大阪都構想に関する住民投票の結果を受けて

2015年5月20日
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大阪都構想の可否を巡る住民投票が行われ、僅差で、反対が賛成を上回り、結果、大阪府と大阪市は存続することが決まりました。

東京に居て、現実感が伴わない部分もあったことは否定できませんが、投票率66%超えの中での僅差であったことに、久しぶりに民主主義のパワーを見せられた思いがいたします。大阪市民に敬意を表したいと思います。

大阪都構想は、主に府と市の二重行政の無駄を省くことを目的に、現大阪市長橋下徹氏が提唱したもので、反対派は、大阪都となれば、住民サービスが行き届かなくなるなどと主張していたと思います。

決戦を終えて、テレビ局の前に現れた橋下徹市長の表情、発言が印象に残りました。橋下氏からは、何度も民主主義の素晴らしさ、権力は使い捨ての言葉が発せられました。

橋下徹と言う人物、政治家としての政策に関する評価は止めましょう。私は、あのインタビューの席で、ーーあれが本当の姿であり、国民に対する政治家としてのメッセージであるならーー実に見事な退き際だと関心いたしました。これまでのマスコミに露出する橋下徹氏とは、別人に映りました。

橋下氏は、税金と時間を使い、また、市職員の協力を得て、8年越しの彼の政治家としての原点であり到達点であるこの『決戦』を行うことができた礼を言いました。

そして、国政ではあり得ない自民党から共産党まで団結した橋下包囲網に、僅差で敗れたにも関わらず、「やっぱり間違っていたんでしょうね」と認め、任期までは市長を全うし、その後は、政界を引退すると言われました。

たった一つ、大阪市を無くすかどうかの明確な判断を市民に求めて、その結果は、民主主義が実現されたとし、潔く受け入れると言うことです。私は、改めて民主主義ってなんだろうと考えさせられました。

今、国会では、閣議決定された集団的自衛権を海外で実行可能とする『国際平和支援法』審議がなされようとしています。
先の衆議院議員総選挙で、50%そこそこの投票率で、巨大与党が誕生しました。
あのとき、安倍晋三内閣総理大臣率いる自由民主党は、「アベノミクスを進めるか、ーー民主党政権時代のような社会にーー後戻りするのか」が争点だとして、結果、アベノミクスは受け入れられたと宣言したものでした。

今政治は、経済景気に関する政策に留まらず、国民生活のために行うべき事柄は山積しているのに、集団的自衛権を閣議決定し、その関連法案を急ぎ成立させようとすることに対し、安倍首相は、先の選挙で、自民党は、マニュフェストにおいて国民に約束したと発言されました。

すなわち、自民党作成のマニュフェストの中に 、たった一行、『国の安全保障政策を早急に整備する』と書いてあって、国民に約束し、その信任を得たのだと言うのであります。

さて、先の選挙で自民党に投票された方、安倍晋三氏に反論できますか?かねてより、橋下徹氏は、安倍晋三氏と蜜月関係だと取り沙汰されておりました。

橋下徹氏は、政界を引退されるようですが、安倍晋三氏のパワーは、底なしの感があります。

橋下徹氏は、いくさを仕掛けて命を奪われない民主主義の有り難さを言われました。
ご自分ひとりが政界を去り、大阪市民は、道連れにされません。

先の選挙で自民党に投票された方はもちろん、安倍晋三氏とともに進まれるのでしょうが、民主主義である以上、集団的自衛権反対、国際平和支援法は戦争法案なんて言っている人もまた、安倍内閣、巨大与党の決め事通りに拘束されるのでしょう。

道連れ民主主義なんて言葉が妥当でしょうか?

 

仕事の3Kとは、感謝、感激、感動です。

2015年5月19日
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今日は、東京駅から東北新幹線に乗車しました。テッセイこと、株式会社JR東日本テクノハTESSEをご存知ですか。

新幹線車両清掃を担当する会社です。この会社には、企業や大学から、お客様に対するおもてなし、従業員の士気モチベーションなどに関して、研鑽の対象にされることで有名です。

かつてこの職場は、『きつい、汚い(あるいは臭い)、危険』の3Kの代表格と言われました。

それがちょっとした努力で、『感謝、感激、感動』の3Kに変わったと言うことです。

 

今年春までおもてなし宣伝部長だった矢部輝夫氏は、JR東日本日本の取締役でしたが、テッセイに赴任し、これまでのトップダウン式を改め、皆が楽しく誇りを持てる職場環境にすることを心掛けたと言います。

