きさらぎ法律事務所の斜め向かいの位置に公園があります。
大通りから入ったマンション街が並ぶこの地域にポツンと存在するこの場所、昼休みなどには、サラリーマンらが一服したり、OLさんが、弁当を食べている姿が見られます。
また、日曜日などは、近くに住む子どもたちが、ボール投げや遊具で遊んでいるのです。
この公園、きさらぎ法律事務所を初めて訪ねられる方の目印になるので、私も重宝しています。
ある依頼者が仰るには、きさらぎ法律事務所内は禁煙なので、これから始まる長~い打ち合わせに備えて、この公園で喫煙してから事務所を訪ねる例だそうです。
この辺り、もともと花園町と言って、四谷大木戸の手前、庶民の街の入口に位置していたので、昔風に言えば、新宿はここからとなるわけです。今日は、この由緒ある?旧花園町やそこにある公園についてお話するのではありません。ある日、この公園前で目撃した光景からのひとりごとであります。
後でわかったことですが、それは『ポケモンGO』が、日本に配信された日でした。私は、そもそも機械はからっきしダメな上、ゲーム類には全くと言っていいくらい興味がないので、何のことか、最初サッパリわかりませんでした。
ポケモンと言えば、たまに空港で見かける『ポケモンジェット』のキャラクター程度の認識でした。ネット上で調べてみましたら、ポケモンGOとは、位置情報を活用することにより、現実世界そのものを舞台にして、ポケモンを捕まえたり、バトルするゲームで、これまでのゲームと違うところは、モニター?の中に留まらず、プレーする人は、実際外に出て、ポケモンを探したり、他のプレーヤーと情報を交換することで、リアルとバーチャルを楽しむことができると説明されていました。
その説明でも、私は、よくわかっておりません。
この日の午後、外出先から事務所に帰るため、四角を曲がって件の公園前に来たときです。手にスマホか何か持った複数の人たちが、私を目掛けてその器具を押し出すように歩いて来たのです。驚いたというよりチョッと怖くて、『何ですか?』と言葉を発しようとした途端、私の存在に気づいたのでしょう、その集団?は、私を避けて器具を前にしたままゆっくりと前進を続けたのです。
よく見ると、サラリーマン風の人、学生らしき人、作業服の人、手に買い物袋を持った中年女性、そして恋人のような男女、いろいろでした。『何かの宗教?』かとも思ってしまいました。
これがポケモンGOをやっていた人たちでした。この公園に、ポケモンキャラクターが現れたのでしょう。
まだ続きがあります。
翌朝私は、早朝自宅を出て羽田空港に行くリムジンバスに乗るため、最寄駅に歩いていたとき、駅近くのロータリーに、これまた数名の男女が、スマホらしき物を持って、彼方此方に向けて歩いているのです。夏至から間がなく、日照時間が比較的長い夏の朝と言っても、まだ午前4時台です。そんな時間に駅前に人がウロウロしていたら気味悪いですね。もう、「あっ、ポケモンGOだ!」とわかっていたから安心でしたが。
以前より、歩きスマホの危険性は言われておりました。既にポケモンGOをやっていたことでのトラブルが報道されています。交通事故は複数発生していますし、私が驚いたと同じ経験をしたのでしょうか、こちらを目掛けてスマホを剥き出して歩いて来た女性に対して、「勝手に写メふるな!」と怒って殴りつけた男性が、逮捕されたようでした。
画面の世界ではなく、実社会にリアルにとは、もうゲーム利用者の満足度が、そこまで来たと言うのことなのでしょう。私が酒を止められないように、この方々、危険を顧みず、ゲームを止められないことは、分からないではありません。
このポケモンGOの危険性、迷惑を巡っては、もう議論が沸騰しているようです。
特に、「心の底から軽蔑します」論争が、既にネット上で、バトルされている気配です。
ゲームに関心がない私からすると、好きな人は勝手にやれば良いのであって、ただし、他人に迷惑不安を与えないでねの注文は付けますが。既に首相官邸にも、ポケモンGOのキャラクターが登場したそうです。皇居や原発に来たらどうなるの?ともあれこれ言われているようです。
そんな中で自民党本部、『永遠の与党』と表示されていたことが明らかにされました。
リアルとバーチャル、これはゲームの世界だけのことなのでしょうか?
そっちが気になる人間も存在することをわかって欲しいポケモンGO騒動でありました。