街角の様子が、昼と夜で変わる場所があります。だいたいが歓楽街と言われる場所がそれで、東京新宿の歌舞伎町は、その代表とされました。きさらぎ法律事務所のある新宿1丁目は、旧花園町と言われ、江戸幕府の時代、四谷大木戸が出来て、江戸城への入口に位置し、ここから庶民の町となっていたとされます。
花園町と言えば、よく間違われてしまうのは花園神社で、花園神社は、現在の歌舞伎町の入口にあるのです。
新宿の歴史を振り返ると、歌舞伎町は、歓楽街の意義はあったのでしょう。ただ最近は、危ない店はあるようですが、昼間も人通りが結構あるようです。それは、海外からのお客様が増えたこともありますが、この周辺にも企業の事務所ができたり、休日には、ここを通ってあるデモ隊が出現し、人が集まる一因ともなっていたのです。以前日本司法支援センター通称法テラス東京事務所が歌舞伎町にあって、ハローワークもあります。私も仕事柄、昼間歌舞伎町を通過することがあったのです。
日本三大歓楽街と言われるのは、西の博多中洲、北の札幌すすきのでしょう。いずれもこの街のシンボルとされるものがあります。中洲ならば、中洲大通りにある中洲交番であり、すすきのならば、南4条西3丁目、通称すすきの交差点角のビルにあるニッカウヰスキーのヒゲのおじさんでしょう。
中洲大通りと言っても、大通りではなくて、酔っ払いが歩く中洲の幅員が広くない道路に面したあまり気づかない場所に、中洲交番はあります。ここが有名なのは、観光客出張族が中洲に来るとき、待ち合わせ場所となっているからです。この点、すすきの交差点は、夜ともなれば交通量が多い大きな交差点であります。
そんな違いがありますが、中洲もすすきのも、やはり夜と昼との人通りの違いは歴然としていたと言われます。中洲は、博多と天神の間に位置しますが、まさしく博多川と那珂川に囲まれた中洲となっていて、その立地からか、会社企業は多くはなくて、ホント昼間人通りがないのです。ゴミがゴロゴロしていると言っては失礼ですが、やはり中洲が輝くのは、那珂川に灯りが映える夜ですね。すすきのは、札幌駅から地下鉄南北線で、百貨店等がある大通駅の次ですが、その先は、中島公園から住宅地になるので、途中下車する人も少ないのでしょう。
そんなすすきのに、最近ちょっとした異変が起きているのだそうです。それは、昼間観光客、特に例に漏れず海外からのお客様が多く訪れるらしいです。その理由は、すすきのと、大通公園近くの西4丁目を結んでいた札幌市電が、昨年末ループ状、つまり環状線になったなからなのだそうです。もともと札幌市内には、少なくない市電網がありましたが、道路を整備していく過程で廃線となりました。この『ひとりごと』でも取り上げたと思いますが、札幌駅前通りにあるすすきのと西4丁目との間の軌道が最後になくなり、唯一残った市電網は、市街に大きくループしてこの両駅をつなぐかたちとなっていたものです。
それが昨年この区間が繋がりました。元通りになったわけです。それと、昨年藻岩山からの札幌の夜景が、日本の三大夜景に選ばれました。市電『ロープウェイ入口』駅から行くのですが、これまで大通りにいるか、すすきのにいるかで、市電の乗り方が分かりにくかったところ、これがループ状になったので、どこからどっちに乗っても目的地にたどり着けるわけです。バスと違い、遅くまで走っているのも利用価値があるらしいです。藻岩山は昼間も良いですし、市民の方々も、大通りに行きやすくなったのでしょう。
ところ変わって東京、こちらは早稲田と三ノ輪車庫の間に都電が走っています。残念ながら、私は、滅多に乗ることがありません。山手線の大塚駅、京浜東北線の王子駅を通り、途中地下鉄の副都心線、千代田線、日比谷線とも交差しますが、都内でも、ほとんど縁がない地域を通っているので、あまり馴染み親近感がないのです。路面電車と言えば、鹿児島でしたが、これで札幌市内でも、路面電車に乗車する機会が増えそうです。
