『〇〇に強い弁護士』かどうかは誰が決め、どうしてわかるのでしょうか?

2016年8月31日
きさらぎ法律事務所に相談の申し込みをされる際に受けるご質問と、私からのお尋ねに関して、前回この『ひとりごと』に書きました。第1回目となる前回は、電話やメールで回答を得ようとする方がいらっしゃることと、相談前に費用を仰る方がおられることを申しました。

今日は、もう一つ電話で申し込みを受けた際に少なからず受けるご質問と、これに対して私からお答えすることを申し上げます。

申し込みの段階で受けるご質問であるのは、『〇〇は得意ですか?』『〇〇に強い弁護士を探しているのですが…』であります。

相談者からすると、ご自身の問題を解決してくれる弁護士に巡り会いたいのは当然であり、強い、得意を求めるのでしょう。でも、『強いですか?』『得意ですか?』と問われて、『強くありません』って答える弁護士がいるでしょうか?最近のネット社会では、探す側に情報は発信されているので、少なくとも全く経験がない、信用できない弁護士のところには、アプローチなされないと思います。

つまり、相談申し込みされるときに、ある程度『強い』『得意』なんだろうなの前提があるはずです。きさらぎ法律事務所の、ホームページをご覧になって相談申し込みされた方から受けた相談内容で、過去私が全く経験したことがない、担当したことがないジャンルがあったことはございません。例えば、外国との渉外取引等、英語を話せるかどうか、相談をする段階で分かっているので、私が経験しないようなジャンルの相談申し込みはあり得ないです。

さて、ここで注意を要するのは、『強い』『得意』は、当の弁護士が、そのように自分をアピールしていると言うことです。実際得意かどうかなんて、弁護士会に試験があるわけではありませんし、他と比べようがありません。

消費者被害で誇大広告、虚偽広告や、重要事項の不告知等が指摘されますが、事業者である弁護士には、適用されないんですかね。ーーされますよ㊙︎……。お客さんをゲットするのはたいへんですからね。

きさらぎ法律事務所のホームページをご覧になった方は、

お気づきになったでしょう。私弁護士福本悟は、得意とか強いなんて書いてないです。取扱い業務や経歴、あるいは『ご相談者の声』で、いくらか、なんとなく「この弁護士は、こんな事案をよくやっているんだな」と感じ取られるのだと思われます。経歴の一つとして、司法委員、民事調停委員の経験談をご案内し、旧ホームページにあった『離婚、男女問題』を構成の都合上引っ張ってまいりました。

ちなみに、弁護士会の数年前の
アンケート調査によると、弁護士に相談を希望される案件のトップは、離婚事案と発表されていました。とするなら、弁護士を数年やっていれば、離婚事案を経験しない人はおられないのではないでしょうか。でも、ひとつでもやれば、得意かどうかはわからないですね。

私は、電話等で『得意ですか』『強いですか』と聞かれたら、得意とか強いなんて考えたことありませんが、「この種案件は、30数年の弁護士歴で、経験させていただいております。」とお答えします。私にとりまして、経験こそ他の多くの弁護士が持っていない『強み』、すなわち依頼者にとっての武器たり得るのではと思っています。

もっとも電話でのお答えとしては、得意かどうかの問い合わせについては、経験はあります以上のことは申し上げません。でも実際、『強い』とか『得意』を標榜している法律事務所の弁護士より、依頼者にとって、『解決』を齎す経験に裏付けられた実務能力はあると思っています。ただ、初回無料相談を受けられるために面談するまでは、これを言わないだけです。

それと、これまた経験から言えることがあります。概して『強い』『得意』を予め仰って相談にお越しになった方は、意外と受任率が低い、すなわち委任を受けることが少ないのです。なぜか、それは『得意』とか『強い』を執拗に求め、拘る方は、自分の意のまま、すなわち、どうしてもその希望とおりの100%を追い続けるがゆえに、事案の収め処を見据えた私が示した解決を、目指そうとなさらないと思われるからです。

