沖縄県議会議員選挙の結果に関する報道に寄せて。

2016年6月8日

参議院議員通常選挙の前哨戦と言われた沖縄県議会議員選挙が行われ、定数48のうち、与党が、前回選挙時の議席より3人増やして27議席となり、過半数を占めました。

 

もう、『与党』なる言葉に慣れ、ある意味諦めムードもある本土で暮らす人間は、「またか?」と感じたかもしれません。

 

「チョット待った!」沖縄県ですよ。

 

沖縄県で与党と言うのは、翁長雄志知事の県政を支える側を意味します。元自民党員だった翁長雄志氏、普天間飛行場の辺野古沖移転問題を契機に、本土の政権与党とは、反対の立場におられます。

 

辺野古沖移転絶対反対派が、沖縄県県議会で勢力を伸ばしたのです。 日本国土の1%にも満たない土地に、日本に駐留する75%ものアメリカ軍基地がある沖縄県、基地やアメリカ軍関係者に対する良い感情を持てないとしても、本土の人間が非難することができるでしょうか?

 

自分の街に突如基地が出来たら……。

 

素直に『日米同盟』だなんて言って、喜べますか?沖縄で行われる選挙のたび、沖縄の経済振興策が政権与党から持ち出されるのは、もう飽き飽きしたのではないでしょうか。

 

基地があってもなくても地方創生、地方に活力をではないのですか。多くの国民が生活は楽ではなく、まして自分の老後や将来の付け回しに不安を感じている中、いつも沖縄県が、所得最低の統計があります。その振興策にしても、基地を前提とした、基地に依存する政策ではなかったですか。

政府を讃える大手新聞社は、『翁長知事の喧伝』と書いた箇所がありました。

 

沖縄県うるま市の20代の女性が、元アメリカ軍海兵隊員で、現在基地内で働く軍属のアメリカ人男性が関与した事件で亡くなった事件に絡んで、翁長雄志氏が、この県議会議員選挙期間中に、献花に訪れたと言うのです。それを言うなら、サミット直前の最悪の時期に……と言って憚らない方々、帰りの航空機の時間をしきりに気にするご多忙の中、わざわざ被害者の告別式に参列して、列に並ばずに黙祷し、ついでに、米軍基地関係幹部に遺憾の意を表明した担当大臣、熊本地震が大震災であったことに最近気づいた安倍晋三内閣総理大臣、衆議院北海道5区補欠選挙の選挙期間の最終日に、わざわざ熊本県入りして膝をついて被災者の手を握って激励する等、これらは宣伝でもなければ喧伝でもないのでしょうか。この新聞社、参議院議員通常選挙沖縄選挙区、相当な『逆風』になるのに、未だ公明党沖縄県連が、『中立』の立場にあることを批判的に掲載していました。

 

国民のための政治、県民あっての地方自治ではなく、政権与党あっての地方との考えのようです。 それはそれとして、沖縄県議会議員選挙隠しではないかと思われる米軍基地関係者が絡んだ事件の『後始末』を巡る報道が、この選挙後にありました。それは数年前横須賀市で、米軍関係者が起こした強盗殺人事件の被害者遺族が求めた損害賠償に関する米軍の回答です。裁判所では、約6.500万円の損害賠償を命じる判決が確定したところ、アメリカ側は、不法行為者に代わって、この者を将来にわたって免責すれば、4割に相当する賠償金額を支払うと言ってきたそうです。

 

これは、日米地位協定の中で、公務外で発生した損害賠償に関して、加害者本人に支払能力がない場合、米国が代わって支払いをすることが定めれているところに基づくものでしょう。

 

それが、免責と4割と言う示談案となったわけです。

 

確かに公務外であれば、当然に使用者責任が発生するとは言えないかもしれません。米国とその兵士の関係を、暴力団幹部と末端の組員との関係における使用者責任と、法律上同視はできないでしょう。でも、免責を求めるならば、全額賠償責任を果たすのは当然だと思います。

 

ここでもし被害者側が、アメリカ側からの示談申し入れを受け入れしたら、どうなるんでしょう。

 

その場合、日本政府が、『差額』を支払うのです。

 

すなわち、裁判で認めれた金額から、アメリカが支払った『見舞金』との差額は、『日本政府が支払うよう努力する』と1996年に日米間で、地位協定の運用改善がなされて合意されたからです。

 

防衛省によれば、これまで日本政府が支払ったのは12件、総額4億2.000万円とのことです。要するに、アメリカ兵が、日本で日本人を殺害すると、日本政府が、日本国民から集めた税金で、加害者アメリカに代わってお金を支払っているわけです。

 

こう言う現実を無視して、あるいは全然問題視せずに、今回の沖縄県で起きた事件に関して、オバマ大統領の来日を控えて、「最悪のタイミングだ」とか、折からの沖縄県議選を前にして、「県議選にも影響する最悪のタイミングだ」とは、、、。

 

ある自民党関係者は、「下手に手を出したら逆にやられるぞ!と言う風評を広めたい」とも発言しています。

この人たち、本当に国民の代表なのでしょうか?

 

もうすぐ沖縄戦の終戦の日を迎えます。

 

 

郷土愛、愛国心は、まずその地で生きる人を愛し、大切にすることから始まるのではないでしょうか。

私は、人を大切にする、人に寄り添う心を持った愛国者でありたいと思っております。