環状線と言えば、山手線、大阪環状線が有名です。もし、都電がループ状になるとしたら、おそらく上野、神田、日本橋、銀座と文京区あたりを通ると思います。道路事情があり、何を今更ではありますが、人の流れが変わり、また、昼も夜も活気つくかもしれません。札幌市内の同じ場所の昼と夜、これを経験して、ふと福岡、そして東京を考えてみました。
今年は、先月まで台風が発生しませんでした。台風発生が遅い年は、暑い夏が続いて、秋にかけて台風等の風雨が激しい日が多くなる傾向があるらしく、これから注意が必要です。
九州地方で大きな被害をもたらした雨は、東京を通らずに、私が出張した北海道札幌方面にやってきて、航空機が遅れました。本当に、申し訳ないほど雨男です。翌日は、東京は35°C超えの真夏日となりました。
この時期、博多祇園山笠が気になって気になって仕方ないのです。そして、暑くなりつつも、夏の鮮魚にありつける楽しみもあります。この『ひとりごと』でも書きましたが、福岡ならば、まじゃく、あぶってかも、あげまきが、福本悟の三大珍味となります。
そして、これから本番、今本番なのは、『うに』ですね。ウニに関しても、この『ひとりごと』で、ずいぶん書きました。なぜこれほどしつこく拘るのか、その理由のひとつは、九州のうには、東京では有りつけないからです。どーしてそうなのかは、わかりません。
九州のうに、その中でももっとも美味しいと信じる唐津の赤うには、今からです。国産のうには、夏季に限ります。唯一冬にも食べられるのは、北海道太平洋側の漁港に入るうに、実際は、北方四島あたりのものだそうですが、根室、浜中あたりから、札幌にも送られます。日本海側では、北海道も冬季は獲れません。それが6月ころになると、利尻礼文、焼尻島、積丹半島の物が入ります。エゾバフンウニは、北海道の方は最高だと言われます。
私からすると、それもそのとおりですが、ムラサキウニも良いです。こちらは、小樽前浜でも獲れます。札幌すすきのの居酒屋でも、たいていありつけるかと思います。
北海道では、塩水ウニとして出されることが多いです。ウニは崩れやすく、ミョウバンを添付するなどして、箱に収めるものの、それでは一気に食べないと悪くなってしまうからでもあります。塩水につけておけば、崩れないのでしょう。でも、私はこれ苦手です。どうしても水っぽくなり、塩水を飲んでる感じもするからです。ですから、北海道でも、なんとかして箱売りを探します。
ただし、よほど新鮮でなければ形が崩れるので、なかなかゲットできるものではありません。札幌場外市場では、4.000円以上、7.000円くらいするのも出ていて、とても買えたものではありません。九州のうにとは、値段もかなり違うのです。
それで、私なりに工夫しているのです。まず、値段が張るエゾバフンウニは買わない(買えない)。ムラサキウニでも、塩水ではなくて、形が崩れない箱売りを探しに、小樽までいきます。小樽駅近くの三角市場にも、一応馴染みになったお店はありますが、やはり2.000円の壁を崩すのはかなり厳しいです。それで今回は、新南樽市場に行きました。ここも数回行って、ウニはもちろん、ホッキやツブを買ったことはあります。
それでも塩水になっているのがほとんどで、箱売りは、1.650円の小樽前浜のものが、唯一出ていたのです。
ここからが、またたいへんでした。東京まで、安心安全に持ち帰るには、ダカガタしないこと、崩れないこと、そして溶けないことはもちろん、絶対に崩れないようにしなければなりません。残念ながら、新南樽市場は、小樽市民が普通に買いに来る市場ですから、私のような不心得で、面倒な奴のことは、配慮していません。氷を多少つけてくれて、そのまま渡されたので、自分で梱包?しなければなりません。
市場2階にある百金ショップで、小型スチロールとガムテープを買い、丁寧に梱包しました。南優香先生ありがとうございます。カタカタせず、固定されて外から空気も入らず、持ち帰ることができました。
