毎年新しい発見をする新春恒例の箱根駅伝でした。

2017年1月5日
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新春恒例の箱根駅伝が、今年も多くの人に感動を与えて終了しました。三年連続優勝を飾った青山学院大学の強さが目立った大会ではありましたが、箱根駅伝ファンは、勝ち負けだけを楽しみに見ているのではありません。今年も様々なドラマがあり、また、学んだ?こともありました。

まず青山学院大学、おめでとうございます。毎年選手が変わる大学生の団体競技で三連覇、素直にその実力は評価されます。トップを続けることのほうが、それを狙うことよりも難しいと言われます。特に青山学院大学原晋監督は、ある意味これまでの監督像とは異なる指導方針、そしてキャラを発揮され、それ故にか逆風を受けるところもあったでしょうが、選手スタッフ関係者見事なチーム力でした。各大学とも、その大半の学生が、高校時代までに相応の実力を持っていますから、それをどう開花させ、駅伝と言うチーム競技に活かすかは、監督の力によるところが大きいと思います。そして監督が好きなように?できる環境を作った大学、家族、選手スタッフとその関係者の信頼関係あっての結果だと思います。今日のテレビ解説者、原監督は、経営者だと評していました。


ここ数年2位になっている東洋大学も立派ですね。箱根駅伝で全国区となった知名度のある選手たちが卒業してもなお、この成績には底力を感じます。『その1秒を削り出せ!』の言葉、個人と団体の力が合わさって結果が出る駅伝には、納得できるスローガンです。そして今年総合3位に入った早稲田大学、こちらも見事でした。傑出した選手がいない中、特に往路では、青山学院大学にあと一歩まで迫った走りは、来年以降に繋がると感じました。そしてこのところ良い結果が出ていなかったかつての優勝校神奈川大、順天堂大、復活を感じさせるレースでした。
来年に期待したいと思います。

シード権を獲得するかどうかは、来年の箱根駅伝本大会のための1年間の計画にも影響する大切なことだと 言われます。毎年悲喜こもごもの大手町の風景があります。今年について言えば、往路では10位の日本大学は復路で振るわず、往路では、シード圏外となる11位以降の順位だった日本体育大学、法政大学、東海大学が、復路の頑張りでシード圏を獲得しました。

こんなルールあったの?と思われたシーンがありました。過去にもあったことですが、『幻の区間賞』が今年も出ました。関東学生連合、いわゆる学連選抜の最終10区のランナーを務めた東京国際大学4年の照井明人選手が、この区間を走った21人中最速のタイムで大手町にゴールしました。ただし、学連選抜は、オーブン参加のため、公式記録とされません。以前にも同じことがあり、最近では往路棄権したチームの復路8区の選手が、同区間のトップの成績を残したけれども『参考記録』とされだことがあります。ルールとは言え、学連選抜チーム、その選手は、様々な思いを抱いて走っていると思います。なんか釈然としないものがあります。

『幻の区間賞』と言われる事態そのものがあることは私も知っていました。でも今回初めて知ったことがあります。それは、全く同タイムのときの順位の決め方です。今年は、山梨学院大学と明治大学が、2日間の総合タイムが11時間29分17秒で、全く同着となりました。この場合、全区間を取り出して、区間順位の上位者数の多少によるのだそうです。もしこの両校に、区間1位の選手がいたら、そちらが上位者となるのですが、この両校区間6位までに入った選手はおりません。


7位に入ったのが、山梨学院大学の5区上田健太選手だったので、このルールにより山梨学院大学が上位と決められました。ちなみに、シード争いとなる10位で同着となった場合において、このルールに当てはめても全く決着がつかなかった場合には、同着の2校とも、シード権獲得となるのだそうです。滅多にないケースですが、ひとつ覚えました。

最近の箱根駅伝の人気は、この直ぐあとに行われる大学入試にも、影響しているとの意見があります。昔私立高校を有名にするには甲子園、花園、東大に行くことだと言った経営者がおりました。例えば『有名校?』早稲田大学にどうしても入学したい!との強い志を持った受験生は違うのかもしれませんが、どこでも良い、偏差値の同じような学校とお考えの方には、絶好のアピールの場となると言う裏話を聞いたことがあります。私は、それが悪いことだとは思いません。経営のあり方であり、また、学校一体となって、あらゆる面にレベルアップをもたらす可能性があるでしょう。

ただ、そんな思惑が、監督はじめ関係者にあるとは思いませんが、気になるのは、毎年のように見られる単にがんばれ!そして感動のもとに報道されるお涙頂戴主義です。今年は、途中棄権に見舞わらるような大きなアクシデントはなかったのではないかと思いますが、選手の健康管理そして将来を託されているのも監督はじめスタッフ関係者です。


そういう意味で、今年はとても良い箱根駅伝だったと思います。来年にも期待します。選手スタッフ関係者の皆さん、お疲れ様でした。ありがとう!