように、韓国なら仁川ではなく金浦、台湾なら桃園ではなく松山が便利だとされます。
それで各国では羽田乗り入れが希望され、また、最近ではLccの羽田参入も決まったようで、さらに国内国外とも羽田空港への集中が起きるでしょう。これは、日本国内いつも首都圏集中が言われるのと同じ場面にあります。 しかし、ひとたび空港でアクシデントが起こると、影響は多岐にわたることが避けられないことを意味します。
国会が東京にあるがゆえに、広島市へ行けなかったのです。アクシデントそのものは、いつ、どこで起こるかわかりませんが、首都圏で暮らす私は、一極集中が齎す脆さを感じることが多いです。これもよく『ひとりごと』でお話する首都圏の鉄道相互乗り入れの便利と不便もしかりです。
今回は、航空機のエンジン火災と言う重大インシデントが起きたわけですが、滑走路に鹿や犬が入っても同じことです。不便かもしれませんが、一極集中を緩和し、危険の分散が必要ではないかと考えさせられました。