つまり、納得されていないのです。より端的に言えば、自分の言うがまま、言いなりになる弁護士を探しているのです。これは、『強い』『得意』とは違いますね。

以前この『ひとりごと』に書きましたが、きさらぎ法律事務所にいらっしゃる方で、既に弁護士に対して具体的事件を依頼なさっているケースが少なくありません。かつて申しましたが、セカンドオピニオンはございません。

依頼されている先生との間に不信感が生まれるような相談対応はできません。基本的に受任弁護士を褒める話になるわけですが、その弁護士に依頼した動機は、『強い』『得意』と書いてあったから任せたと言われることが実に多いですね。

これは、強いとか言っている弁護士に投げておけば、自分の思い通りになる、あるいは、どうして良いか分からないが、得意と言っている弁護士に投げておけば、自分にとって良い解決をしてくれるはずだとの思いから、やってしまうことだと感じます。それで思うに任せず、あるいはどうなっているのかわからない、今となって「どうしますか?」と言われて困ったと言われるケースとなるのです。これは、依頼する弁護士と時間をかけてよく話をし、どうしたいかではなく、どうすべきか、何を目指すのか、それが自分にとって次善の策、全体に終止符を打つ収め処として受け入れることができるのか、弁護士と一緒に考え、信頼関係を持ってやり通す、絶対にブレないか自問自答した上で、委任されるべきだと言うことであります。

これは得意かどうかではなく、あなたを解決まで導く、一緒にやり遂げる弁護士は、じっくりしっかり見極めなければならないこと、それは電話で強いかどうか『確認』できるものではないし、そもそもあなたの思っている、抱いている『強い』が間違いの元、解決のために最初に払拭すべき事柄なのかもしれません。

電話メールでの相談は、お受けいたしません。私は、これが得意だとは申しません。経験があるとは申します。全てはお会いしてからスタートです。だから初回の相談料は頂戴しておりません。

初回相談で、落とし所を目指す処を押さえ、解決までの道筋をご案内できます。あとはご依頼されるかどうかです。『強い』かどうか、『得意』かどうかは、電話やメールでは分かりかねると思います。きさらぎ法律事務所にお越しになって、お話を聞かせてください。

弁護士に相談しよう!と決めた問題は、電話やメールで簡単に解決するものではないはずです。

2016年8月29日
きさらぎ法律事務所では、事務所内での初回の相談料は無料で、相談時間の制限を設けておりません。

また、電話メールのみでの相談は、お受けしておりません。きさらぎ法律事務所のホームページその他で、既にこのシステムを知っておられる方で、相談の申し込みをなさった段階で質問を受けたり、ごく稀に、私からお尋ねすることがあります。今日はまず、『質問』を受けた場合をお話します。

若いころからいつも思っていたのは、電話メールのみでの『法律相談』はあり得ないと言うことです。それは、法律知識を差し上げるガイドにしかなり得ないのです。皆さん、そのときご自分が一番知りたいことを聞きたいのです。そして、自分が期待する答えが欲しいのです。その前提でご質問されて、短時間で応答するなら、ストーレトに『Yes』『No』しか申せません。

しかし、それを聞いたからどうなるものでもないはずです。実際に、ご自分が電話なりで、弁護士から聞いた『結論』を、トラブルとなっている相手に言ったところで、「はい、わかりました」とはならないでしょう。要するに、解決にら至らないと言うことです。

きさらぎ法律事務所に電話を架けて来られて、例えば「ちょっとだけ良いですか」とか、「電話で済むことなんですが」とか言われる方がおります。この方々は、弁護士福本悟を買い被っておられます。ホームページ等をご覧になって、私が解決までの法律相談を心掛けていることをご承知の上で、事務所に来ることなく、簡単に解決してしまいたいとお考えです。

しかしながら、どんな案件でも、事務所等で面談して、時間をとってお話しない限り、『解決』する法律問題はありません。私はスーパーマンではありません。そもそも電話で済ませられると考えておられることが問題です。

