我が胸の燃ゆる思いに逆らえず

2015年2月26日
『我胸の  燃ゆる思ひに  くらふれは  烟ハうすし  桜島山』
写真 2

幕末の志士筑前福岡藩士平野国臣が、桜島をうたったものです。今日は鹿児島に来ました。

写真 1 H27.02.24
南国鹿児島は、2月でもさすがにコート姿は見かけません。
桜島の噴煙も、この日は見られませんでした。火の国九州は、雲仙普賢岳、霧島新燃岳等の噴火で自然の脅威を知らしめるところとなりましたが、このところ阿蘇山中岳や桜島での大規模な噴火が危惧されています。








このところ九州では、噴火の恐怖もさることながら、近隣からの黄砂やpm2.5などの影響が気掛かりです。昨日福岡市は早くも黄砂が観測されました。また、春節の花火で濃度があがるのではないかと囁かれてもおります。鹿児島市内もどんより雲がかかっていて、桜島の勇姿が見られず残念でした。

鹿児島では、『3S』が言い当てられます。桜島のS、西郷どんのS、サツマイモのSらしいのですが、福本悟流で焼酎のSが替わって入ります。
なお、鹿児島は芋焼酎が有名ですが、サツマイモではなく、コガネセンガンと言う種類のいもが使われることが多いです。写真 2 H27.02.24


中には紫芋、安納芋、焼き芋等もあります。あの匂いがたまらないわけですが、かなりの種類を飲んでおりますので、最近では、何を飲んでもあまり違いがわからなくなってしまいました。ただ、鹿児島に来たときに買う焼酎として『金生』があります。鹿児島地方裁判所の近くの金生町にある果物屋さんが、屋久島の焼酎三岳酒造と協力して、この『金を生む町』から金運あらたかな焼酎を多くの人に嗜んでもらいたいとの思いから売り出している『知る人ぞ知る』焼酎です。




さて、私の悪い癖は、海のある地方都市に出張すると、市場や地元の百貨店の鮮魚売り場を覗くことです。いつか旧ホームページの『よかとこ九州』で、春先のウニ、うに前線北上中をテーマにしたことがありますが、やはりこの時期、鹿児島には『うに』がありました。阿久根のうにです。もちろん板売りですが、税込金756円でした。

これから夜に備えて焼酎と買ったばかりのうにで、一杯(いっぱい?)やるとしますか。これが楽しみで、桜島に志を訴える都市鹿児島にやって来ます。

我が胸の燃ゆる思いは、……所詮こんなところでした。

すすきののシンボルと中洲のシンボル

2015年2月19日
 マッサンこと、竹鶴政孝氏が初代代表取締役を務めたニッカウヰスキー株式会社のシンボルとなったのは、マッサンではなく、あのヒゲのおじさんではないでしょうか?

と言うよりも、道外の人間にとって、札幌すすきの交差点にあるビルのネオンに描かれたあのおじさんこそ、札幌の、そして歴史を刻み、発展する北海道のシンボルの感があります。

これは、道内最大の繁華街すすきのと、ネオン街には欠かせないウイスキーとがマッチしたのかもしれません。

北海道最大のネオン街がすすきのなら、九州最大のネオン街は中洲です。

中洲は、福岡県博多区にあります。那珂川と博多川に囲まれた位置にあるまさしく中洲ですが、この那珂川を隔てて武士の町福岡と町人の町博多がありました。

今でも『福岡』と言うか『博多』と言うか、福岡市民人それぞれのようです。

中洲のシンボルとはなんでしょう。写真 1 H27.02.16

私は、那珂川のような気がします。福岡博多をテーマにした演歌は売れない!と言うジンクスがあるとかですが、ニックニューサーの『サチコ』でも、五木ひろしさんの『博多アラモード』でも、那珂川が出てきます。

でも、私が大好きな曲は、青江三奈さんの『中洲那珂川涙町』です。

『玄界灘の風にちぎった  恋の行方を知りたくて  忘れものでも探すような 
 こころ細さで来たけれど  男が中洲(泣かす)という街で  女は中洲(泣かず)と意地を張る  逢えない人の噂ばなしを、訪ね歩いた涙街  「忘れんしゃい……」「忘れんしゃい……」  
中洲那珂川  風が吹く』