帰って食べましたが、悪くなかったです。小樽を持ち帰った感がありました。そして、次は、山笠期間中の福岡での唐津の赤ウニです。ただ、赤ウニは、いくらかまだ早いようで、福岡近郊の地物のうにになることが多いです。これも美味しいです。九州のうには、粒が小さくて身がしまっています。しっかりとしたかたちになっていて、崩れません。これが良いのです。そして、北海道と比べて、遥かに甘いです。
だからなのか、九州では、塩水うになんて見たことありません。ムラサキウニでも、とても甘くてしっかりした味です。そして、こちらは、どんなに高くても2.000円台でしょう。天神の岩田屋さんでも、ときには、唐津産のうにが、1.000円くらいで出ることがあります。1.000円から2.000円の間が大半だと思いますが、もう、これで大満足です。
北海道と九州、特に7月は『うに対決』です。子どものころ、100円回転寿司で、酷いウニ?に当たって、ウニ嫌いになった方もおられると思います。この時期のうに、どうぞ本場北海道または九州に行って、召し上がってください。お米や牛肉、最近では鰻等も、『国産』の表示かあります。東京の回転寿司屋さんで、うにの産地を書いたものを見たことありません。九州からは当然入りませんが、国産のってあるんでしょうか?
TPP交渉の話は、今は昔の感さえありますが、うには、外国により、市場が荒らされ、国内のうに漁師さんたちが、打撃を受けることはあるのでしょうか?私は、国産、しかも北海道または九州のものしか食べようとは思いません。
安倍晋三内閣総理大臣が、『TPP交渉絶対反対!嘘つかない。ブレない自民党』なるポスターをかつての選挙戦で貼って、国民と約束したことを、その後なぜかお忘れのようです。でも、私は、うに関してはブレませんね。国産に決めてますから。さて来週は、九州のうににありつけるでしょう。博多祇園山笠の時期ですから。
今年のプロ野球、パ・リーグは福岡ソフトバンクホークスが、セ・リーグは広島東洋カープが、首位を独走しています。
セ・リーグは、広島以外は、勝率5割を切っていて、それは交流戦に、めっぽうセ・リーグは弱いからだとも言われますね。昨年首位を走っていた横浜DENAが、交流戦で失速して、その後記録的な大敗を喫したことは、記憶に残っております。そして日本シリーズ、昨年セ・リーグの代表チームは、パ・リーグのチームに、ほとんど歯が立たなかった感じでした。
今年もそうなっていくのでしょうか。 そんな予感もなきにしもあらすではありますが、広島東洋カープが好調子を維持しているのは、プロ野球ファンにとっては嬉しいことかもしれません。ベテラン若手が一体となって、小気味良い試合を続けているようです。とは言え、かつて(失礼!)の球界の盟主と謳われ、紳士たれ!で有名な読売巨人軍、賭博疑惑なんかあったりして、このところチームに元気ないみたいです。それと阪神タイガース、こちらも以前は『六甲おろし』が甲子園球場を包み、巨人阪神戦は、伝統の一戦と言われて、オールドファンには数々の名場面が脳裏に焼き付いていると思いますが、最近あまり聞かなくなりましたね。
私は関東の人間ですが、阪神タイガースには、関心はありました。 阪神タイガースの本拠地阪神甲子園球場は、兵庫県西宮市にあります。兵庫県には、民間の航空路が開設されている空港が2つあることは、あまり知られていないようです。私は、その両方を利用したことはあります。ひとつは、但馬空港で、大阪伊丹空港との間に、日本航空グループの小型プロペラ機が、1日2往復就航しています。もうひとつは、神戸空港です。神戸市に空港があることは、なぜかあまり知られていないと感じます。
開港10年、比較的新しい空港ではありますが、JAL日本航空の国内路線はありません。神戸空港に多く就航させているのは、スカイマークです。羽田、新千歳、茨城、長崎、鹿児島、那覇を、神戸と結んでいます。 そのスカイマークが、阪神タイガースと、コラボレーションした特別デザイン機『タイガースジェット』を運航されております。これのお披露目の日には、SKY1985便と言う記念便として、羽田空港発神戸空港行きで就航させ、式典には神戸市長、阪神タイガース社長のほか、阪神タイガースのOB吉田義男氏や江本孟紀氏らが出席したそうです。
