きさらぎ法律事務所が、電話メールのみでの相談をしないわけ。

2015年5月4日
きさらぎ法律事務所では、事務所内での初回相談は、無料です。

相談時間の制限はありません。その理由は、ホームページにご案内しております。それと、電話メールのみでのこ相談は、受付しておりません。

ホームページをご覧いただいて、きさらぎ法律事務所のシステムに賛同していただき、有難く存じます。

ですが、ごくたまに、特に遠方の方より、どうしても電話で対応して欲しい、費用を負担しても良いとお申し出を受けることがございます。

しかしながら、これはお受けいたしておりません。もちろん、出張相談はお受けします。

事務所にお越しいただいて、お話をお聞きするときにも、しばしば思うのは、ご相談者は、ご自分が、そのときいちばん知りたい、期待する答えが欲しいのです。

それがご相談者にとって本当に意味のあることなのか、それで解決になるかは、私からいたしますと、Noのケースがほとんどです。

また、よく電話で言われるのは、急いでいる!です。これまた、ご相談者の受け取り方であって、私からいたしますと、そうではない、むしろ急いで何かをするものではないケースがほとんどです。

例えば、いついつまでに回答しなければならないとか、これこれをしなければならないのか?と言うケースは実に多いです。

この回答期限なるものは、相手方の都合で設定されているもので、そんなもの守らなくても何てことはありません。

そもそも、相手方が期待する回答をするおつもりなら、わざわざ相談する必要はないのであり、どちらにしても、相手方の希望通りにならないわけです。わざわざ『期限』を守ってNo回答をしたところで、相手は喜ぶはずはなく、問題の解決にはなり得ないでしょう。

また、仮に電話等で、ご質問に関する回答を得て、そのとおり対したからと言って、問題は解決するのでしょうか?例えば、話し合いに応じる義務があるのか、調停に出席しなければならないのか?

ご相談者は、嫌なのでしょう。嫌なことをする義務はありません。

30分無料相談でしたら、「調停に出る義務はない。嫌なら調停は不成立になるだけで、何も決まらない、義務付られない」と回答されるでしょう。

もちろん、それ自体は、誤りではありません。

しかし、それで問題は解決したのでしょうか?相手方は、諦めたのでしょうか。また、ご相談者の希望は叶えられ、もはや一切の不安は解消されたのでしょうか?私は、相手方からこう言われた、どう対応すれば良いかではないはずですと、しばしば申し上げます。

ご相談者自身、何をしたいのか、どうすべきだと思っているのか考えましょうと申し上げます。

相手の手の平に乗って、物事を考えてはならないと言うことであります。

これは、実社会でまさしく当てはまる事柄であります。
例えば、「他に代替するエネルギーが見当たらないから原発は必要だ」と言われます。この場合、「他に代替するエネルギーがないから」と言っているのは、相手方の主張に過ぎません。

論点は、原発がYesかNoのどちらかなのです。「危険な普天間基地の移転先は、辺野古沖しかない」は、もう繰り返し言われていることです。

普天間基地が危険で、基地返還を要することは誰も異論ありません。

問題は、誰が、なぜ、辺野古沖だと言っているのかの原点に立って、それなら何処かに移転しなければならないのか、その場所は、日本国民沖縄県民にとって何処が相応しいのかの観点から、論じられなければならないと言うことなのです。

要するに、相手が言ったことの範囲で、検討対応するのではなく、自主的に、自分は、本当はどうしたいのか、政治の世界で言えば、国富とは何かを考えていただきたいに尽きるのです。

 

GOアラウンドから学ぶ

2015年5月1日
テーマ 

先日、新千歳空港に最終の着陸態勢、すなわち、ファイナルアプローチに入ったJAL機が、GOアラウンド、すなわち、着陸のやり直しをしたことが報じられていました。

 

この便の機長によれば、管制官からは、着陸許可を得ていたが、先に着陸した他機が、まだ誘導路まで達していなくて、滑走路内に留まっている状況が目視できたので、安全のため、GOアラウンドしたと言うものです。

 

最近日本国内では、滑走路内に障害物?があって、接地しながらもGOアラウンドしたケースや、視界不良で、GOアラウンドすべきだったのに、着陸を強行?してあわや大惨事のケースがあったことから、このJAL機のコックピットは、念には念を入れ、安全には際限がない姿勢があったのでしょう。

まさにプロですね。

 

時期が時期だけに、ニュースになったのでしょう。 GOアラウンド、着陸復航は、意外となされていると思っています。

 

