『〇〇に強い弁護士』かどうかは誰が決め、どうしてわかるのでしょうか?
2016年8月31日
きさらぎ法律事務所に相談の申し込みをされる際に受けるご質問と、私からのお尋ねに関して、前回この『ひとりごと』に書きました。第1回目となる前回は、電話やメールで回答を得ようとする方がいらっしゃることと、相談前に費用を仰る方がおられることを申しました。
今日は、もう一つ電話で申し込みを受けた際に少なからず受けるご質問と、これに対して私からお答えすることを申し上げます。
申し込みの段階で受けるご質問であるのは、『〇〇は得意ですか?』『〇〇に強い弁護士を探しているのですが…』であります。
相談者からすると、ご自身の問題を解決してくれる弁護士に巡り会いたいのは当然であり、強い、得意を求めるのでしょう。でも、『強いですか?』『得意ですか?』と問われて、『強くありません』って答える弁護士がいるでしょうか?最近のネット社会では、探す側に情報は発信されているので、少なくとも全く経験がない、信用できない弁護士のところには、アプローチなされないと思います。
つまり、相談申し込みされるときに、ある程度『強い』『得意』なんだろうなの前提があるはずです。きさらぎ法律事務所の、ホームページをご覧になって相談申し込みされた方から受けた相談内容で、過去私が全く経験したことがない、担当したことがないジャンルがあったことはございません。例えば、外国との渉外取引等、英語を話せるかどうか、相談をする段階で分かっているので、私が経験しないようなジャンルの相談申し込みはあり得ないです。
さて、ここで注意を要するのは、『強い』『得意』は、当の弁護士が、そのように自分をアピールしていると言うことです。実際得意かどうかなんて、弁護士会に試験があるわけではありませんし、他と比べようがありません。
消費者被害で誇大広告、虚偽広告や、重要事項の不告知等が指摘されますが、事業者である弁護士には、適用されないんですかね。ーーされますよ㊙︎……。お客さんをゲットするのはたいへんですからね。
きさらぎ法律事務所のホームページをご覧になった方は、
お気づきになったでしょう。私弁護士福本悟は、得意とか強いなんて書いてないです。取扱い業務や経歴、あるいは『ご相談者の声』で、いくらか、なんとなく「この弁護士は、こんな事案をよくやっているんだな」と感じ取られるのだと思われます。経歴の一つとして、司法委員、民事調停委員の経験談をご案内し、旧ホームページにあった『離婚、男女問題』を構成の都合上引っ張ってまいりました。
ちなみに、弁護士会の数年前の
アンケート調査によると、弁護士に相談を希望される案件のトップは、離婚事案と発表されていました。とするなら、弁護士を数年やっていれば、離婚事案を経験しない人はおられないのではないでしょうか。でも、ひとつでもやれば、得意かどうかはわからないですね。
私は、電話等で『得意ですか』『強いですか』と聞かれたら、得意とか強いなんて考えたことありませんが、「この種案件は、30数年の弁護士歴で、経験させていただいております。」とお答えします。私にとりまして、経験こそ他の多くの弁護士が持っていない『強み』、すなわち依頼者にとっての武器たり得るのではと思っています。
もっとも電話でのお答えとしては、得意かどうかの問い合わせについては、経験はあります以上のことは申し上げません。でも実際、『強い』とか『得意』を標榜している法律事務所の弁護士より、依頼者にとって、『解決』を齎す経験に裏付けられた実務能力はあると思っています。ただ、初回無料相談を受けられるために面談するまでは、これを言わないだけです。
それと、これまた経験から言えることがあります。概して『強い』『得意』を予め仰って相談にお越しになった方は、意外と受任率が低い、すなわち委任を受けることが少ないのです。なぜか、それは『得意』とか『強い』を執拗に求め、拘る方は、自分の意のまま、すなわち、どうしてもその希望とおりの100%を追い続けるがゆえに、事案の収め処を見据えた私が示した解決を、目指そうとなさらないと思われるからです。