また、メールで相談申し込みをされるにあたり、ときに『質問』が書かれていることがあります。私は、面談するまでお答えしません。これも簡単に済ませられるとの勘違いがあるわけですが、質問の前提事実はわかりませんし、そもそもその質問が、解決につながるかわからないです。裁判所の司法委員を務めているとき、よく弁護士に依頼していない本人訴訟に臨んでおられる方が、『弁護士がそう言った』と言われることがあります。

たいていは、その事案の解決につながらない、端的に言ってその方の独りよがりな観点からの質問について30分無料相談あたりの弁護士の回答を持って来られます。でも、割と強く、確信を持って弁護士が…と言われる方には、「それならその先生を連れて来てください」と申し上げます。単に聞かれたことを答えただけではない、この回答により解決になると弁護士が判断したのであれば、受任します。放っておけないのも、また専門職弁護士の習性です。

相談申し込みをされた方から指定がない限り、電話であれメールであれ、初回無料相談の日程については、全て私が折り返し電話しての決めます。その折、どんな相談なのかなんて聞きません。とにかく事務所に来ていただいてからであります。この点、「本当に先生は、何も聞かれないんだ」と依頼者とかなられた方から言われることがあります。

人間会ってからスタートです。顔を合わさないうちに、あれこれ言われて、信頼できますか?とも言えましょう。

『質問』で多いのは、「〇〇は得意ですか?」と、「費用はいくらですか?」があります。費用については、初回の相談料は無料ですが、本当に無料なのかと訝しがる方もおられます。でも、そんな質問をされる方のほとんどは、弁護士が関わって事件処理する場合、どれくらいお金がかかるのかと言う不安があるのだと思われます。

でも、よく考えてください。

どんな相談内容か、何をしたら良いのか、そもそも依頼を受けられるのか全くわからないのに、どれくらい費用がかかるかわかりようがありません。ですから初回無料相談なのです。相談を受ける前、顔を会われせる前には、「初回の相談料入りません。相談後、何をするか方向性が決まって、だいたいの弁護士費用の説明ができます。そのとき説めきいたします。」と言うに留まります。これだけお金がかかるならやらない、すなわち権利侵害を受けている、助かりたい!のであっても、弁護士に依頼することはない、だから相談しても意味がないとお考えであれば、本当に悲しく辛いことです。

少なくともこれこれをやると決めて、相談者が依頼の意思を表明された場合、費用がネックで依頼をお断りしたことはありません。お金なんてどうだってなるんです。費用を最初に言われる方は、実はその件に関して困っていないか、その希望要求が、いわゆる無理筋、すなわち到底通らない案件なのです。とにかくお会いするまで、お金の話はいたしません。初回無料相談を受けれられた方で、法的対処が必要だと判断した場合ーーほとんどがそうですーーは、これからやるべき事項の費用の説明はいたしますし、弁護士会の報酬会規をお渡しします。

それで、依頼の有無を検討していただくべく、持ち帰っていただくのです。

きさらぎ法律事務所では、出張相談も、訪問相談も行います。ですから、そちらに行けないから電話で……は通りません。

電話で済ませたいとお考えの方は、本当は困っていないか、逆に深刻な事態であることを飲み込めず安く、あるいは簡単に済ませたいとの間違いをしているのです。

電話で済むのはガイド程度であり、それは解決にならないどころか逆効果にもなります。このとおり私のほうから、相談の申し込みを受けた段階で、特にお話することはなく、とにかく事務所に来てもらい、お話を伺うことからスタートなのです。顔を合わすことで、信頼関係は生まれるはずです。

 

きさらぎ法律事務所にいらして「こうだ!」と納得して帰られたのに、委任契約締結に至らないケースがあるのです。

2016年8月24日

きさらぎ法律事務所では、事務所内での初回相談は無料で、相談時間の制限を設けておりません。

 

じっくりしっかりお話を聞いて、できるかどうかでなく、何をすべきかを一緒に考えます。

 

お話しをされることで、溜まっていた憤懣葛藤は取り除かれ、これまで見えにくかった本当の問題点、そして相応しい解決策がきっと見つかります。

 

