天気予報と選挙予想
2014年12月11日
12月に入って、北日本から北陸、西日本の広い範囲で、記録的な大雪に見舞われています。これも驚きで、影響被害を受けられた方には、お見舞い申し上げます。
ところで、驚きでもあり、一方では、慣れた感があるのは、天気予報がまた的中したということであります。予報技術は、随分進歩したようで、先日の長野県北部地震の直前に、地震予報が出ておりました。
時を同じくして、12月14日が投票日となっている衆議院議員総選挙の議席数の予想が出ております。
まず前提として、今回の投票率は50%前半で、憲法下での最低となりそうです。また、政権与党が優に300議席、総議員数の3分の2を超えるのではないかと報じられております。
たぶん、そうなるでしょう。
以前の中選挙区制時代には、『選挙戦終盤の情勢』で、与党優勢が報道されるものなら、アナウンスメント効果を言って、必ず与党側から抗議の類が起きました。中選挙区制では、同じ政党の候補者が議席を争うことも、影響していたのかもしれません。
しかし、私の記憶が正しければ、小選挙区制になって以降、マスコミ各社の『予想』が、大きく異なったことはなかったはずです。そして、政権与党からの『文句』も、聞かなくなったようです。先日、街の声として、景気回復の実感がないとのインタビューばかり放映していると、報道各社に時の人から『注意』がなされたことと、対照的事態ではないでしょうか?
これは、小選挙区制が影響していること大だと思います。NHK大河ドラマ『軍師官兵衛』は、佳境に入りましたが、ねね(北政所)の甥である小早川秀秋が、ねねより、どうしたいのかと問われたところ、「勝った方に付きたい」と答えたことが思い出されます。
そうです。戦国時代、誰でも本当は死にたくなかった。小選挙区制時代では、自分の一票は、『死票』にしたくない。これは、自然の気持ちでしょう。よく、『勝ち馬に乗る』と言いますね。
選挙期間中、優勢が報じられた側は、ムキになって反駁などしないほうが得策です。死票になりかねない賢明な有権者は、自らが民主主義を支える役割と結果が齎されることを望むのでしょうから。実際、投票終了直後の20時ちょうどに、テレビ局は、一斉に出口調査に基づいた政党ごとの議席数を発表しますが、大外れした場面を見たことはありません。
「企業は大量の利益を出している。出していないのは、余程運が悪いか、経営者に能力がないかだ」
社会保障費の増大に関しては、「高齢者が悪いかのイメージをつくっている人がいっぱいいるが、子どもを生まないほうが問題だ」
政府の要人から、こんな声が聞かれます。もう、選挙の結果には影響ないからでしょう。
非正規雇用であっても、安心して子どもを産み育てられる社会、株式なんて持てなくても、円安なんて関係なく、中小企業の人にも、トリクルダウンの恩恵?が受けられる社会、やがてそうなるのでしょう。
選挙の結果は、アナウンスメント効果などなく、何も変わらないとしても、明日の天気は気になります。
さて、天気予報でも見ながら、一杯やるとしますか。
キャンディはいかがでしょうか?
2014年12月10日
日曜日の夜の上りと火曜日早朝の下りに搭乗するため、空港を利用しました。
日曜は凄い混雑で、火曜日はガラガラの感がありました。
パイロットこそ空港の花形のイメージがありますが、飛行機が運航されること、そのために空港が機能するには、様々な人々の力と協力が必要です。例えば、空港のトイレは、デパートやホテルと並んで丁寧に掃除がされていると感じます。
気持ち良く旅立って欲しいとの思いなのでしょう。プロですね。
航空会社のバイロイトは、一点集中寡黙な業務かと思っておりましたが、搭乗した便の機内誌に、この航空会社の社長さんが投稿しておりました。安全と高度の技能を要することは当たり前、大切なのは『察する力』だそうです。
察する力を鍛錬したことにより、初対面の人とでも、会話することができると振り返られておりました。
機長は、この日一緒に仕事をするクルーとは、コミュニケーションが然り、様々な人々と関わることから、その人に添ったサービスをすることを心掛ける、これが『察する力』なのだというような話しです。
航空機の安全は当たり前、パイロットの資質によって、これが左右されることはありえません。警察官によって、泥棒が捕まったり、逃げられたりするのはおかしいのと同じです。
『察する力』とは、プロにあって、プラスαのサービスを意味するようです。
さて、火曜日の機内は、ガラガラです。
暇を持て余したのか、CAさんが、通路を行ったり来たりします。
何か用事を言いつけてもらいたいように見受けられます。
通路を通って、あちらこちらの座席を眺められるのは、落ち着きませんね。 私が、先の機内誌を読んでいたときです。CAさんが、横から『ヌーっと』皿様の物を機内誌の前に差し出してきました。
「何か?」と思ってよく見ると、皿の上にはキャンディが乗せられております。
どうやら、「キャンディでもどうぞ」のようです。
スーツ姿で本を読んでいる人間が、果たしてキャンディを食べたいと思っているのでしょうか?