つまり、納得されていないのです。より端的に言えば、自分の言うがまま、言いなりになる弁護士を探しているのです。これは、『強い』『得意』とは違いますね。
以前この『ひとりごと』に書きましたが、きさらぎ法律事務所にいらっしゃる方で、既に弁護士に対して具体的事件を依頼なさっているケースが少なくありません。かつて申しましたが、セカンドオピニオンはございません。
依頼されている先生との間に不信感が生まれるような相談対応はできません。基本的に受任弁護士を褒める話になるわけですが、その弁護士に依頼した動機は、『強い』『得意』と書いてあったから任せたと言われることが実に多いですね。
これは、強いとか言っている弁護士に投げておけば、自分の思い通りになる、あるいは、どうして良いか分からないが、得意と言っている弁護士に投げておけば、自分にとって良い解決をしてくれるはずだとの思いから、やってしまうことだと感じます。それで思うに任せず、あるいはどうなっているのかわからない、今となって「どうしますか?」と言われて困ったと言われるケースとなるのです。これは、依頼する弁護士と時間をかけてよく話をし、どうしたいかではなく、どうすべきか、何を目指すのか、それが自分にとって次善の策、全体に終止符を打つ収め処として受け入れることができるのか、弁護士と一緒に考え、信頼関係を持ってやり通す、絶対にブレないか自問自答した上で、委任されるべきだと言うことであります。
これは得意かどうかではなく、あなたを解決まで導く、一緒にやり遂げる弁護士は、じっくりしっかり見極めなければならないこと、それは電話で強いかどうか『確認』できるものではないし、そもそもあなたの思っている、抱いている『強い』が間違いの元、解決のために最初に払拭すべき事柄なのかもしれません。
電話メールでの相談は、お受けいたしません。私は、これが得意だとは申しません。経験があるとは申します。全てはお会いしてからスタートです。だから初回の相談料は頂戴しておりません。
初回相談で、落とし所を目指す処を押さえ、解決までの道筋をご案内できます。あとはご依頼されるかどうかです。『強い』かどうか、『得意』かどうかは、電話やメールでは分かりかねると思います。きさらぎ法律事務所にお越しになって、お話を聞かせてください。
NHK『貧困女子高生』報道へのバッシングについて、福本悟は意見します。
2016年8月30日
『強く国より優しい国』。これは私が繰り返し願いを込めて日頃声をあげているところです。
先日NHKがニュース番組で紹介した女子高校生に、ネット上で批判が殺到して、生徒のツイッターが炎上したと報じられました。
それはNHKが、『貧困女子高生』と報じられたのに、生活に余裕がある、『捏造』と言う内容であります。NHKは、『子どもの貧困』を問題提起したかったのだろうと直ぐに気づくのは、この種問題に関心を持つ私くらいかもしれません。そして私が、このバッシングに関する具体的な情報を知る前に、ある自民党の女性国会議員が、NHKの報道に問題はなかったのかと疑問を呈したことで、さらに騒ぎが大きくなったとされます。 まず、件の国会議員の弁です。
「拝見した限り自宅の暮らし向きはつましい御様子ではありましたが、チケットやグッズ、ランチ節約すれば中古のパソコンは十分買えるでしょうからあれっと思う方も当然いらっしゃるでしょう。経済的理由で進学できないなら奨学金等各種政策で支援可能では」とのことです。 私は、政府与党の本音と言うか、国民に向けたメッセージが端的に現れた見解だと思います。今日は、与党議員の報道機関への批判、物申すところは、言うのは止めましょう。国会議員につましいかどうか、生活向きに関して意見されることも、決して上から目線ではなく、国民全体の生活向上を願っての研究検討だとしておきましょう。