おそらく、これまでの相談の結果と違った何かを感じ取られるはずです。私は、解決のための法律相談、すなわち、相談者が依頼者となり、この方の事件を受任する前提で対応いたします。 こうして法律相談を受けて、見えてきた問題点、目指すところの終着点、落とし処がわかっても、この日は持ち帰っていただいて、改めて委任契約を締結します。

それは経験上ほとんどの方が、これまでとは違うと感じられているので、その熱っぽい状態を持ち帰って冷まして、なおこれで良い、この弁護士の勧めた道筋でやっていこうと思えるか、自分の頭で整理して、さらに考え、実としていただきたいからです。今日お話しするのは、きさらぎ法律事務所で、わかった、やりたいと、理解したつもりで持ち帰りながら、そのままになっている、あるいは、はっきりしない方々がおられることについてです。

 

まさしくだからこそ、初回相談のその場では、ご依頼は受けないのです。

相談を終えるとき、私のほうから申し上げることがあります。これは弁護士福本悟の考え、進め方であり、もちろん法律的回答として間違ったことは言っていないけれども、別のやり方進め方もあるかもしれない、別の弁護士の相談を受けて検討することは良いことだと。これは決して自信がないからではありません。

 

やりたくないからではではありません。

相談者は、私の説明にわかったような感じに見受けられるけれども、本当はまだ拘っている、諦めていない、はっきりしない、要するに、ブレるかもしれないと感じたときに申し上げることが多いです。

 

ただし、はっきり言っておくことは、本件は、法律問題であること、だから今後相談したり、意見を求める相手は、弁護士に限ると言うことです。特に離婚男女問題、親族相続問題には、強く申し上げることです。それは法律事務所を訪ねる、弁護士に依頼するというのは、当事者にとっては、大きな階段を登ったわけであり、そして相談した弁護士からこれこれをすべき、しようと言われて決意したのは、さらに大きな決断のはずです。

 

これまで相談者は悩み苦しんできたけれども、この大きな橋を渡ろうとしている、もう大丈夫、安心されようとしています。そんなとき、後戻りをさせることは、あってはならないのです。 しかしながら、この相談者当事者に余計なことを吹き込み、混乱させる人がおります。それは勤務先上司であったり、親であったりです。決まって言われるのは、「そんな問題、弁護士に頼む問題ではない」「もっと相手方とよく話し合いしなさい」等等です。中には「費用がもったいない」もあります。

 

ご自分が出捐するわけでもないのに。 例えば勤務先でセクハラにあった、男女の関係にあったのに、酷い仕打ちを受けた等では、勤務先は、その立場を守りたい、こんなこと!が裁判所等で露わにされたくないと考えます。それは、当事者のためではなく、会社のためです。離婚等で、親や親戚が口出しすることがあります。そんなケースは、当事者の婚姻関係等がおかしくなったのは、さもあらなんと感じるわけですが、相談者が、相談後親等関係者に報告したら、弁護士に依頼することを引き止めれたと言うケースは実に多いですね。

 

男女の問題は法律問題、当事者間では解決できません。

 

これは30年以上この種案件に関わった者の確信です。だいたい自分では解決できない、もう当事者間では話し合いなんて無理だと観念したから、弁護士事務所に来られたはずです。弁護士以外の人に改めて相談してどうするのですか。 これはかつて破産事件でもあったことですが、要するに親として、家として世間体が悪いとの思いから、無用な口出しをするのです。

 

金を払えないのに、親が出すわけでもないのにーーもっとも、親が出したら、本当の意味で解決にはなりませんがーーそれではどうすれば解決するのでょう。そもそも困っている、助けを求めている人に、みっもともないはあり得ません。 ときに親などに説明しなければならないので……と仰る方もおります。そんなとき、これまでいろいろあって辛かったけれどももう大丈夫、弁護士さんの言うとおりにやっていれば解決できるのだとだけ説明するよう申します。

 