まさしくこの航空会社の社長さんの『察する力』を拝読していたときなので、ベストタイミングに驚いた次第です。
弁護士は、依頼者、そして、時として、相手方の気持ち、思いを理解しなければなりません。
弁護士がプロたる所以は、『察する力』そのものを保持しなければならない、否、保持しているはずだということなのかもしれません。 プラスαの力まで必要なプロのお仕事は、たいへんだと言うことなのです。
家庭内トリクルダウン
2014年12月9日
先日ある報道番組で、豪華客船の旅を堪能している方のインタビューがありました。しばしば政府与党から槍玉に挙げられる局でしたから、『?』と思いましたが、旅人は皆しあわせそうでした。
「株価が上がった」と仰っておりました。
でも、本来株価は実際の経済を反映するもので、期待値から上がったのだとすると、一種のバブルです。確かに異次元緩和なんてすれば、円安株高は起きるのは当たり前、しかし輸入価格は上がるのに、安く多くの作業をこなす必要から、人手不足となって結局生産は追いつかない、そうこうしているうちに、最大の株の保有者である外国人投資家は、売りに転じますから、結局株価の上昇は限界になってしまうのだとおもうのですが。
と言っても、株なんか手を出したーー出せたーーことがない経済音痴や戯言と一笑されるのがオチでしょう。
アベノミクスの第3の矢は、成長戦略であります。異次元緩和してしまった以上、国の借金は増えるばかりですから、「後戻りできない」と言う意味において、確かに「この道しかない」のでしょう。
民間投資を呼び起こすのだそうですが、ある政党が指摘するような既得権益への切り込みを言う以前に、これほど成長し続けた日本経済は、さらに成長すると考えるべきでありましょうか?もはや高度経済成長の時代ではなく、少子高齢化社会であります。現在の富の7割以上が高齢者が保有しており、そlれこそブラックユーモアかと思いたくなるど、どなたかが言われた相続税率100%にでしなければ、消費は生まれないのではないでしょうか?
これからの世代に負担させてはならないを合言葉のように経済政策が述べられます。しかし、若年層は、今でさえ金がない、仕事がない、正規雇用を受けられないのです。
ある経済学者は、成熟しきった日本経済に、さらに経済戦略の必要を言い立てるのは、年寄りにドーピングして100メートルの10秒切れを求めるのと同じと評価されています。
さて、今日私は、サービス付高齢者賃貸住宅でひとり暮らしをする母親のところに行きました。母は、株を持っているらしく、株価の上昇をとても喜んでおりました(羨ましい!)。
ですが、これを使うーー私にくれるーーわけではなく、『家庭内トリクルダウン』は効きません、
なお、私の母は、要介護5です。経済成長のために走れ!と言われでも無理でしょう。
年寄りも若者も、安心平和なしやが望まれます。
政治の役割ーー菅原文太さんの遺言から
2014年12月8日
先月鬼籍に入られた俳優菅原文太さんは、晩年山梨県で農作物の栽培を通して自然に勤しむ生活をされる傍ら、世界の中での日本のあり方に関して、強いメッセージを残されました。
「政府、国の責任は2つある。ひとつは、国民を飢えさせないこと。もうひとつは、絶対に戦争をしないことである。」と。
先月行われた沖縄県知事選挙でも、菅原文太さんの勇姿が見られましたね。辺野古移設反対の候補を応援されました。何か、沖縄県知事選挙の結果は、菅原文太さんの遺言のような気がいたします。
でも大丈夫でしょう。
国民を飢えさせないためにアベノミクスはあり、国民を戦争に巻き込まないために集団的自衛権の行使が閣議決定されたのだからですから。
菅原文太さんに限らず、著名な芸能関係の方が、社会活動をされることは結構あるようです。