しかし、『中古のパソコン』を買うために、ランチやチケットを節約しなさいは、この人、お金がない人は、パソコンは中古で良いと決めつけていますね。そもそも日本の政治家に、奨学金を語る資格ってあるんですか。この『ひとりごと』で繰り返し指摘してきたとおり、子育て支援に関する予算は、GDP比率で1%、教育予算が3.5%と先進国では最低です。奨学金を給付制にしなのは、先進国中日本くらいです。奨学金等でなんとかしろとは、自分たちの無策を置いてなんだ!と思います。 NHKの報道は、『相対的貧困』と『貧困の連鎖』をテーマにしたものです。
戦災孤児だとか難民とか、ホント食べるものも住む家もない、『絶対的貧困』を指しているのではありません。つまり、その社会の中で、平均的な暮らしをすることができない状態はおかしいのではないかの視点です。周りの友人たちは進学する、その前提として進学塾に行く、余暇はディズニーランドにも行く、貧困家庭の子どもは、これらフツーのことをなぜ諦めなければならないのか、まして1.000円のランチを食べ、コンサートに行ってはならないのか、もし、これを経験できる子どもが一般的であるなら、貧困を理由にできないのは、その子どもたちの自己責任だとなるのでしょうか。相対的に貧しい家庭に生まれたからって、友だちと遊び、たまには美味しい食事をし、ディズニーランドに行く楽しみに、夢を持ってはいけないのでしょうか。
中古のパソコンを買うために、つましい生活をしてるから奨学金を貰えるねって言われるために、我慢すべきですか……。
声をあげたこの女子高生を非難した人は、彼女より、『相対的貧困』だったのでしょうか。そんなことはないでしょう。以前この『ひとりごと』でも書きましたが、人間は弱いとき、苦しいとき、辛いとき、そして落ち込んでいるときこそ、人に優しくできるものだと信じます。この女子高生のツイートのアカウントを暴いて炎上させた人、おそらく不自由なく、まして『貧困』とは無縁の人が、弱い者いじめをしているのだと思います。特に『永遠の与党』が誕生して、今の政治、生活や社会に批判的な言動をすると、ムキになって、意地になって、意見を表明した人をこれでもか!って叩き、追い込む傾向が顕著になったと思います。
また、匿名性が問題にされますが、自分より弱い、あるいは下と思える人に対しては、この人たちは、激しい憎悪を剥き出して、バッシングする例です。強い者には何も言わない言えない、ましてそれに巻かれて迎合するくせに……。 貧困の連鎖は、この国にとって抜き差しならぬ深刻な問題であることに、ほとんどの人が気づいておりません。
親が貧乏であれば、進学は諦めなければならないのでしょうか。
コレって、流行りの『自己責任』でもありませんよ。そもそも貧困は、当人が努力しないからそうなったとの風潮があります。しかし子どもは親を選べません。貧困が連鎖すると、学校行事に参加できない、病院に行けない、まして友だちと遊べない、社会から疎外される生活を余儀なくされると、社会の労働力活力の点からも損失です。
社会からの離脱を回避するため、貧困を言わないし、先の例ではありませんが、周囲とは見劣りしない生活をさせようと親が無理をしているのかもしれません。『相対的貧困』とは、まさしく見えない気づきにくいことが問題です。 炎上してしまった女子高生、大きなショックを受け、精神的にも立ち直れない状況と言われました。勇気を出して、実名を出したのに。
これでは誰も声をあげれなくなる、貧困の問題は、世に現れなくなる危惧を覚えます。まして、匿名で卑劣なツイートに便乗したのか火に油だったのか、政治家が、バッシングとも取れるあんな発言をするなんて酷すぎます。あれは、本当に弱い者いじめでね。
日本の子どもの貧困率は、300万人から400万人、6人に1人は、貧困家庭の子どもです。そして貧困率は年々最高を更新し、1人親世帯に関して言えば、54.6%と先進国最悪の数字です。
経済的理由で学校に通えない『就学援助』を受ける小・中学生も、過去最高水準の160万人と言われます。この貧困家庭の子どもたちがそのまま大人になると、年金や社会保険料が支払えない、また生活保護世帯になるかもしれません。社会的にさらに『コスト』を生み出す結果、連鎖になりかねないです。