つまり、法的にはどーにもならないこと、意味のないことを相変わらずあーだこーだと言われも何の意味もないのです。親の役割、友人の役割、弁護士の役割、それぞれあるのです。法律問題については弁護士の仕事です。ですから、それでも他の方向を向く、例えば友人とか親の意見に従うならば、その人にとっては、その人の受け取り方としては、まだ法律問題ではなかったと言うことです。そんな場面に、私が出て行く必要はないのです。

 

これは統計を取ったわけではありませんが、初回無料相談にお越しになって、私がこれこれをやろう、これで解決するとご提案した方の受任率、すなわち委任契約を締結する割合は、かなり高いと思っています。それは、まずほとんどの方が、ご自分が期待していた答えは得られなかった、しかし解決のためにこうしようと示された、じっくり考えてそうしようと思える方が少なくないことを意味します。

 

解決のため法律相談、それは相談者の期待する答えを出し、それを実現しようとすることではない、要するに弁護士は、相談者、依頼者のいいなりになってはならないと考えていることに通じるものです。

 

こうして日々いろいろな方と会い、私も学ばせていただいているのです。きさらぎ法律事務所にいらして、あなたのお話を聞かせてください。

 

他の弁護士に具体的事件を依頼しているのに、きさらぎ法律事務所にいらっしゃるのはなぜかーー福本悟のひとりごとです。

2016年8月16日

弁護士に登録して31年が経過し、今年8月には、50代最後の誕生日を迎えました。

 

私たちが司法試験を受験していたころは、司法研修所の規模がその理由とされるのですが、毎年合格者は500名以内、私が合格した昭和57年は、確か457名でした。

 

現在は、法科大学院を履修するのが司法試験の受験資格となり、裕福な人か、社会人になった後に、受験時代の借金の返済をする人が、法曹資格を得た人の大半となりりました。それでこれが嫌なために、一部では抜け道なんて言われている予備試験を受験して合格、司法試験受験資格を取得する道も、奨めれれている現状です。

 

こうして法曹を希望する人そのものは減っているのに、弁護士の数だけ増えることから、様々な弊害が、指摘されているようです。 数が増えれば競争が活発化して質が上がると言われていました。未だそんな見解が、幅をきかせていないことはありませんが、政府与党ですら、返って質が低下したと言う立場に寄っていて、人口に限りませんが、法曹教育に対して、ここ数年見直しが言われてるいる実情です。

 

競争と質の問題は、ここでは論じません。私が言っていたことは唯一つ、人の生命や権利を預かる仕事には、競争原理を入れてはならないと言うことです。 質の低下を言われることは、仮にそうであったとしても、そうしたのは弁護士会や個々の弁護士だけの責任なのかと反撥したい思いはあります。

 

法曹人口法曹教育もまた、法律で決められました。それよりも、国会議員のほうが、質が低下したと思うのですが、それも今日は言いません。今日お話しするのは、きさらぎ法律事務所を訪れるご相談者から感じるベテラン?弁護士のひとりごとであります。 平成16年に、終戦直後から存在していた日本弁護士連合会の弁護士報酬規定が撤廃されました。

 

 

つまり、弁護士と相談者依頼者を拘束されていた規約はなくなり、弁護士と依頼者で、弁護士費用は自由に決めて良いとなったのです。この報酬や原則的な広告宣伝の自由化が、いくらか質の低下に影響していると思いますが、これを決めた弁護士会が言えるものではありません。きさらぎ法律事務所は、初回の事務所での相談料は無料で、相談時間の制限は設けておりません。

 

これは私福本悟が弁護士十数年を経て、そうすべきだと確信して行っていることではありますが、弁護士業務、法的サービスが有償であることからすると、『無料』は、この報酬自由化により可能となったことは否定できません。この『初回無料相談』で感じることは、これまできさらぎ法律事務所のホームページその他で述べてはおりますが、有り難いことに、この『ひとりごと』をご覧くださる固定のお客様もおられますので、ちょっと書いてみます。

 