1985とは、阪神タイガースが初めての日本一になったこの年、1985年4月、当時のクリーンアップバース、掛布、岡田選手が、3者連続で、甲子園球場バックスクリーンにホームランを叩き込んだ阪神ファンには忘れられない年でありました。1985年昭和60年は、私が東京弁護士会に登録した年でもあります。 このプロジェクトは、神戸空港を拠点ともしているスカイマークが、同社を知ってもらい、また、関西地域の魅力を全国に発信させていく試みとして、今年10月まで、特別デザイン機『タイガースジェット』を就航させるものですが、神戸市としても、神戸空港が、関西全体の中で、しっかりとした役割を果たすことが有用との見立てがありました。
そもそも神戸空港の存在は、あまり知られていないからです。阪神球団としても、タイガースジェットが注目されることで活気づき、阪神タイガースが、良い成績を残せるよう励むことになるでしょう。三者三様の相乗効果が期待されます。
このタイガースジェット、先週搭乗しました。機体には、咆哮するトラのマークのロゴがあり、機内には、六甲おろしが流れていました。キャビンアテンダントは、スカイマークが、阪神タイガースを意識したユニフォームを纏い、座席ヘッドレストカバーも、トラ仕様になっていました。関西と言えばお笑いのイメージがあるのですが、阪神タイガースには甚だ失礼ながら、巨人軍やソフトバンク等ではなく、トラ仕様の阪神だから楽しめる感じがするのです。タイガース球団社長は、これを機に、阪神タイガースは良い成績が残せるよう頑張ると言われましたが、まさに常勝軍団の仕様では、つまらないですね(失礼!)。
リラックスして、出張先に向かうことができました。 このタイガースジェット、神戸空港を中心に、日本中を飛行しています。前日に、翌日の就航路線が発表されるようです。なかなかない機会、しかも神戸空港とは関係ない路線で搭乗することができ、ラッキーでもあり、なんか可笑しくなりました。阪神タイガースをバカにしてはいけません。
これから暑い時期、タイガースジェットの機内にあった簡易うちわ、重宝します。裏には、SKY✖︎tigersとあるこのうちわ、これを持ち歩いて、暑い夏の各地を訪ねたいと思いました。
参議院議員通常選挙期間中ですが、党首討論は、公示前後に数回行われました。
しかし、その後全くありません。イギリスのEU離脱は、政府与党の責任ではありませんが、ここ数回の選挙で、いつも同じことを言っているアベノミクスをさらに前進させる云々は、どのように影響するのでしょう。先の伊勢志摩サミットの折、どの首脳も、世界経済が不安定だなんて言っていないのに、消費税率引き上げの延期は、アベノミクスは上手くいっているが、世界経済がダメだからなんて他国のせいにしていたわけですが、今街頭では、イギリスのEU離脱を見越した政治判断だったとして、与党勢力は、安倍首相の先見の明?を讃えているようです。
EU離脱による日本経済、つまり庶民の家計にどう影響するかは、別に機会があれば、この『ひとりごと』でお話ししたいと思います。円安株高が、庶民に影響なんてしなかったように、これも庶民には、直接影響ないでしょう。
アベノミクスが向けているお金持ち、富裕層が影響を受け得るだけですから。ですから選挙では、論じる必要はないかもしれません。これまで隠し続けていた憲法改正、今度はEUに触れることで、さらに誤魔化せるかもしれませんね。
安倍内閣総理大臣が、神のごとを預言者なのかはともかく、連立を組む公明党の山口那津男代表、EU離脱をを見込んで手を打っていると仰いました。え~ホント?それならその手を明らかにして欲しいですね。