今の政府与党の政策では、相対的貧困は酷くなるばかりだと思います。貧困の連鎖、貧困の固定も深刻です。
特にネットを利用した匿名の攻撃、これが続くでしょう。
コンサートに行き、きちんとしたパソコンを買い、ランチを普通に食べ、ディズニーランドにも、大学にも行くことができる人、そんな人たちが、自分には関係ない世界であるはずの『相対的貧困』を認めようとせず、バッシングするのですから。私は、『優しい』より『強さ』を全面に出すここ数年の流れが少なからず影響していると考えます。
貧困者とてまた納税者です。今、富を分配することで、子どもたちは平等公平に成長していける、そして将来納税者となって、昔の子どもたちには、安定的に社会を豊かにしてもらうことができます。
とても気になる『貧困女子高生』報道へのバッシングです。
弁護士に相談しよう!と決めた問題は、電話やメールで簡単に解決するものではないはずです。
2016年8月29日
きさらぎ法律事務所では、事務所内での初回の相談料は無料で、相談時間の制限を設けておりません。
また、電話メールのみでの相談は、お受けしておりません。きさらぎ法律事務所のホームページその他で、既にこのシステムを知っておられる方で、相談の申し込みをなさった段階で質問を受けたり、ごく稀に、私からお尋ねすることがあります。今日はまず、『質問』を受けた場合をお話します。
若いころからいつも思っていたのは、電話メールのみでの『法律相談』はあり得ないと言うことです。それは、法律知識を差し上げるガイドにしかなり得ないのです。皆さん、そのときご自分が一番知りたいことを聞きたいのです。そして、自分が期待する答えが欲しいのです。その前提でご質問されて、短時間で応答するなら、ストーレトに『Yes』『No』しか申せません。
しかし、それを聞いたからどうなるものでもないはずです。実際に、ご自分が電話なりで、弁護士から聞いた『結論』を、トラブルとなっている相手に言ったところで、「はい、わかりました」とはならないでしょう。要するに、解決にら至らないと言うことです。
きさらぎ法律事務所に電話を架けて来られて、例えば「ちょっとだけ良いですか」とか、「電話で済むことなんですが」とか言われる方がおります。この方々は、弁護士福本悟を買い被っておられます。ホームページ等をご覧になって、私が解決までの法律相談を心掛けていることをご承知の上で、事務所に来ることなく、簡単に解決してしまいたいとお考えです。
しかしながら、どんな案件でも、事務所等で面談して、時間をとってお話しない限り、『解決』する法律問題はありません。私はスーパーマンではありません。そもそも電話で済ませられると考えておられることが問題です。
また、メールで相談申し込みをされるにあたり、ときに『質問』が書かれていることがあります。私は、面談するまでお答えしません。これも簡単に済ませられるとの勘違いがあるわけですが、質問の前提事実はわかりませんし、そもそもその質問が、解決につながるかわからないです。裁判所の司法委員を務めているとき、よく弁護士に依頼していない本人訴訟に臨んでおられる方が、『弁護士がそう言った』と言われることがあります。
たいていは、その事案の解決につながらない、端的に言ってその方の独りよがりな観点からの質問について30分無料相談あたりの弁護士の回答を持って来られます。でも、割と強く、確信を持って弁護士が…と言われる方には、「それならその先生を連れて来てください」と申し上げます。単に聞かれたことを答えただけではない、この回答により解決になると弁護士が判断したのであれば、受任します。放っておけないのも、また専門職弁護士の習性です。
相談申し込みをされた方から指定がない限り、電話であれメールであれ、初回無料相談の日程については、全て私が折り返し電話しての決めます。その折、どんな相談なのかなんて聞きません。とにかく事務所に来ていただいてからであります。この点、「本当に先生は、何も聞かれないんだ」と依頼者とかなられた方から言われることがあります。