ホームページをご覧になって、きさらぎ法律事務所を訪れる方は、そのほとんどが、他の弁護士による相談を経ておられます。それは、きさらぎ法律事務所が、個人事務所であり、宣伝費用などかけられないため、インターネット上で、いろいろ検索用語を入れても、上位に出てることは少ないからではあります。要するに、なかなか知ってもらえないからです。でも、相談に伺った事務所、弁護士さんの回答に満足し、これで解決になると思われたなら、またあの面倒なインターネットをいじって弁護士を検索する必要はないですね。

 

つまり、ご相談者の満足を与えていない、解決になっていないからなのです。私は、解決までの法律相談を心がけております。つまり、単に数時間話しただけで解決することはない、相談は解決までの筋道を立てたものでなければならない、要は、相談後ご依頼を受けることを前提にした相談対応をしているのです。

 

ですから最初は、ご自分が期待した答えが得られないことがほとんどで、諦めかけていたときに、それではどうする、次善の策、ベターなやり方は何かを押さえて、ご依頼を受けるかたちになるのです。 そんな日常で、このところ年々増えているのは、既に事件処理を弁護士に依頼されておりながら、例えば訴訟や調停が係属中に、ご相談に見えられる方が実に多くなっていることです。

 

あからさまに委任した弁護士に対する不満を言う方もおられます。でもそのほとんどが、弁護士を頼んだけれども、このままで解決するのか、あるいは何をやりたいか、この先どうすべきかわからないとの不安を言われて相談に来られるケースです。中には、『セカンドオピニオン』で来ましたと仰る方も。

 

ます申し上げたいのは、既に弁護士に依頼されている方は、『セカンドオピニオン』はありません。その弁護士先生に依頼して解決されるのか、その弁護士先生との委任契約を解除するかのどちらかです。私たち弁護士は、他の弁護士、これを同僚と表現しますが、これがいらっしゃるケースでは、具体的な相談にお答えすることは、倫理規定上他人の受任事件を奪う、あるいは、自己への依頼を勧誘するものとして、禁止されています。相談者にお答えすることで、受任弁護士への信頼は損なわれる恐れが生じるでしょう。

 

ですから、既に弁護士がついていながら、初回無料相談を希望される方には、具体的な回答は出来ない、一般論しか申せないとハッキリご説明いたします。それでも相談に見えられるのです。私ども弁護士の立場からいたしますと、以前は、弁護士と信頼関係が損なわれたケースは、ほとんどが相談者依頼者側に問題があるとの認識でした。これは、上から目線と言われるでしょうが、最近は、そんなケースは少ないと感じます。それなら受任弁護士が悪いのかと言えば、そうだとも言い切れない面はあるのです。 つまり、弁護士の数が増え、広告宣伝も自由になり、相談者から選ばれる時代になったのは良いけれど、その選び方は、あくまで与えられ、ゲットした情報をもとに、ご相談者において決めなければならないからだと思っています。

 

例えば、『離婚に強い弁護士』なんて検索用語を入れると、それは宣伝費用をかけた事務所がたくさん出てきます。私は、古い弁護士ですから、「何が得意ですか?」と問われても、「特にありません」とお答えします。ただし、これこれの事案は扱ったことがある事実はお伝えします。実際きさらぎ法律事務所にお越しなった方に対しては、ひととおり黙ってお話しを聞いた後は、自分の経験しかお話ししません。なぜなら、ほとんどの方が既に法律的な回答を得ていた、あるいはご自分で調べているからです。

 

ご相談者に詳しくお話をお聞きしますと、どうすればよいか、よくわからないままスタートした、依頼してしまった、それは、〇〇に強いと書いてあったから、任せておけばよいだろうの思いがあったと言われます。確かに相談者、すなわち依頼者となる方の着地点収め処を押さえて、そこに行き着くように進めて行くのが弁護士であり、私が心がけていることです。

 

でも実際、〇〇が得意、強いにつられて頼んだときには、相談者がそのとき質問した、希望したことが可能かどうかで受任したのであり、当面はそれで良かったとしても、本当の解決になったのか、返ってそんなことをしたために、別のところで問題がおきてしまったことも、ありうるのです。