それを未だ混迷を極めるイギリスに教えてあげたらいいのに。消費税率引き上げを延期したことによる社会保障費の財源は、ちゃんと手を打っているらしいです。私なんかパナマ文書で問題にされた14兆円を国庫に納めてもらうのが手っ取り早いと思うのですが。よく見えませんので、是非とも党首討論会をお願いします。
党首討論?と言えるかどうか見解は分かれるかもしれませんが、この『ひとりごと』でも取り上げた公示直前のネット討論の一幕があります。この日司会を務めた若手社会学者の男性は、選挙の争点、この日の討論とはおよそ無関係な質問を、ある野党党首にぶつけ、これに関する『謝罪』もふざけたものであったことに、この野党党首が怒ったことがありました。
私が、この社会学者をあまり好いていないと言うこともありますが、単にKYとか、おバカではなく、ある意図のもとになされた計算された演出であり、なぜマスコミは問題にしないのかと、こちらに怒りが湧きました。
誤解無きよう願いたいのは、件の党首の『再婚』とか、男女の問題に触れたから怒っているのではありません。そら、見たことか!となったのは、この数日後、この社会学者さん、あるバラエィ番組に出演し、この司会を担当するお笑いタレント?と、この件でやりとりがあったからです。
このタレントさんの番組に、安倍晋三内閣総理大臣が出演することになっていて、その収録も終わったところ、熊本地震が起きて放映されなかったことは、つとに有名です。3月まで、コメンテーター、キャスターを務めた方がいたNEWS23、報道ステーション出れば、私も、そのお姿を拝見できました。そう言えばこのお笑いタレント?さん、昨年、国会前に集まった『戦争法案反対‼︎』の若者を指して、「やらされている」と言ったところ、メイン司会のタレントさんより、「若い人たちが声をあげて僕は嬉しかった」とコメントされましたね。それで凍りついた人です。
こんな人が、例の社会学者に対して、場を盛り上げるためにやった云々を言ったのです。
でも、このとき社会学者さん、殊勝な態度をとったようです。この野党党首に対して、直接お詫びの言葉を言いたかったと述べたのでした。それを『盛り上げる』なんてフォロー?しようとしたこの司会者、なんとも、、、。
それはさておき、この様子を知った件の野党党首、彼を許したようです。曰く、「私たちはもう、前を向いています。将来ある有能な方ですので、是非前を向いて頑張っていただきたいと思います。応援しています。」
見事ですね。私なんかは、相手にしない、こんな人の向いている方向ははっきりしている、相手になるのは思う壺くらいで、もう忘れたくらいの対応しかできないと思います。
確かに野党党首、あのときはお怒りか、あるいは近頃の若者に道理を諭すようなお気持ちがあったのかもしれません。でも、『試合?』が終わればノーサイド、失敗した、あるいは落ち込んだ?ーーがどうか知りませんが、ーー相手をリスペクトする度量があったのです。巷の声も、『大人の対応』『1枚どころか百枚上手の対応』『素敵!』と概ね賞賛しているようです。
この『事件』と対応により、この野党党首、お名前が、ネットでの検索回数が10倍にもなったとのこと、関心を持たれるように対処したのも流石ですね。私は、元自民党でご一緒したこの方と、自民党総裁安倍晋三氏との党首討論、是非見てみたいです。この党首の政党とグループを組む参議院議員が、公示後唯一?行われた討論で、政治と金の問題について、こんなことを言っていました。自民党公明党が推薦した東京都知事舛添要一氏は、セコイと言われて辞任した、彼のセコさの中には、政治資金で子どものマンガ本を購入したことが指摘された。安倍内閣総理大臣も、国会内売店で、『ガリガリ君』なるアイスキャンデーを、政治資金で購入した、どうして問題にされない(辞任しない)のかと。
これに対する安倍氏の答弁、答弁になっていませんでした。