人間会ってからスタートです。顔を合わさないうちに、あれこれ言われて、信頼できますか?とも言えましょう。
『質問』で多いのは、「〇〇は得意ですか?」と、「費用はいくらですか?」があります。費用については、初回の相談料は無料ですが、本当に無料なのかと訝しがる方もおられます。でも、そんな質問をされる方のほとんどは、弁護士が関わって事件処理する場合、どれくらいお金がかかるのかと言う不安があるのだと思われます。
でも、よく考えてください。
どんな相談内容か、何をしたら良いのか、そもそも依頼を受けられるのか全くわからないのに、どれくらい費用がかかるかわかりようがありません。ですから初回無料相談なのです。相談を受ける前、顔を会われせる前には、「初回の相談料入りません。相談後、何をするか方向性が決まって、だいたいの弁護士費用の説明ができます。そのとき説めきいたします。」と言うに留まります。これだけお金がかかるならやらない、すなわち権利侵害を受けている、助かりたい!のであっても、弁護士に依頼することはない、だから相談しても意味がないとお考えであれば、本当に悲しく辛いことです。
少なくともこれこれをやると決めて、相談者が依頼の意思を表明された場合、費用がネックで依頼をお断りしたことはありません。お金なんてどうだってなるんです。費用を最初に言われる方は、実はその件に関して困っていないか、その希望要求が、いわゆる無理筋、すなわち到底通らない案件なのです。とにかくお会いするまで、お金の話はいたしません。初回無料相談を受けれられた方で、法的対処が必要だと判断した場合ーーほとんどがそうですーーは、これからやるべき事項の費用の説明はいたしますし、弁護士会の報酬会規をお渡しします。
それで、依頼の有無を検討していただくべく、持ち帰っていただくのです。
きさらぎ法律事務所では、出張相談も、訪問相談も行います。ですから、そちらに行けないから電話で……は通りません。
電話で済ませたいとお考えの方は、本当は困っていないか、逆に深刻な事態であることを飲み込めず安く、あるいは簡単に済ませたいとの間違いをしているのです。
電話で済むのはガイド程度であり、それは解決にならないどころか逆効果にもなります。このとおり私のほうから、相談の申し込みを受けた段階で、特にお話することはなく、とにかく事務所に来てもらい、お話を伺うことからスタートなのです。顔を合わすことで、信頼関係は生まれるはずです。
真田幸村の正室の父、大谷吉継をもっと知りたい!
2016年8月26日
NHK大河ドラマ『真田丸』は、引き続き高視聴率を維持しているようです。時代は太閤秀吉が没し、いよいよ関ヶ原となるところです。大河ドラマの視聴者は男性、特に年配層が多いとは昔から言われておりました。
特に軍記物、戦国物が好まれる傾向があっとはいえ、また、戦国最後の最強のツワモノと評された人気の真田幸村を描いたドラマであることを割り引いても、なかなかの人気だと思います。その理由のひとつに、これまで知られていなかった人物や、歴史の過程でスラっと通過されてきた人物が、その人物を視点に、ひととおり描かれていることが理由になっているように思います。
信長秀吉家康の時代がテーマだとすると、武田勝頼、北条氏政、豊臣秀次あたりは、これまでもサラッと登場してすぐに消えました。真田丸では、この人たちそれぞれの視点から、その時の主人公として描かれた機会がありました。
それのみに留まらず、真田丸では、ドラマの進行上必要だったとはいえ、これまでほとんど取り上げられることはなかった春日昌元や木曽義昌らにスポットを当てた場面があり、歴史好きな私も、引き込まれた次第です。武田信玄を支える四天王と称された高坂弾正こと春日虎綱を父にもつ春日昌元、武田勝頼の妹を妻にした木曽義昌、この両名の立場、生き様は、真田幸村の父真田昌幸を描くとき、対比されました。