 

大切なことは、今目の前にあることだけを、ご自分の視点でなんとかしたいの思いで弁護士を選択する、依頼を決めてしまうのではなく、むしろ自分が期待する答えと反対の回答が出される可能性を考えて、弁護士を選択されたいことです。 どうしてこんなことになるのか、中には、強い、得意と言ったではないかと私の前で、依頼中の弁護士に対する批判ばかりする方もおられました。でも、選んだのはご自身です。できるかどうかではなく、すべきかどうかです。

 

そんなところまで掘り下げて、真に依頼者のためを考えて対応する弁護士は、得意強いなんて空手形を切るのではなく、じっくり話を聞いてくれます。きさらぎ法律事務所にお越しになって、弁護士福本悟に依頼された方ほとんどが、最初は、期待する答えがもらえなかった、怖かった、怒られた?と言われます。

 

それは、私が、弁護士は、相談者におべんちゃらを使ったり、依頼者のいいなりになってはならないと考えているからです。じっくりお話を伺い、それは無理、すべきではない、ではどうするか、一緒に考えていくからです。私からすると、相談者依頼者のいいなりになる弁護士が増え続けることが、まさしく質の低下なのですが、近時は、相談者依頼者側でもそれに気づかれたのか、先のとおり、本当にこの先生大丈夫?の感覚から、セカンドオピニオンを求めるケースが増えていると感じます。

 

でも、具体的事件を弁護士に依頼されている間は、セカンドオピニオンはありません。もちろん、ご自分の判断で、委任契約を締結している弁護士を解任して、白紙の状態から新たな弁護士を選ぶことは可能ですし、実際そんなケースで、ご依頼を受けた経験はあります。

 

挽回するのに、とても苦労しました。

 

ですから、決して〇〇に強い、〇〇が得意につられずに、自分の目で、実際複数の弁護士と会い、依頼を決めて欲しいと願っています。

 

今日もまた、そんなご相談者がいらっしゃった福本悟の願いを込めたひとりごとであります。

いつも言います。福本悟は、男女の問題を露わにすることにはどうしても馴染めません。

2016年6月23日
きさらぎ法律事務所では、男女に関する法律問題を担当することはかなりございます。離婚事件は、男女が婚姻していることが前提になります。内縁関係も、婚姻届けは出していないけれども、生活、経済は、夫婦と同じと見られる実態があります。そうではない男女、これは婚姻外男女関係と言いますが、これが実に多いのです。

なぜ福本に?はともかく、昔なら、こんなの法律問題じゃないとして、相談すらなされなかったような事案でも、私たち法律専門家が入ることにより解決したい、解決できるのだとの市井の声が高まったようで、喜ばしいことです。トラブルが増えた、あるいは権利意識が変わったというものではないのです。

婚姻外男女問題、いろいろあります。婚姻あるいは内縁のように約束、契約関係があるとは限らない、規律する、当てはまる法規がないがゆえに、難しいと言えます。それはときとして人間性が試される、人柄が表れるとでも言うしかない解決に至ることもあります。こんなとき、弁護士と依頼者の信頼関係が基本であり、力だと思うのです。

マスコミを賑わしたり、テレビドラマの世界とはおよそ異なる生の世界、依頼者にしかこの経験はない現実があります。ですから、例えば不倫したとか、性的行為がどうだとか、誰と誰が別れてなんだとか、マスコミが取り上げて騒いでいる『事件』ホントどーでもよいと思うことがほとんどです。

私が読む今日の朝刊紙に、今年の箱根駅伝で優勝した大学を卒業した当時4年の元部員が、駅伝直後に、ファンだった女性に暴力を振るって骨折させたことで、捜査が行われると言う記事が掲載されていました。今日は参議院議員選挙の公示日、この新聞社も、こんなこと記事にするんだとの感慨は別として、社会的に関心を持たれる重要事なんでしょうかね。発生してから数ヶ月した傷害事件ではありますが、犯罪が減っている日本と言えども、この間もっと悪質、重大な被害を齎した傷害事件はあったと思われます。