私が『落ち着く場所が指定席』と表現した福岡空港の飲食店で一杯やっていたときに、まさにその場面を目撃したことがあります。

 

ご承知のとおり福岡空港は、滑走路が1本で、世界一離発着の間隔が短い空港です。

 

まだ離陸のため滑走路に航空機が停止しているときに、着陸のため、かなり低空まで降りてきた別の航空機が、急遽上昇したことがありました。

着陸許可が取り消されたのか、コックピットの判断だったのかわかりませんが、確かにあのまま着陸を続けたら、危なかったでしょう。

 

かく言う私自身も、今年の2月、JAL機に搭乗して羽田空港に着陸寸前に、GOアラウンドの経験をしました。

 

この日は、もともと天候の影響で、かなりの揺れが予想されますとアナウンスされておりまして、福岡空港から離陸後、ほとんど揺れが続いており、ファイナルアプローチに入った旨CAさんからアナウンスがあった際、羽田空港周辺は悪天候のため、降下に際しては大きく揺れるますと(続けて、大きく揺れましても飛行の安全には全く影響ございませんとのアナウンスが)続けられていたものです。

 

この日、真ん中の真ん中に座っていたので、外は全く見えませんでしたが、中々着陸しないなと思っていたら、突然背もたれに押し付けられる感じの急上昇となったので、航空機慣れしている私でも驚いたものです。

 

と同時に、『GOアラウンドしたな。何か機体にーー着陸できないーー異常が起きたのでは?』と思わざるを得ませんでした。

機内はざわついておりまして、CAさんも、機体が急上昇したとアナウンスし、現在調査していると言いました。

実際は、機体等に異常はなく、強風のため、コックピットの判断で、安全のため、着陸をやり直したとの機長の説明がありました。

 

30分遅れての到着になりましたが、安全とは、一見無駄の積み重ねと思っている私は、機長の判断に敬意を評します。 ここで学ぶべきは、『やり直す勇気』だと思います。確かに30分遅れたら文句を言われかねないでしょう。

 

しかし、文句を言えるのも生きている証です。

 

きさらぎ法律事務所で、男女問題に関わらせていただく過程で、『やり直す勇気』を持っていただいたケースはございます。

 

さて、辺野古沖移転問題は、どうでしょう。なんで政府与党は、辺野古沖移転が唯一絶対の政策だと言い続けるのでしょう。私は、このままでは、沖縄県民との対立が拡がり、本当に、沖縄県の独立が言われ出すかもしれないと思っています。もともと沖縄県は独立国、明治時代の廃藩置県と同じに考えることができない『琉球処分』の歴史があることを忘れてはならないと思います。

 

あるカップルの結婚に寄せて

2015年4月30日
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先日こんな話題が、ある報道番組で紹介されました。中国のある男性が、とても可愛らしい女の子に一目惚れしたことから、話は始まります。

この男性、魅力的な彼女には、彼のように言い寄って来る男が多いから、彼女を奪われないようにするにはどうでしたら良いか悩みました。

「そうだ!」と思い立った彼は、要は、世の男性に、とてもこんな女の子は相手にされないようにすれば良いのだ!。そうするため、彼は、この彼女を太らせる大作戦を始めたのです。

その結果、作戦は成功し、1年間で50kgも増量でき、可愛らしい彼女は90kgとなり、彼が一目惚れしたときとは全く別人になって、無事2人は結婚できたと言うものであります。

体型にかなり問題がある私からいたしますと、太ったイコールブサイクかの主張には異議がありますが、当人が満足し、ゴールインしたのですから、お目出度いことであります。なぜこんな話題を出したかって?それは、夫婦男女に関する問題に対応する際、しばしば「こんなはずではなかった」「話が違う
!」なんて聞くことがあるからです。

結婚、法律上婚姻と言いますが、婚姻の意思、これは離婚の意思でも同じですが、それは、その届け出をするときに存在しなければなりません。よく、予め書いておいた離婚届を、後になってパートナーが提出した場合、「こんなはずではなかった」として、無効が主張されることがあります。結論から言えば、法律的には無効です。婚姻も離婚も、その届け出の際に、その意思があることが要件だからです。

これと似た例?「こんなはずではなかった!」は、弁護士業務の過程でよく遭遇します。例えば、「何処何処に勤務している、どれどれ資産があると信じて結婚したけれど、実際無職無収入で借金だらけだった」「妻とはもう長年他人同然、直ぐに離婚すると言っていたのに、全然奥さんと離婚する気配がない」等等です。