この野党党首からエールを贈られた社会学者さん、政府与党から委託された委員ばかりするのではなく、大学の先輩でもあるこの野党党首から、男として、人間として、いろいろ学ぶことが彼のためであるように思います。
大英帝国で行われた国民投票の結果が、全世界に驚きを齎しました。
イギリスは、EU、欧州連合を離脱することが、国民投票により決まりました。その差わずか2%にも満たない僅差でありました。2つの大戦を経て、現在は、28カ国に拡大したEUから離脱する初めての加盟国です。最近の日本の風潮、アメリカのトランプ現象、さらに移民で溢れる欧州諸国の現実からしても、むしろそれだからこそ、イギリス国民は、『残留』を選択すると思っておりました。
安倍内閣総理大臣は、消費増税を延期する理由を、アベノミクスの手詰まりではなく、世界経済の危機なんて先の伊勢志摩サミットで、各国首脳と共通認識を持ったかに言いましたが、本音は、まさか離脱とは……だったと思います。早速消費増税延期が正しかったと、自分がこれを予見したかに、誇らしげに選挙戦で言っておりますが。 欧州連合は、先の大戦後、ヨーロッパ各国が、不戦の誓いをし、欧州は、グローバル化する社会にあって、貿易、経済、民族等等諸問題は、統合してルールを定めて共有するべく作られた連合体です。
イギリスは、ヨーロッパ第2と言われる経済力と、かつての大国としての威信があったので、EU離脱は、想像困難な波紋が、あちらこちらに出ることは、避けられないでしょう。かたちとしては、移民や貿易等では、グローバル化に追いつかず、あるいは取り残されたと感じる国民の少なくない意識が齎したものと言えるでしょう。移民排除を極端な政策として掲げる政党は、欧州諸国に増えるようであり、国を閉ざす方向に進むことは、対立と離反を招く危惧があります。
おそらくキャメロン首相は、『本気』で、国民投票を行うつもりはなかったのでは?と思います。
例のパナマ文書では、自分の祖先までも中傷されたといささかムキになった感があり、ここを乗り切ってしまえば…の政局がなかったでしょうか?残留か離脱か、何か情動的、ナショナリズムを煽るような選挙戦になったように総括されてもいますが、離脱派がそれを意識したかどうか別として、マグナカルタの歴史ある大英帝国をもってしても、理性を働かすことが難しかったのでしょうか。もとより私は、民主的手続により決められた他国の選択の是非、その内容を、云々する立場ではありません。ここで感じたことは、イギリス国民も必死だったのだ、厳しい日常だったのだと言うことです。国民の声、意識と政治との温度差だったのではないでしょうか。
今回の国民投票、貧困、格差が生んだ結果との見方もあります。東西冷戦が終結し、ヨーロッパ各地から、多国籍他民族が、EU各国に行き来しました。日本企業が、アジア諸国に進出する理由として、現地の人件費を言われます。安く人を使っているのです。他方、ヨーロッパでは、自国では得られない賃金、事業による収入を、EU加盟国にいることで得られ、これを母国に持ち帰る、あるいは残した家族に送ることが常態化しているそうです。これに移民が加わります。
サッカーファンなら、ある程度知っていると思われます。移民としてヨーロッパのある国で暮らすことで、その国の代表としてユニフォームを着るのです。デビットベッカム元選手が、残留を支持したことは、よく知られていますね。彼のチームメイトにも、その経歴の選手がいたはずです。 しかし、人が増えても、それに相応する仕事がなければ生活できません。
船を増やさず、船に人だけ増やしたら沈没します。これまで生活の糧となっていたパイの争奪戦が、人が増えることにより、他国からどんどん人が流入することにより、起こり得るのです。今、ヨーロッパ各地では、移民問題は深刻であり、その排斥を主張する極右政党が、支持を受ける傾向があります。仕事がなくなり、活躍の場が奪われたと感じた人は、そのポジションに収まった人を羨み、それを齎したシステムを批判します、貧国格差問題も、これと同列に主張されます。 これが国を閉ざす方向に進みました。