私が大好きな博多祇園山笠が出てくる二番の歌詞も良いです。
福岡博多をテーマにした演歌は、なぜか男が昔恋した女性を探して、また、その思い出探しに来る場面が多い気がします。
北島三郎さんの『博多のひと』もそうですね。中洲那珂川涙町にもあるとおり、私なんか中洲は、「泣かす」と言いますが、確かに中洲のママさんなどは「泣かず」とも呼びますね。


九州男児と言う言葉がありますが、福岡出身の女性タレントの多くを拝見しますと、「福岡の女性は強か!」と思います。写真 2 H27.02.16






最近の私は、中洲ではもっぱら安い居酒屋で、いかの活造りを食べるくらいです。




でも、中洲から那珂川を眺めると、飲んだ後でもなんか清々しい気持ちになり、中洲そしてこの土地の歴史を感じるとともに、自分は福岡が大好きだと改めて思うのです。

 

福岡博多の定番料理

2015年2月12日
テーマ 
 博多の朝ごはんとして定番は、おきうと、がめ煮、明太子です。おきうとは、えごのりと言う寒天に似ている海藻が原料で、がめ煮は、やさいと鶏肉を煮合わせた別名筑前煮とも称される煮物です。

明太子は、説明無用かと思います。博多の朝、よく「おきうと〜おきうと〜」のリヤカー売りのおじさんお兄さんの声が響いたものでした。

さながら東京あたりで聞かれる「豆腐〜」のラッパに似ていましょうか。

今日は、博多の朝ごはんのお話ではありません。博多の定番料理『ごまさば』についてお話しします。写真 1-1

福岡は、前(北)に博多湾、右(南東)には周防灘、左(南西)に有明海と言う三方が海に面し、博多湾の先玄界灘は、日本近海屈指の好漁場となっております。福岡は魚が美味い!は、この地に来て実際鮮魚を食べれば、皆さん納得されると思います。

このひとりごとでは、また、きさらぎ法律事務所の旧ホームページの『よかとこ九州』のコーナーでは、福岡に来たら絶対いかの活造りを食べるべし!と言い続けておりますので、今日はイカの話ではありません。写真で、活きているいかに並べて盛り付けられているモノに関するお話しです。

これ、なんだかわかりますか?『さば(鯖)』です。
2月の日曜日に、福岡のとある店で出されたものです。『鯖三昧』と言って、刺身、生にぎり、炙り、そしてごまさばです。

まず、これをお話ししますと、さばを生で食べることに驚いたと言われます。福岡博多では、さばは生で食べます。

よく、『鯖の活き腐れ』と言われますが、生で食べられない魚なんか信じられないと言う感じでしょうか。

そして生、すなわちお刺身用に三枚おろしされた鯖を、刺身より薄く切ってごまを付けて食べるのが博多風『ごまさば』です。
ごまは、すりごまでも、しゃぶしゃぶのタレのごとくねっとりしたものもあり、海苔、ネギ等家庭やお店によって盛り付けがなされ、それぞれの味があるのです。

ごまさばに使われる鯖は、『マサバ』です。鯖の種類として『コマサバ』がありますが、福岡博多で『ごまさば』と言うときは博多の定番料理を意味し、鯖の種類を言うのではありません。
写真 2-1
良質のさばは、五島、対馬、済州島の三角地点からとれることは、福岡博多の鮮魚関係者は皆知っています。

どうです。写真では撮影者の腕やカメラ?の質により美味しさが上手く伝わらなくてもどかしいですね。

さばは年中食べれますが、やはり旬は秋から春、特に寒い時期であります。

寒い時期は、荒波で揉まれて身が締まるからです。冬季の福岡出張の際には、柳橋連合市場か岩田屋の鮮魚売り場で、さば1本を三枚におろしてもらい、持ち帰ります。

ときに、さばは店にはあっても「東京まで持ち帰るならちょっと」とお店の人に言われることがあります。

要するに、さばは生で食べるのが当たり前、翌日でも大丈夫が、当然の前提になっているのです。

さて、今夜は、昨日福岡から持ち帰ったさばが、『ごまさば』になって食卓に並ぶ予定です。
お腹が空きました。

ごまさば、これはまた、九州の焼酎によく合うのです。イカもイカす奴ですが、決してゴマスリではなく、また、サバサバした味がないものでもなく、生で食べるさばは、絶品です。

どうぞ皆さん福岡博多にいらして、博多の味『ごまさば』を経験してみてください。

ごまさばの時期が終わりを告げるころ、福岡は、本格的な春の暖かさを感じるのです。

 