杉良太郎さんは、数々の慈善活動をされることで有名です。既に15歳のときからボランティア活動をされ、紫綬褒章を受賞されました。最近では、東日本大震災の折の救援物資の車両手配や杉さん自らの炊き出しが記憶に新しいですが、長年ベトナムとの有効支援に尽くされ、里子は80人を超えたと聞きおよびます。
また、杉良太郎さんと言えば、『遠山の金さん』を思い出される向きもあろうかと思いますが、杉良太郎さんは、刑務所への慰問活動を続けられる過程で、日本の矯正に強い関心と問題意識を持たれ、法務省から、史上初となる名誉矯正監を拝命されてもおられます。そして今なお、刑務所への慰問や矯正の関するご講演など続けておられるのです。
以前、杉良太郎さんの講演を拝聴させていただきましたが、わたしども法曹関係者さえいかに刑務所内の実情を知らず、改善や新しい施策を行おうとしない怠慢を叱責されました。
しかし、いちばんの問題は、国民が、自分には関係ないとして目を向けないこと、予算の問題とも絡むが、受刑者なんかにお金使う必要はないなどの空気があって、社会の仲間と見ていないことだと仰っていたことです。確かに、死刑の執行があるたび、ネットなどで、「無駄メシを食わすのは勿体無い、早く執行しろ!」などという意見が並びます。
日本は、いつから共生博愛の気持ちがなくなったのでしょう。つとに議論されるヘイトスピーチもしかり、排除の論理が見受けられます。
でもこちらも大丈夫そうです。
今回の衆議院議員総選挙で、各紙で優に300議席を獲得すると予想された政党の『マニフェスト』では、自助自立を第一に、共助と公助を組み合わせた国民の立場に立った制度を確立すること、企業の収益が増えると賃金が上昇し消費が増え、『トリクルダウン』すなわち、社会の隅々まで裕福になり、しあわせがもたらされるのだそうですから。
あらゆる立場環境の人であっても、しあわせになる権利があります。
いろいろな役柄を経験された名優の活動から、学ぶところは大きいと思います。
車窓から思う母と子
2014年12月7日
出張で、長野に行きました。
首都圏から長野方面に行くとき、碓氷峠を通りました。長野新幹線が開通する前は、信越本線横川駅と軽井沢駅の間の急勾配を登るため、横川駅で機関車を連結する必要がありました。この停車時間を利用して、乗客は『峠の釜めし』を買うのでした。今は、横川駅と軽井沢駅の間には、在来線はありません。
この横川駅近くに、『霧積温泉』があります。江戸時代に犬が発見したと言い伝えられるこの秘湯は、幸田露伴や与謝野晶子が逗留したことでも知られております
が、一躍脚光を浴びたのは、森村誠一氏の『人間の証明』でありましょう。
『母さん。ぼくのあの麦わら帽子、どうしたでしょうね。ええ、夏、碓氷から霧積に行く途中、渓谷に落としたあの麦わら帽子ですよ。』で始まる西条八十の詩集は、タイムスリップしたように、私たちの心を捉えました。
『人間の証明』では、森村誠一氏は、何を言いたかったのか、当時多感な?大学生だった私たちの間では、真剣に?議論されたものでした。作中、母に捨てられた棟居刑事が、怒りをぶつけた犯人に対し最後、「人間でよかった」と言って終わったことがやはり印象に残ります。
お母さんと言えば、今日乗車した東京駅から始まる『東京だよおっかさん』という島倉千代子さんの名曲があります。こちらは、東京に出て来た母親の手をひいて、二重橋、九段坂、浅草へとは母への感謝の思いを歌っているのです。今でこそ東京駅は、東海道山陽新幹線のみならず、東北秋田山形新幹線、上越長野新幹線の始発駅となって発展を続けますが、かつてはいろいろなドラマがあったのでしょうね。
年月を超え、社会は変わっても、親子の情は、今も昔も変わらないはずです。