 

皆さんは、掃除のおじちゃんおばちゃんではない、新幹線を利用されるお客様を迎えるキャスト、良い思い出作りができるよう、しっかりおもてなしをしようとの観点から、制服をスタイリッシュに改め、スタッフの良い行い、感心したことなどをリポートするシステムを作るなど、新幹線利用者からは注目され、声をかけられ、スタッフ社員は互いに認め合い、助け合う姿勢に変わったのだそうです。

こうして社員にはやる気が漲り、それぞれに目標と達成感が生まれ、自律的組織として機能するようになるのです。

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『奇跡の7分間』と言う言葉が生まれました。

東京駅は始発駅であり終着駅、東京駅に到着して12分、この間下車に2分、乗車に3分かかると見込まれ、清掃時間は7分間です。

 

抜群のチームワークにより、実にテキパキやられていますね。実は、今日は朝方の東京駅車両点検により、東北新幹線は遅れて運行されていました。

 

本来12分のところ、折り返しとなる新幹線が7分遅れて到着したことから、さらに清掃の時間は狭まりました。

でも、発車定刻時刻には掃除は終わり、ドアは開きました。 空港でもそうですが、利用者は、始発駅から気持ち良く旅立ちたいものです。

いつか空港のトイレはきれいだと申しましたが、きれいの基本は掃除、これに携わるスタッフが、仕事に誇りと自信を持って、チームワークよろしく楽しく業務に携われば、自ずから利用者お客様は、良い気持ちになるでしょう。

 

今日も気持ち良く東京駅を出ました。

 

公共交通機関の車内放送の是非

2015年5月18日
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行き先が初めての場所で、最寄駅まで電車、バスなどの公共交通機関を利用する場合、確実に到着するためにどんなことに注意し、心掛けしますか。

予め何々線の何々駅まで行けば良いと調べて乗車しても、その目的となる駅がいつ現れるのか、気になるのではないでしょうか?
そんなとき、始発駅、または乗車した駅から何個目とか、何々駅の次、あるいは乗車してだいたい◯◯分とか、乗り過ごしや乗り間違えがないように、ご自分なりの工夫をされると思います。

電車内車内放送を利用する、これを気にする方は多いのではないでしょうか。「次は、ーーです。ーー線はお乗り換え。お出口右側です。」なんて、毎々放送されますね。

都市圏の通勤電車を毎日利用する者は、この放送、なんとも思っていないと言うか、無くても自分には関係ないと感じる向きもあろうかと思います。

特に、自宅の最寄駅から、乗り換え無しで新宿駅とか渋谷駅とかの終点まで行く乗客にとっては、途中の車内放送は無くても困りません。終点が新宿、渋谷だからです。

先日新宿三丁目駅から、副都心線で横浜に行く用事がありました。新宿三丁目駅から横浜方面に行く場合、昼間はほぼ行き先は『元町中華街』行きです。副都心線、東急東横線、みなとみらい線が繋がっております。この日私が乗車した電車では、一切車内放送はありませんでした。

地理に明るい私は、下車する駅までの停車する駅の数や時間、車窓からの風景で、乗り過ごしやなどの心配はありません。

この日車内は混雑しており、外はあまり見えません。ただし、横浜駅まで乗車して6駅であることから、停車駅を数え、また、横浜駅直前には、さいわい地下に入って音が変わりますので、間違うことはありません。私と同様、横浜駅で下車する人は多いので、まあ、初めて人でも、人の波について行けば大丈夫だったでしょう。

でも、各駅停車で、あまり乗降客がいない駅に用がある方がこれに遭遇したら、難しかったかもしれません。

車内放送は、煩いと感じる方もいると思います。そんな声に配慮して、通勤時間帯などは、一切車内放送はしないと決められたのかもしれません。

あるいはあの日の経験は、単に機械が壊れて案内がたまたま出来なかったのかもしれませんが。

車内放送に期待してずっと座席に座っていたら、元町中華街駅だった方がおられたのではないか、余計なことも考えました。

私は、時々新千歳空港からリムジンバスを利用して、札幌市内の目的地に行くことがあります。新千歳空港午前9時前のバスで、この時間帯は、いつもガラガラです。

ある日、このバスの乗客は、私ひとりだったことがあり、バスが発車したら運転手の方が、「どこまで乗車されますか」と尋ねられました。私が答えますと、この日一切車内放送は無く、どこにも停車せず、私が降りる停留所まで、ノンストップで運んでいただけました。