穏やかな博多湾にて思うこと。

2015年2月10日
 新しい年2015年も、はや1か月以上が経過しました。

正月によく聞く曲として『春の海』があると思います。寒い1月なのになんで春なの?と疑問をもたれるかもしれません。

これは『春の海』自体が春の季語であり、旧暦では正月はちょうど立春のころであることから、1月から大寒を経て立春のころまで、あちらこちらで演奏されるのでしょう。


写真 1
宮城道雄の代表作で、失明する前、子どものころ見た鞆の浦の風景を思い起こした曲とされます。

琴、尺八の二重奏だったのが、後半が洋楽的な旋律になっていることもあり、バイオリンでの演奏を聞いたこともあるのではと思います。

『春の海  ひねもすのたり  のたりかな』これは与謝蕪村の句です。
こちらは、季語からして時期ははっきりしているものの、厳冬の荒波の感じはなくて、本当にのんびりのどかな感じがいたします。

ひねもすは終日、のたりはゆっくりゆっくりの動きを意味します。1日中のんびりゆったりしている、穏やかな海の様子が窺われます。

俳句の世界では春と言われても、このところの寒気は凄まじいものがあり、東京でもまた雪です。北国の厳しい天気を気遣うこともなく、『のどかなだな』なんて感じでいるのは、それこそノーテンキと言われるかもしれません。

そう言えば、のどか、のんびり、のほほ〜ん、のっしり、のろのろ、のんき、のろま!等等、『の』がつく言葉は、なんか『NO』と言えない穏やかな感がありますね。
写真 2

 

急ぐことが嫌い、体型からして、のたりのたりが似合う私は、やはり穏やかな春の海が好きです。
暖かい春にもなれば、やがて喧騒の夏が海にも近づく感があって、少しずつ水温む時期が「いいな!」と思うのです。 そんな思いで海を見て来ました。博多湾ですが、好天で気持ち良かったです。
子どもたちが浜辺で戯れるすぐ近くには、穏やかな博多湾で採れたての牡蠣を焼く場所がありました。



この時期、福岡県等九州各地で居並ぶ『牡蠣小屋』です。ここでは自分で炭火で牡蠣を焼いて食べます。のどかな春の始まりを感じました。

節分の豆まき

2015年2月6日
 2月3日は、節分で、春のはじまりの前の日とされます。

『節分』の意味は文字通り季節を分けること、もともとは春夏秋冬すべてに『節分』はあったのですが、江戸時代に立春の前日を指すようになったようです。写真 2

節分はまた宗教信仰によっては、新しい年のスタートとされることもあります。
新年神社仏閣に参詣すると、今年は何年生まれが厄年だと案内が出ています。宗派によっては、この『何年生まれ』を節分で区切るものもあります。
例えば、今年は大方平成3年生まれの男子、すなわち数え年で25歳が本厄とされていますが、平成4年2月3日までに生まれた男子は、今年が本厄となると言うことになります。

立春の前日は、大寒の最後となり、暦の上では、このころが一年中で最も寒い時期とされています。
今年もこの時期特に東北海道では、たいへんな大雪で、生活に影響が出ていると報じられております。

節分の行事と言えば、豆まきですね。
季節の変わり目には邪気が生じやすいので、これを追い払う行事が、邪気の象徴鬼に向かって豆を投げつける『節分の豆まき』です。
元来豆等の穀物には、強い生命力があるとの信仰がありますが、『魔目』すなわち鬼の目目掛けて投げつけることで『魔滅』に通じるとも言われています。
「鬼は外、福は内」は、江戸時代より前に、もう掛け声として定着していると聞きます。
そしてこの日、自分の年齢の数だけ豆を食べると健康に暮らせると言い伝えられます。
地域によっては、年齢ブラス1の数とも言われていますが、厄除けと同様数え年で計算するので、こんなふうに言われるのではとも思います。写真 1

福岡市博多区にある櫛田神社は、私が福岡での初詣を行う神社です。
櫛田神社と言えば、博多の総鎮守であり、『博多祇園山笠』で知られております。この櫛田神社には、節分の時期、入り口に日本一大きい福面が出ています。
この『門』をくぐると、無病息災邪気が入らないと言い伝えられているのです。

今年も、お参りしてきました。見るからに優しそうな面で、この大きな口の向こうには、福が待っていると思わせます。何と無く引き込まれます。

今年も1年元気でいられますようにと願って、少し遅い『初詣』をしてきました。さて、皆さんは、どんな節分をおおくりでしょうか?