さて、この答えは、先の中国のカップルにあります。この男性、妻となった女性に好意を抱いた動機は、世の男性が虜になるような彼女の可愛らしさでした。しかし、彼は、90kgになった彼女と婚姻したのです。

つまり、この男性、90kgの彼女が好きだったと言うことです。であれば当然、後になって妻が可愛いくない、デブになったから離婚なんて主張は認められません。誠にお目出度いことです。

そこで先ほどの例に戻れば、前者は、『婚姻を継続し難い重大な事由』があると言えそうです。確かに財産の有無等は、婚姻の有無を決する動機に過ぎず、「話が違う!」から婚姻は無効とはなりません。また、そんな?動機で結婚を決めることにも、いろいろな意見はありそうです。しかし、もはや婚姻生活の継続は困難でしょう。

後者はどうでしょう。

このケース、世の男性の常套文句であることは、ここでは議論しません。興味を持っていただけましたならば、きさらぎ法律事務所のホームページ『離婚男女問題』のコーナーに、A.B.C事例として、福本悟の基本的な考えが記されておりますので、ご一読ください。


ここでの問題は、ご不満な彼女、この男性に、何か請求できるのかでしょう。


これはNoですね。だって、現時点で、彼は離婚していないからです。他人の婚姻関係に、他人が、「別れろ」なんて口出しすることは許されません。

こんな事例ばかり………だけではありませんが、………目にしている私からいたしますと、冒頭の中国のカップルの幸せを願わずにはおられません。

国会議員にも、表現の自由はあると仰いましたが。

2015年4月29日
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政府与党が放送法を盾に、NHKとテレビ朝日の関係者を呼び出して『調査』をしたことは、表現の自由、国民の知る権利の観点から、見過ごすことはできないと考えます。

一部報道機関を除いて、ジャーナリストのほとんどが、私見と同様だと思っています。


不偏不党公正中立は、権力の介入を許さない、報道機関の自主的規律を意味するものであります。ある新聞社の海外支局長が、日本国内での多くの報道機関の叫びを受けて、訴追後帰国が許された件では、わざわざ当人を官邸に招いてその労をねぎらったことと、対をなしていると感じます。

さて、表現の自由、言論の自由の観点から、最近もうひとつ見過ごすことができない事実があります。


安倍内閣は、連休明けにも、先に閣議決定した集団的自衛権行使容認を具体化する一連の法案を、国会に提出する予定です。この19くらいにもなると言われる法案に反対する立場の野党議員が、これらを『戦争法案』と表現したことに噛み付いて、与党側は、これの撤回を求めている件です。

これまで、国会議員や国務大臣の失言、放言は数限りなくありました。与党側は、あたかも政府与党が提出する法案は、戦争をするものであるかに揶揄し、レッテル貼りするもので許されないと仰っております。確かに、政府与党は、まして、自民党や安倍内閣を支持する方々も、積極的に戦争したいとは、お考えではないでしょう。

問題は、『戦闘地域』に行き、同盟国を『軍事支援』することが、戦争に巻き込まれることに繋がるのでは?と言う不安です。実際安倍首相は、自衛隊が戦闘地域に行って攻撃を受けたら、武器の使用をすることになると、国会で答弁しました。殺し殺されることは、戦争の本質ではありませんか。

集団的自衛権を発動するかどうかは、政府の判断でなされます。現時点では、『平和の党』を標榜して与党側に位置する政党が、自衛隊の派遣は、常に国会の事前承認を要すると主張しておりますが、そうだとしても、巨大与党の現実からして、結局承認手続に数日要するだけで、同盟国が現に行っている戦争に、参戦することになるでしょう。


先のイラク戦争は、大量破壊兵器を保持するサダムフセイン大統領率いるイラクの脅威から、国際社会を守るためと言う大義名分で、アメリカ合衆国が、『先制攻撃』して引き起こされました。ところが、アメリカ自身が、大量破壊兵器は存在せず、イラク戦争の大義はなかったと誤りを認めているのです。

同盟国が現に行っているどんな戦争に、集団的自衛権を発動して軍事支援するのかの点について、安倍首相は、「個別具体的、総合的に判断する」と答弁しています。仮に、同盟国が先制攻撃を仕掛けた戦争の『戦闘地域』に行って『後方支援』ではなく、今度は『軍事支援』したら、自衛隊員に被害が生じるに留まらず、『戦闘地域』から遠く離れた『同盟国』自体ではなく、その基地等を提供する日本国そのものが、攻撃にさらされる危険性があるのです。