リムジンバスは、空港を発車すると、途中乗車は無く、降車のみなので、お客さんの便宜を図ったのです。

これは、臨機応変の対応で、とても有難かったです。


しかし、多くの乗客が利用する大都市圏の公共交通機関では、臨機応変適宜の対応は難しいですね。
航空機に関しては、国内線しか利用しない私は、いったん乗ったら全員目的地は同じなのだから、機内サービスと言って、機内ではあれこれ放送しなくても良いのに、放っておいて欲しいと思う派です。

先の副都心線東横線は、どんな考え事情から、車内放送しなかったのかわかりません。

ただ、首都圏で生活する私にとって、日頃聞くでもない車内放送に、変に慣れてしまったのでしょうか、あの日の副都心線東横線での車内では、静かだったのに、何かいつもと違って落ち着かない感じがいたしました。


公共交通機関のサービスって、難しいですね。

 

教育委員会が、教職員に対して、懇親会の自粛を求めたそうです。

2015年5月15日
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福岡市内の公立校の教職員は、飲酒を伴う懇親会などの開催を、自粛しているそうです。

事のきっかけは4月20日、中央区天神で、夜尾灯が消えている車に居た福岡市立中学の教諭の呼気を調べたところ、基準値の2倍のアルコールが検出されて、道路交通法違反で逮捕されたことにあります。

同日福岡市教育委員会は、幼稚園長、小中高学校、特別支援学校の各校長会と 臨時に協議して、それぞれ一定期間の飲酒を伴う懇親会などの自粛を決めたのだそうです。

福岡大好き人間の私は、呆れました。

飲酒運転が悪であることは、何も被疑者が教員,公務員であろうとなかろうと当たり前。教育委員会が、学校長を集めて議論し、自粛を求めることなのしょうか。

これで思い出すのは、2012年6月、高島宗一郎福岡市長が、福岡市職員の飲酒運転の不祥事が続いたことを理由に、市職員約13000人に、1ヶ月間自宅外での禁酒を要請した件です。

これに対しては、市職員から、日本弁護士連合会に対して人権侵害救済の申し立てがなされ、2014年3月に、福岡県弁護士会は、「人権侵害に当たる違法な通知である」として、このような違法な通知しないよう、福岡市に対しては勧告書が出されたことであります。

今回は、市長直々の通知ではありませんが、教育委員会が決めたことは、なおタチが悪いと言わざるを得ません。教育委員会は、どちらを向いて、誰のために、何をしようとしているのでしょうか?

高島宗一郎市長は、元九州朝日放送のアナウンサーでしたが、民主党が推薦する当時の現職市長を破って2010年に福岡市長としては最年少の36歳で当選し、二期目の2014年の選挙では、開票前に当選確実が報道され、史上最高得票となる25万6000票あまりを獲得したある意味、何処かの市長とともに、露出度?が高い、また、安倍晋三内閣総理大臣とは親交が深いことで知られた方です。

一期目でも、7区ある福岡市の8番目の仮想行政区として『カワイイ区』を設置、また、福岡市の風物詩屋台に関しては、他人名義での営業は取り消すことを内容とする福岡市屋台基本条例を施行するなど、何かと目立つ政策をなさる方だと思います。いっぽうで、『思い付き行政』とか、『福岡城主気取り』なんて批判の声は、たまに福岡に行く私の耳に
 も入ってきます。

今回の教職員飲酒自粛は、新学期の懇親会などを当て込んでいた地元飲食店からは怨嗟の声です。

実際仕込みまでしていたのにキャンセルが相次ぎ、打撃は大きいと言われます。中には、教育委員会にキャンセル料を請求するわけにもいかないと嘆いた声も寄せられたそうです。
確かに、飲食店が打撃を被れば、市の財政にも影響あるでしょう。

識者は、世間に反省したような姿を見せるだけなら意味がないと批判的です。福岡市を愛する私も、そのとおりだと思います。市長は、良いことをしたと思っているのかもしれませんが、逆ですね。
福岡市職員は、また、飲酒運転をやったのか、懲りない都市だと世間は見ています。

『福岡って、酒しかないの?』と思われるでしょう。確かにそうかもしれませんが。度重なる部下の不祥事には、誰がどのように責任を取るべきか、

これはどこの世界でも難しいことのようです。

 

大阪都構想の結末いかんに関わらなく

2015年5月14日
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大阪都構想の可否を巡る住民投票は、17日に行われます。