あの当時、いかに生きていくか、真田昌幸って凄い人とわかる脚本になっていました。 さて、今『真田丸』で、注目されているのは、大谷刑部こと大谷吉継でしょう。主人公幸村こと真田信繁の正室が、大谷吉継の子だったこともありますが、片岡愛之助さんの演技が光って、このところ毎回登場し、大谷吉継の最後はどのように描かれるのか、いよいよ関ヶ原間近、高まりを抑えられません。 関ヶ原の戦いは、大河ドラマでなくても、しばしば描かれます。
大谷吉継と言えば関ヶ原と思われるくらい印象が強いですね。白き頭巾を纏い、西軍の武将中ただひとり戦場で自害した人物であり、義の人として知られています。これまで大谷吉継を主人公、テーマにした小説歴史物はいくつもありました。南原幹雄氏の『名将大谷刑部』、冨樫倫太郎氏の『白頭の人』等最近特に多いと感じます。
真田丸では、真田信繁、そして石田三成との関係で、かなり突っ込んだ、しかし三谷幸喜氏によるあっと言わせられる、奇想天外な描かれ方が期待されますね。 大谷吉継は、生まれは諸説ありますが、母親が太閤秀吉の正室寧々に使えていた関係で、秀吉の小姓となり、徐々に認められて能力を発揮、秀吉の天下統一の前に、既に越前敦賀2万石を与えられ、後に5万石以上の石高となり、奉行軍監に類する身分を得ました。
現在敦賀市のイメージキャラクターは、白頭巾の大谷吉継を模したヨッシーくんだそうです。豊臣秀吉亡き後は、徳川家康の力を認めていて、関ヶ原の直前まで、家康の信任が厚かったことが知られています。関ヶ原の戦いのきっかけを作ったとされる上杉討伐、徳川家康が怒り狂った伝えられる『直江状』、この中にも、家康が、当時大谷吉継を信頼して任せていたことがわかります。
また、先日放映された真田丸でも、家康の屋敷に夜討ちをかけようとする石田三成を諌め、自ら徳川屋敷に赴く姿がありました。それがなぜ西軍に? 大谷吉継が義に厚い武将であることは、大方の見方です。石田三成とは刎頸の友であり、戦国時代には珍しい親友関係が構築されていました。それは大谷吉継が、石田三成と同じ近江国の出が契機とも、年齢が近いからとも、また秀吉が、両人の能力を認めて『計数の才』に長けた奉行として、九州征討、小田原攻め、文禄・慶長の役、そして太閤検地でも、ともに仕事をさせたことなどが理由と言われております。
大谷吉継は、石田三成が心を許せる、話を聞く数少ない人物であり、それだからこそ身を呈して三成の暴挙を宥めたものの、『二度目』は聞き入れない親友に殉じたのでした。 大谷吉継は、癩病を患っていたと言われます。それが例の白頭巾の伝説となったようです。目が見えにくい状態になっていたことは事実とされますが、白頭巾は、後の世の人たちが、義に殉じた大谷吉継を憐れみ、惜しんで語り継いだのではないでしょうか。
石田三成との逸話もあります。あるとき太閤秀吉の茶会で、配下の者が、ひとりづつ茶碗を回し飲みすることになりました。当時大谷吉継は、癩病であって、これは感染すると信じられていたので、誰も大谷吉継が口をつけた茶碗に口をつけません。そのとき石田三成が、これを取って飲み干し、しかも美味しかったとしてその茶碗におかわりを求めたと言うのです。
さらに話には尾ひれが付きます。このとき茶碗に、大谷吉継が顔を隠していた頭巾の下から、膿がポトリと落ちた、その場がし~んとしたとき、石田三成がこれをひったくって飲み干しました。これに大谷吉継はいたく感動して、将来何があっても石田三成の義に殉じる覚悟を持ったと言うものであります。
関ヶ原の前哨戦となった上杉討伐に参戦するため、大谷吉継は領国の敦賀をたって近江の国佐和山城を訪ね、石田三成に徳川家康との仲直りを持ちかけました。ところが三成は、大谷吉継に対し、徳川家康を討つと意思を告げたのです。大谷吉継は、無謀であり、三成側に全く勝ち目がないことを3回に渡って解きました。
しかし、勝ち負けに関係なく、立ち上がらなければならないと決めた石田三成の熱意に打たれ、友情に報いる覚悟をしたとされます。ですから徳川家康も、まさか大谷吉継が西軍に付いたことは驚愕したと伝えらられているのです。大谷吉継は、負けると分かった戦に、友情を返す場としたのです。