報道によりますと、なんでも駅伝ファンだった女性が、元陸上部員の件の男性とデートすることになって、7~8万円する時計をプレゼントして、一夜を共にしたところ、翌朝男性から、心ない言辞を吐かれ、その後謝りに来たけれども、時計を返してと言ったらこれを拒絶され、暴力を受けた言う内容であります。どうやら一夜の恋らしく、その後は、被害者加害者の関係?ですから、当然交際していないようなケースであります。

巷の声の中に、箱根駅伝で優勝したこの元部員が所属した大学、そしてその監督さんを妬んで陥れようとした策略と言うものもありました。被害を受けた女性が、美人局のような危険な目にあうことを承知で、こんな企みに加担するはずがありません。興味本位の随分と失礼な物言いです。また、事情はどうであれ、暴力はいけません。この男性、元々『そんな人』だったのか、一躍時の人となって、勘違いしたのかわかりませんが、レベルの低い人間ですね。私も、いい気になっている人、勘違い人間は好きではないです。

でも、なんで『こんなこと!』被害者は、マスコミからインタビュー受けるのでしょうかね。悔しいのでしょう。何が悔しいかって。問題は、そこですね。恋愛は自由、男女を規律する約束や法規はないのです。初めてデートしたとき、数万円する時計をプレゼントしたのは本当にこの男性が好きだったからなのでしょうか?傷ついた言葉を吐かれたのでしょうが、プレゼントを返してとは。この男性、そんなことなら返してやれば良いのにと、思ってしまいます。

法規はないと申しましたが、プレゼントは、法的には贈与であり、一つの契約です。取り消すことはできません。贈与の中にも、負担付き贈与と言う形態もあり、貰った側も、一定の負担となる約束を、履行しなければならないことはあります。例えば、親の面倒を看るから親の不動産をあげるなんてありますね。この女性、付き合ってくれるからあげたとなるのでしょうか。それは無効です。誰と誰が付き合うかは、強制できるものではありませんから。時計で釣ったが見込み違いとまで言ったら失礼ですが、余程悔しかったのでしょうね。

悔しいのは、自分の予定思い計画が、そのとおりにならなかったからでしょう。この気持ちどうするか、どこで収めるか、そのために何をするかが、男女問題の相談を受ける福本悟の立場であります。

いちばんやってはならないことは報復です。こんなセコイ男、見込み違いで済んで良かったのです。

悔しさを晴らすため、やりすぎはいけません。マスコミの餌食にしてしまうなんて、自分の価値を下げるだけですね。インタビューをよく受けられる気持ちありますね。そもそもご自身の男性との交際、端的に言えば、下半身のことを、よく言えるなと思います。

改正刑法が審議されています。性犯罪を厳罰化する動きの中、強姦罪は、親告罪としない方向だと聞き及びます。私は反対します。私は、保守的な人間なんでしょう。性的な被害を受けた人は、それを知られたくない、忘れたいと思うのだとの観念があるからです。社会が、他人が、被害者の意思と関係なく、暴いてのものでしょうか。セカンドレイブと言う言葉がありました。

そんな考えの私からすると、時計一つを返してくれなかった一夜限りの男性から暴力を受けた事実、これを露わにして傷つかないのか余計な心配をします。男女問題をやっていると、ときにマスコミの人から、電話など受けることがないではありません。私の依頼者が、そんな方向に話を持って行かれたのであれば、私なんかお手伝いしなくても、その方なりの解決方法を採られたのですから、私の出番はありません。

ですから、私の依頼者には、『そんな人』はおられません。

人に言えない、弁護士福本悟にようやく話すのに、どれだけ勇気を出したことでしょう。そんな依頼者に、必ず申し上げることがあります。「大きな階段を上がって、きさらぎ法律事務所にいらっしゃった、こうして福本悟に依頼された、そうであれば、解決できない問題はありません」。

余計なことですが、某大学元陸上部員から『被害』を受けた女性、きさらぎ法律事務所に来ていただきたかったです。
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