さて、これらを推進する立法について、『戦争法案』と表現することが、それほどこの法案の実態に反しているとは、少なくとも戦後世代で憲法を学び、その恩恵に浴している私からは思えません、それではなんと表現いたしますか。


それはそれとして、より本質的な問題は、国会議員が、国会委員会でなした発言について、同じ国会議員が問題にしていることです。国会こそ国民を代表する国権の最高機関ではありませんか。多種多様な国民の意見を出し合い、議論するのは当然だと考えます。だからこそ、国会議員には、憲法上免責特権が認めれているのです。

時として国会では聞くに耐えないヤジや暴言が飛び出します。

昨年国会の委員会で、結婚や出産をしない女性議員に対して、ヤジを飛ばした議員が、後日謝罪しました。

もっとも、国会の委員会に、答弁のため出席を求められた内閣を構成するある大臣が、議員の質問とはなんの関係もないのに、この議員が所属する政党は、かつて日教組から金員を得ていたからと言う理由で、突然『日教組!』と叫んだことについて、寄付金他は一切授受はなく、完全な誤認であったことが判明した後も、その発言、否ヤジに関して、責任を問われたとは聞いたことがありません。


国会議員の先生方の国会での発言の基準は、わかりかねるものであります。

 

プロがプロの力を発揮するとき

2015年4月28日
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4月14日夜、広島空港で起きたアシアナ航空の着陸失敗事故について、先日客室乗務員の不手際を言いました。
プロはプロでありなが ら、そのプロが統合失調症、当時の言い方で、精神分裂病だったため発生したのが、1882年(昭和57年)2月9日に起きた日航機羽田沖 墜落事故でした。この事故では、亡くなった方がおられますが、この機長は、いち早く救命ボートで脱した姿が、テレビで全国放映されまし た。昨年韓国珍島で起きたセウォル号の遭難と似ています。
今年は、航空機が関連する事故や危機が多いような気します。
ジャーマンウイングスの事故と言うか事件の後も、先日は、徳島空港であ わやの事態が起き、そして広島空港の事故です。日航機羽田沖事故の翌年は、冷戦の中『大韓航空機撃墜事件』が起き、日本人の犠牲者も出ま した。
その2年後の1985年(昭和60年)8月12日、単独機の事故としては、世界最悪とされた日 航ジャンボ機のあの事故でした。
でも、子どもの記憶として残っている怖い年がありました。私が子供時代の1966年(昭和41年)には、 立て続けに日本国内で、重大事故が起きています。
雪まつりの札幌から、羽田に向かった当時最新鋭と言われた全日空ボーイング727型機が、忽然と羽田沖に墜落した事故では、搭乗者 全員が亡くなりました。
この事故は、結局事故原因は不明と結論づけられたのですが、当時単独機の事故としては、世界最悪の事故となったの でした。その1ヶ月後の3月4日には、カナダ太平洋航空機が、羽田空港への着陸に失敗して多くの人命が失われ、なんとその翌日の3月5日 には、英国海外航空のボーイング707型機が、富士山上空で乱気流に巻き込まれて空中分解し、全員死亡した事故がありました。
さらにこの 年の秋には、全日空YS11型プロペラ機が、松山空港近くの海に墜落して、こちらも全員亡くなると言う痛ましい事故が相次いだ魔の年と なったのです。
嫌なことが続くと思ってしまうと、マイナス思考になりがちですが、門外漢の私がこんなことに気づいているのですから、プロの皆様 は、とっくに対応しておられるはずです。
実際、1966年のあの辛い苦しい時期を乗り越えたANAホールディングスは、安全性では世界に 冠たる航空会社になりました。また、その後乗客が亡くなる事故は、例の日航機羽田沖墜落事故まで、国内では発生したことはなかったはずで す。
ですから、今回の広島空港でのあわや大惨事の事故は、プロの皆様に、さらなる緊張と使命感を鼓舞し、安全安心を確実にする契機となっ たと思います。
マスコミ報道では、今回広島空港での事故の状況が明らかになるに従い、大惨事にならなかったのは不幸中の幸いと論じられています。
その表現はともかく、私は、負傷し、恐怖を味わされた方々にはすまないと思いつつも、これまたプロが歴史に学び、初心に帰ってプロたるゆ えんを発揮するギリギリの『天(空)からの思し召し』ではないかと捉えている次第です。
負傷した方のご回復と、事故に遭われた皆様のメン タルのケアーがなされますよう願うものです。