関ヶ原で、本気で戦った西軍は、石田三成を別とすれば、宇喜多秀家、小西行長、大谷吉継くらいとされます。『総大将』毛利輝元は大阪城にあり、島津義弘は、三成家臣の無礼?に熱り立つて戦闘に加わらず、後の世に『捨て奸』と言うの戦法により多くの犠牲を出しながらも戦場を脱出しました。
それ以外の諸侯は、日和見で、小早川秀秋ほどではないにしても、天下分け目の関ヶ原で真剣に戦ったとは言えません。そんな中で、大谷吉継の活躍、大谷軍の戦闘は、凄まじいものがありました。もともと石田三成には勝ち目はないと判断していた上に、小早川秀秋の裏切りまで、予想していたとも思われるふしがあるのです。
これらを知りながら、一死を引き受けたのです。 大谷吉継は、石田三成の要請を受けて、脇坂安治、朽木元綱、小川祐忠、赤座直保らの諸隊をまとめて関ヶ原の西南に位置する山の中に布陣しました。これは松尾山に1万5.000人の兵を率いて布陣する小早川秀秋に、睨みを効かせる意図があったと見るべきでしょう。そして大谷吉継は、東軍の藤堂高虎、京極高知の軍と戦い、奮戦します。
すると、かねて手配とおり小早川秀秋が東軍に寝返り、いっせいに大谷軍を襲います。それだけではありめせん。三成により付けられた脇坂安治ら4隊まで、大谷軍を攻めてきたのです。これではひとたまりもありません。
大谷吉継は、自害の道を選択しました。
ただし、癩病を患うその首を敵方に渡すな!と家来に厳命して…。 大谷吉継の最後の場面は、関ヶ原を描いた映画等ではよく現れます。『三成…』と呼ぶことが多いですね。実際は、辞世の句と、小早川秀秋を恨んだ言葉が残されております。切腹にあたり、小早川秀秋の陣を睨みつけ、「人面獣心なり。3年のうちに祟りをなさん」と叫んだと言われます。
そして小早川秀秋、関ヶ原の後、体調優れず、その2年後に若くして死亡しました。一節によると、大谷吉継の亡霊に悩まされて狂い死したとも。 「契りあらば 六の巷に まてしばし おくれ先立つ 事はありとも」まだ30代の惜しまれる生涯でした。大谷吉継自身は、すべてをわかった上で、友情に殉じたのです。
あるいは、三成を止めれらなかった自責の念からとった行動かもしれません。大谷吉継からすると、日和見や裏切りは最も忌むべき事柄でしょう。
敦賀市のヨッシーくん、柔和な表情で、やがて東京、かつての東軍の本拠地江戸と繋がる北陸新幹線を、待っているようです。
きさらぎ法律事務所にいらして「こうだ!」と納得して帰られたのに、委任契約締結に至らないケースがあるのです。
2016年8月24日
きさらぎ法律事務所では、事務所内での初回相談は無料で、相談時間の制限を設けておりません。
じっくりしっかりお話を聞いて、できるかどうかでなく、何をすべきかを一緒に考えます。
お話しをされることで、溜まっていた憤懣葛藤は取り除かれ、これまで見えにくかった本当の問題点、そして相応しい解決策がきっと見つかります。
おそらく、これまでの相談の結果と違った何かを感じ取られるはずです。私は、解決のための法律相談、すなわち、相談者が依頼者となり、この方の事件を受任する前提で対応いたします。 こうして法律相談を受けて、見えてきた問題点、目指すところの終着点、落とし処がわかっても、この日は持ち帰っていただいて、改めて委任契約を締結します。
それは経験上ほとんどの方が、これまでとは違うと感じられているので、その熱っぽい状態を持ち帰って冷まして、なおこれで良い、この弁護士の勧めた道筋でやっていこうと思えるか、自分の頭で整理して、さらに考え、実としていただきたいからです。今日お話しするのは、きさらぎ法律事務所で、わかった、やりたいと、理解したつもりで持ち帰りながら、そのままになっている、あるいは、はっきりしない方々がおられることについてです。
まさしくだからこそ、初回相談のその場では、ご依頼は受けないのです。
相談を終えるとき、私のほうから申し上げることがあります。これは弁護士福本悟の考え、進め方であり、もちろん法律的回答として間違ったことは言っていないけれども、別のやり方進め方もあるかもしれない、別の弁護士の相談を受けて検討することは良いことだと。これは決して自信がないからではありません。
