『外でお酒を飲んではいけません。午前0時までにはお家に帰りましょう』。コレ、誰に向けられた指導でしょう。

2016年6月7日
テーマ 

先月沖縄県内で発生した元アメリカ海兵隊員で、軍属であるアメリカ国籍の男性による20代の日本人女性死体遺棄事件を受けて、沖縄県に駐留するアメリカ軍は、先月27日より1ヶ月間、基地外での飲酒や、午前0時以降の外出を禁止しました。

 

これは、伊勢志摩サミットにアメリカ合衆国オバマ大統領が出席するのと並行して決定されていて、サミット出席のため、日本に到着したオバマ大統領、早速安倍晋三内閣総理大臣と会い、サミット前に、今回の軍属が起こしたとされる事件について謝罪し、再発防止策を講じるよう指示したことが、どの新聞紙でも、大きく取り上げられていました。

 

私は、歴代のアメリカ合衆国大統領の中で、バラク・オバマ氏、嫌いではありません。

 

アメリカを率いる大統領として、立場は違えども、ギリギリよくやっておられると思っています。でも、日本に到着した途端、今回の沖縄県内で起きた事件について安倍首相と対談して遺憾の意を表明し、再発防止策に言及したと言うのは、台本とおり、あるいはどなたかの政局を睨んだ判断を、アメリカなりに支持したように思えてなりません。

 

翁長雄志沖縄県知事が繰り返し言うとおり、「できないことはやらない」、つまり日米地位協定については、全く言及することはなかったのです。 この会談があったころ、ある大手新聞社は、『もはや政治的利用するな!」と論戦を張りました。これを知って、私は怒りの気持ちが収まりませんでした。

 

罪のない沖縄の若き女性の死を政治的利用しているのはどっちだ!と思いました。実際、内閣支持率や自民党への支持は増加しました。沖縄は、何も変わっておりません。今月19日には、辺野古沖移転に反対する人たちを中心に、先の事件に抗議する大県民集会が開催されます。 そんな沖縄での動向の中、またしてもアメリカ軍嘉手納基地所属の21歳の女性2等兵曹が、飲酒により正常な運転ができない状態で自動車を運転したうえ、衝突事故を起こし、被害者に重傷を負わせた事件が起きました。

 

アメリカ軍は、再発防止策を講じるとコメントしました。

 

誤解を恐れずに言ってしまえば、地位協定の対象となる沖縄に駐留するアメリカ軍、また軍属とその家族に、外で酒を飲むなとか、夜間は外出するななんて約束させるなんて、お笑いの域ではないでしょうか。

 

酒を飲むな、夜は外出するなですって。小学生ではあるまいし。そんなの守れるわけないじゃありませんか。

 

数年前、橋下徹当時の大阪市長が、米兵ら猛者連が、ビーチバレーやバーベキューでストレス発散は無理であり、風俗を利用することを検討すべきと発言して批判を受けたことがありました。

 

政界を引退した橋下氏、綺麗事ではなにも解決しないとした上で、日本企業の社員が事件を起こしても企業を否定しないのに、加害者がアメリカ軍関係者だと基地反対とか、「出て行け!」に結びつく、これは移民排斥運動と同じだとも述べた由です。

 

また、基地反対運動が、米兵のストレスとなって、事件が起こる可能性を言った地元村議もおられるとか、これこそ幕引きを狙っているのではありませんか。

 

世界一移民に冷たい日本政府、安倍内閣を圧倒的に支持する日本国民が、移民を排斥したと国連あたりから言われるのならわかりますが、アメリカ軍関係者を、武器を持たない県民が排斥する言動をしたことが、移民排斥運動と同じとは……。

 

日米地位協定を撤廃、最低でも見直しをしなければ、橋下徹氏流の風俗店を基地内に設けたところで、抜本的な解決にはならないと思うのです。

 

米軍関係者による悪質な事件が起き、日本政府が対応に苦慮していると、決まって沖縄県での凶悪島件の被疑者は、米軍関係者より沖縄県民の方がはるかに多いと報道する大手新聞社があります。だったら、沖縄県での犯罪防止のため、県民も揃って夜間外出禁止を奨励する社説でも張ったらよいでしょうに。

 

沖縄県で、現地民そして米軍関係者の共存共生が叶います。これでも日米地位協定、日本にとって、意義あるんですかね。