きさらぎ法律事務所に相談の申し込みをされる際に受けるご質問と、私からのお尋ねに関して、前回この『ひとりごと』に書きました。第1回目となる前回は、電話やメールで回答を得ようとする方がいらっしゃることと、相談前に費用を仰る方がおられることを申しました。 今日は、もう一つ電話で申し込みを受けた際に少なからず受けるご質問と、これに対して私からお答えすることを申し上げます。 申し込みの段階で受けるご質問であるのは、『〇〇は得意ですか?』『〇〇に強い弁護士を探しているのですが…』であります。 相談者からすると、ご自身の問題を解決してくれる弁護士に巡り会いたいのは当然であり、強い、得意を求めるのでしょう。でも、『強いですか?』『得意ですか?』と問われて、『強くありません』って答える弁護士がいるでしょうか?最近のネット社会では、探す側に情報は発信されているので、少なくとも全く経験がない、信用できない弁護士のところには、アプローチなされないと思います。 つまり、相談申し込みされるときに、ある程度『強い』『得意』なんだろうなの前提があるはずです。きさらぎ法律事務所の、ホームページをご覧になって相談申し込みされた方から受けた相談内容で、過去私が全く経験したことがない、担当したことがないジャンルがあったことはございません。例えば、外国との渉外取引等、英語を話せるかどうか、相談をする段階で分かっているので、私が経験しないようなジャンルの相談申し込みはあり得ないです。 さて、ここで注意を要するのは、『強い』『得意』は、当の弁護士が、そのように自分をアピールしていると言うことです。実際得意かどうかなんて、弁護士会に試験があるわけではありませんし、他と比べようがありません。 消費者被害で誇大広告、虚偽広告や、重要事項の不告知等が指摘されますが、事業者である弁護士には、適用されないんですかね。ーーされますよ㊙︎……。お客さんをゲットするのはたいへんですからね。 きさらぎ法律事務所のホームページをご覧になった方は、 お気づきになったでしょう。私弁護士福本悟は、得意とか強いなんて書いてないです。取扱い業務や経歴、あるいは『ご相談者の声』で、いくらか、なんとなく「この弁護士は、こんな事案をよくやっているんだな」と感じ取られるのだと思われます。経歴の一つとして、司法委員、民事調停委員の経験談をご案内し、旧ホームページにあった『離婚、男女問題』を構成の都合上引っ張ってまいりました。 ちなみに、弁護士会の数年前の アンケート調査によると、弁護士に相談を希望される案件のトップは、離婚事案と発表されていました。とするなら、弁護士を数年やっていれば、離婚事案を経験しない人はおられないのではないでしょうか。でも、ひとつでもやれば、得意かどうかはわからないですね。 私は、電話等で『得意ですか』『強いですか』と聞かれたら、得意とか強いなんて考えたことありませんが、「この種案件は、30数年の弁護士歴で、経験させていただいております。」とお答えします。私にとりまして、経験こそ他の多くの弁護士が持っていない『強み』、すなわち依頼者にとっての武器たり得るのではと思っています。 もっとも電話でのお答えとしては、得意かどうかの問い合わせについては、経験はあります以上のことは申し上げません。でも実際、『強い』とか『得意』を標榜している法律事務所の弁護士より、依頼者にとって、『解決』を齎す経験に裏付けられた実務能力はあると思っています。ただ、初回無料相談を受けられるために面談するまでは、これを言わないだけです。 それと、これまた経験から言えることがあります。概して『強い』『得意』を予め仰って相談にお越しになった方は、意外と受任率が低い、すなわち委任を受けることが少ないのです。なぜか、それは『得意』とか『強い』を執拗に求め、拘る方は、自分の意のまま、すなわち、どうしてもその希望とおりの100%を追い続けるがゆえに、事案の収め処を見据えた私が示した解決を、目指そうとなさらないと思われるからです。 つまり、納得されていないのです。より端的に言えば、自分の言うがまま、言いなりになる弁護士を探しているのです。これは、『強い』『得意』とは違いますね。 以前この『ひとりごと』に書きましたが、きさらぎ法律事務所にいらっしゃる方で、既に弁護士に対して具体的事件を依頼なさっているケースが少なくありません。かつて申しましたが、セカンドオピニオンはございません。 依頼されている先生との間に不信感が生まれるような相談対応はできません。基本的に受任弁護士を褒める話になるわけですが、その弁護士に依頼した動機は、『強い』『得意』と書いてあったから任せたと言われることが実に多いですね。 これは、強いとか言っている弁護士に投げておけば、自分の思い通りになる、あるいは、どうして良いか分からないが、得意と言っている弁護士に投げておけば、自分にとって良い解決をしてくれるはずだとの思いから、やってしまうことだと感じます。それで思うに任せず、あるいはどうなっているのかわからない、今となって「どうしますか?」と言われて困ったと言われるケースとなるのです。これは、依頼する弁護士と時間をかけてよく話をし、どうしたいかではなく、どうすべきか、何を目指すのか、それが自分にとって次善の策、全体に終止符を打つ収め処として受け入れることができるのか、弁護士と一緒に考え、信頼関係を持ってやり通す、絶対にブレないか自問自答した上で、委任されるべきだと言うことであります。 これは得意かどうかではなく、あなたを解決まで導く、一緒にやり遂げる弁護士は、じっくりしっかり見極めなければならないこと、それは電話で強いかどうか『確認』できるものではないし、そもそもあなたの思っている、抱いている『強い』が間違いの元、解決のために最初に払拭すべき事柄なのかもしれません。 電話メールでの相談は、お受けいたしません。私は、これが得意だとは申しません。経験があるとは申します。全てはお会いしてからスタートです。だから初回の相談料は頂戴しておりません。 初回相談で、落とし所を目指す処を押さえ、解決までの道筋をご案内できます。あとはご依頼されるかどうかです。『強い』かどうか、『得意』かどうかは、電話やメールでは分かりかねると思います。きさらぎ法律事務所にお越しになって、お話を聞かせてください。