やりたくないからではではありません。
相談者は、私の説明にわかったような感じに見受けられるけれども、本当はまだ拘っている、諦めていない、はっきりしない、要するに、ブレるかもしれないと感じたときに申し上げることが多いです。
ただし、はっきり言っておくことは、本件は、法律問題であること、だから今後相談したり、意見を求める相手は、弁護士に限ると言うことです。特に離婚男女問題、親族相続問題には、強く申し上げることです。それは法律事務所を訪ねる、弁護士に依頼するというのは、当事者にとっては、大きな階段を登ったわけであり、そして相談した弁護士からこれこれをすべき、しようと言われて決意したのは、さらに大きな決断のはずです。
これまで相談者は悩み苦しんできたけれども、この大きな橋を渡ろうとしている、もう大丈夫、安心されようとしています。そんなとき、後戻りをさせることは、あってはならないのです。 しかしながら、この相談者当事者に余計なことを吹き込み、混乱させる人がおります。それは勤務先上司であったり、親であったりです。決まって言われるのは、「そんな問題、弁護士に頼む問題ではない」「もっと相手方とよく話し合いしなさい」等等です。中には「費用がもったいない」もあります。
ご自分が出捐するわけでもないのに。 例えば勤務先でセクハラにあった、男女の関係にあったのに、酷い仕打ちを受けた等では、勤務先は、その立場を守りたい、こんなこと!が裁判所等で露わにされたくないと考えます。それは、当事者のためではなく、会社のためです。離婚等で、親や親戚が口出しすることがあります。そんなケースは、当事者の婚姻関係等がおかしくなったのは、さもあらなんと感じるわけですが、相談者が、相談後親等関係者に報告したら、弁護士に依頼することを引き止めれたと言うケースは実に多いですね。
男女の問題は法律問題、当事者間では解決できません。
これは30年以上この種案件に関わった者の確信です。だいたい自分では解決できない、もう当事者間では話し合いなんて無理だと観念したから、弁護士事務所に来られたはずです。弁護士以外の人に改めて相談してどうするのですか。 これはかつて破産事件でもあったことですが、要するに親として、家として世間体が悪いとの思いから、無用な口出しをするのです。
金を払えないのに、親が出すわけでもないのにーーもっとも、親が出したら、本当の意味で解決にはなりませんがーーそれではどうすれば解決するのでょう。そもそも困っている、助けを求めている人に、みっもともないはあり得ません。 ときに親などに説明しなければならないので……と仰る方もおります。そんなとき、これまでいろいろあって辛かったけれどももう大丈夫、弁護士さんの言うとおりにやっていれば解決できるのだとだけ説明するよう申します。
つまり、法的にはどーにもならないこと、意味のないことを相変わらずあーだこーだと言われも何の意味もないのです。親の役割、友人の役割、弁護士の役割、それぞれあるのです。法律問題については弁護士の仕事です。ですから、それでも他の方向を向く、例えば友人とか親の意見に従うならば、その人にとっては、その人の受け取り方としては、まだ法律問題ではなかったと言うことです。そんな場面に、私が出て行く必要はないのです。
これは統計を取ったわけではありませんが、初回無料相談にお越しになって、私がこれこれをやろう、これで解決するとご提案した方の受任率、すなわち委任契約を締結する割合は、かなり高いと思っています。それは、まずほとんどの方が、ご自分が期待していた答えは得られなかった、しかし解決のためにこうしようと示された、じっくり考えてそうしようと思える方が少なくないことを意味します。
解決のため法律相談、それは相談者の期待する答えを出し、それを実現しようとすることではない、要するに弁護士は、相談者、依頼者のいいなりになってはならないと考えていることに通じるものです。
こうして日々いろいろな方と会い、私も学ばせていただいているのです。きさらぎ法律事務所にいらして、あなたのお話を聞かせてください。