 

現在の大阪市を解体し、5つの特別区を設けて大阪府を『都』とみなす構想で、これまでの大阪府大阪市の二重行政の無駄を省くことを目的とするものと言われます。

 

2012年に、『大都市地域特別区設置法』が制定され、人口200万人以上の政令市などが、住民投票を経て特別区に移行する仕組みができました。

地方自治の重要性から、国と離れて住民投票がなされる仕組みそのものは、悪いことではないでしょう。 さて、東京都民の私は、大阪都構想についてよくわからないところが多く、『地方自治』の観点から、この是非について、コメントは差し控えます。

 

私が関心を持ったのは、政府と与党、特に官邸と与党の地方支部との間の温度差であります。

 

大阪都構想が、橋下徹氏が提唱したが故の『混乱』であったと映ります。 当初大阪維新の党は、自由民主党を離党した議員も多く党員となって、この構想に賛成しました。

大阪府では力を持つと言われる公明党も、基本的に橋下氏に賛同しました。

橋下徹氏は、安倍晋三内閣総理大臣や菅義偉内閣官房長官と親しい間柄と言われ、政府与党も、少なくとも反対はしていなかったと思います。政府特に自民党は、橋下徹氏が憲法改正に理解があり、維新の党には改憲派が多いことから、橋下氏と共同歩調を取る姿勢だったことは明らかです。

 

ところが、自民党が巨大与党となり、安倍内閣の支持率が高状況が続くいっぽうで、維新の党の支持率が低下するようになり、政府与党態度が、微妙に変わりつつあったのです。

 

大阪では、維新橋下氏の影響力を無視出来ないと言う以上に、これに叛旗を翻したらやっていけない雰囲気があったのかもしれません。

 

ところが国政選挙や地方選挙の都度、自民党が圧勝する過程で、大阪でも、これまで不満を抱えていた自民党そして公明党の中で、本音が表われたのだと思います。

もう、国政与党の地方支部として、正々堂々対応する基盤ができたと言うことです。

 

こうして大阪では、自民党から共産党まで、『反維新』網ができ、大阪都構想の賛否は、投票直前の段階では拮抗していたと報道されました。 この動向に政府側から、個人的意見として、官邸の菅義偉官房長官が、「理解できない」と意見しました。地元の自民党が、共産党と一緒に反対集会なり開いたことを指すようです。

 

他方、前自民党総裁で、現在の自民党幹事長谷垣禎一氏は、大阪の自民党の活動を、同志が必死の活動をしているとして、シンパシーを送ると述べました。 安倍内閣としては、集団的自衛権に関する法案の審議が重要な折、橋下徹氏と袂を分かつようなあり方には、躊躇するといったところでしょう。

いっぽう党幹事長が、地元大阪の自民党員に対してエールを送るように、もう、安倍自民党の看板があれば、自由民主党であること自体で、ときに官邸すなわち安倍晋三内総理大臣の意向を気にしなくてもやっていけるようになったと言うことでしょうか。

 

これは、巨大与党が生んだ矛盾、あるいはブーメランかもしれません

 

でも、安倍晋三氏には心配にはおよびません。たとえ橋下氏氏が失速しても、もう公明党とは全ての擦り合わせがなり、政府は、この国会に、安全保障法制関連法案を提出できるようになりました。

 

公明党と言えば、平和と福祉の党として政界デビューを果たしました。

護憲でありながら、『加憲』を主張して久しいです。先に安倍晋三内閣総理大臣が訪米して、日本国民ではなく、アメリカ合衆国政府に約束してきた急ぎ成立をさせると言うこれら法案ーーある国会議員は、これを戦争法案と称しましたが、ーーは、明らかに専守防衛と言う日本の安全保障政策を、根底から転換する憲法上の議論を要する内容を含んでいます。

 

憲法改正の布石ともなりうると認識せざるを得ません。

 

憲法改正が現実化したとき、与党公明党は、これは憲法の改正ではなく憲法に書き加えたとでも言うのでしょうか。

 

そうだとすると、安倍内閣、官邸は、今回の大阪都構想の結果がどうであつても、橋下徹氏が破れて政界を引退しても、何の影響もないことになるのでしょう。

 

やはり巨大与党は強いですね。あの橋下徹さえ、飲み込もうとしているのですから。安倍晋三氏そして巨大与党には、ドローンはともかく、ブーメランなんてあり得ないと言ったところです。