街角の様子が、昼と夜で変わる場所があります。だいたいが歓楽街と言われる場所がそれで、東京新宿の歌舞伎町は、その代表とされました。きさらぎ法律事務所のある新宿1丁目は、旧花園町と言われ、江戸幕府の時代、四谷大木戸が出来て、江戸城への入口に位置し、ここから庶民の町となっていたとされます。 花園町と言えば、よく間違われてしまうのは花園神社で、花園神社は、現在の歌舞伎町の入口にあるのです。 新宿の歴史を振り返ると、歌舞伎町は、歓楽街の意義はあったのでしょう。ただ最近は、危ない店はあるようですが、昼間も人通りが結構あるようです。それは、海外からのお客様が増えたこともありますが、この周辺にも企業の事務所ができたり、休日には、ここを通ってあるデモ隊が出現し、人が集まる一因ともなっていたのです。以前日本司法支援センター通称法テラス東京事務所が歌舞伎町にあって、ハローワークもあります。私も仕事柄、昼間歌舞伎町を通過することがあったのです。 日本三大歓楽街と言われるのは、西の博多中洲、北の札幌すすきのでしょう。いずれもこの街のシンボルとされるものがあります。中洲ならば、中洲大通りにある中洲交番であり、すすきのならば、南4条西3丁目、通称すすきの交差点角のビルにあるニッカウヰスキーのヒゲのおじさんでしょう。 中洲大通りと言っても、大通りではなくて、酔っ払いが歩く中洲の幅員が広くない道路に面したあまり気づかない場所に、中洲交番はあります。ここが有名なのは、観光客出張族が中洲に来るとき、待ち合わせ場所となっているからです。この点、すすきの交差点は、夜ともなれば交通量が多い大きな交差点であります。 そんな違いがありますが、中洲もすすきのも、やはり夜と昼との人通りの違いは歴然としていたと言われます。中洲は、博多と天神の間に位置しますが、まさしく博多川と那珂川に囲まれた中洲となっていて、その立地からか、会社企業は多くはなくて、ホント昼間人通りがないのです。ゴミがゴロゴロしていると言っては失礼ですが、やはり中洲が輝くのは、那珂川に灯りが映える夜ですね。すすきのは、札幌駅から地下鉄南北線で、百貨店等がある大通駅の次ですが、その先は、中島公園から住宅地になるので、途中下車する人も少ないのでしょう。 そんなすすきのに、最近ちょっとした異変が起きているのだそうです。それは、昼間観光客、特に例に漏れず海外からのお客様が多く訪れるらしいです。その理由は、すすきのと、大通公園近くの西4丁目を結んでいた札幌市電が、昨年末ループ状、つまり環状線になったなからなのだそうです。もともと札幌市内には、少なくない市電網がありましたが、道路を整備していく過程で廃線となりました。この『ひとりごと』でも取り上げたと思いますが、札幌駅前通りにあるすすきのと西4丁目との間の軌道が最後になくなり、唯一残った市電網は、市街に大きくループしてこの両駅をつなぐかたちとなっていたものです。 それが昨年この区間が繋がりました。元通りになったわけです。それと、昨年藻岩山からの札幌の夜景が、日本の三大夜景に選ばれました。市電『ロープウェイ入口』駅から行くのですが、これまで大通りにいるか、すすきのにいるかで、市電の乗り方が分かりにくかったところ、これがループ状になったので、どこからどっちに乗っても目的地にたどり着けるわけです。バスと違い、遅くまで走っているのも利用価値があるらしいです。藻岩山は昼間も良いですし、市民の方々も、大通りに行きやすくなったのでしょう。 ところ変わって東京、こちらは早稲田と三ノ輪車庫の間に都電が走っています。残念ながら、私は、滅多に乗ることがありません。山手線の大塚駅、京浜東北線の王子駅を通り、途中地下鉄の副都心線、千代田線、日比谷線とも交差しますが、都内でも、ほとんど縁がない地域を通っているので、あまり馴染み親近感がないのです。路面電車と言えば、鹿児島でしたが、これで札幌市内でも、路面電車に乗車する機会が増えそうです。 環状線と言えば、山手線、大阪環状線が有名です。もし、都電がループ状になるとしたら、おそらく上野、神田、日本橋、銀座と文京区あたりを通ると思います。道路事情があり、何を今更ではありますが、人の流れが変わり、また、昼も夜も活気つくかもしれません。札幌市内の同じ場所の昼と夜、これを経験して、ふと福岡、そして東京を考えてみました。