また、イギリスは、ヨーロッパ大陸と離れています。かつての大国の誇り、自分の国は自分で決める、自分たちのことに、他国他人は口出し無用の観念があったことは否定できないのかもしれません。イギリスを島国と言ったら失礼にあたるでしょうが、鎖国を生みやすい前提があったのだと思います。 新しい国、自分たちの独立国家?構築とでも機運が高まったのかもしれません。 イギリスのEU離脱は、ヨーロッパ諸国に影響を齎すでしょう。各地で発生したテロと、移民問題を結びつける国家主義的な勢力が、徐々に国民の間に浸透してきたのは事実であり、右寄りの政権が、誕生する流れにあります。難民に対して冷たいと言われる私たちが口を挟めるものではないのかもしれませんが、共存共栄ではなく、排斥と閉鎖へ向かうことは悲しいですね。
ところでイギリスの国民投票で、意外に思えたことがありました。それは、離脱派は60歳以降の年代が多く、20代は、70%近くが残留に投票したということです。いろいろな理由が重なっているのだと思いますが、EU諸国に属することのメリット、開かれた社会、ヨーロッパを若者は望み、見ていたことを意味すると思います。冷戦終結後に生まれた世代は、各国間の行き来もあり、世代間の交流、『友達意識』が当たり前なのでしょう。
教育や雇用で、機会を得られない状況にはない、少なくともそんなふうには思っていないことが見て取れるのではないでしょうか。ひとつの国を愛する、その発展維持も大切だが、各国との協調共存により得られるもの、また、守られるものを感じているように、数字からは思ってしまいます。 さて、日本ではどうでしょう。私は、逆の結果が出るように思えてなりません。貧国格差問題、貧困の連鎖と言っても良い社会構造の中、閉塞感を打破するには、他に敵を作ることがしばしば利用されます。
ナチスが、ドイツの優等性を失ったのはユダヤ人のせいだとした例は、つとに引用されます。ネット上では、アジアの近隣諸国への批判的な書き込みが絶えません。どうしてこうなるんでしょう。先にも申しましたが、若い世代が満たされていないからだと思います。この世代にも、格差が起きています。学校に行けに行けない、奨学金の支払いの有無、そして非正規雇用の現実、さらに家庭が持てない、しかし介護に苦しむ、こんな社会に誰がしたかは今は言いません。
怖いのは、こんな社会にした勢力が、批判の矛先をかわすために、『日本人の優秀性』『日本の美しさ』をアピールして、他国や他民族を批判し、世界から孤立して行くことです。 今、世界は『トランプ現象』なる言葉が、まことしやかに流行りつつあります。右翼的閉鎖的民族主義的考えを意味するようです。トランプ氏は、日本に在留するアメリカ軍の費用を、日本が負担しないなら軍を引き揚げると言っていました。そうなると、先の安全保障法は、どうなるんてしょうかね。アメリカが孤立するのではなく、アメリカと一体だった日本が孤立するのではないでしょうか。本気で中国がアメリカを、アメリカが中国を敵視して冷戦となるなんて思っている政治家いるんですか。
両国は、バカではありません。日本の独立国家を言うだけ、国際社会から孤立する危惧を覚えます。 日本の富のほとんどは、70歳以上の人が保持し、若い世代には、消費は期待できません。お金もちほど税金が優遇され、しかも、お金持ちにとっては、ガリガリ君程度かもしれませんが、年金生活の方等資産に関係なく非課税の高齢者には、今回30,000円が支払われるそうですよ。お年寄りは、この国が大好きで、変わらないことを望むでしょう。
これは、いっぽうでは、戦後日本人が守り抜いた憲法のおかげでもあります。諸国民との協和による成果と、我が国全土にわたって自由のもたらさ恵沢を確保してきたからです。問題は、若い世代、これからの人たちに、憲法に根ざした政治が行われるかです。参議院議員通常選挙の前に、とても気になるイギリスの国民投票でありました。