あら,大目にあぶってかも

2010年2月27日
テーマ 

これ、何のことだかわかりますか。九州を代表する美味しい魚です。

『アラ』は、『クエ』とも言われるハタの仲間で、体長1メートルにも達する、冬の九州を代表する白身の魚です。

その大きさや、荒々しい形相から、その名が付いたらしいのですが、九州が主な『生産地』と言っていいでしょう。

九州場所が始まるころ、福岡市内の料理店に出始めます。

刺身は白にピンク、甘く、歯ごたえ十分で、『あらちり』は、鍋の王様であると言われるそうです。

『大目(おおめ)』は、文字とおり目が大きいからそう呼ばれる『赤ムツ』のことです。

赤ムツは、新潟より南の地域で獲れ、北陸・山陰地方では、『ノドグロ』と称されています。姿は赤いが、喉が黒いから、『ノドグロ』と言われるようです。

体長40センチくらいのものが多いですが、時に新宿伊勢丹で、5ケタの値段で、その姿を見ることがあります。

岩田屋天神店では、年中見掛けますが、旬は、冬から春と聞きました。

九州の美味を語る人は、同じ冬の代表『ふぐ』より、『あら』,北の代表『キンキ』より、南の『赤ムツ』です。

なお、九州,特に福岡では、『ふぐ』は、幸福を招く『ふく』と呼ばれます。

鐘崎漁港に入る天然物,長崎鷹島から入る養殖物,いずれのとらふぐも、天下一品です。

『アラ』は、幻の魚と言われ、入荷が難しく、しかも10キロ以上には達している一体をさばくとなると、それなりの価額がつくことは避けられません。

数年前、『アラ』の名店が、実は、『アラ』を出していなかった事実が報道され、とても残念な思いがいたしました。

赤ムツは、刺身、焼き、何でもOKですが、ぜひ、煮付けを食べてください。

その『ホロッ』と柔らかい白身を口にしたとき、至福を感じるはずです。

赤ムツは、対馬・五島周辺のものが最高です。

『アラ』は、スズキ目ハタ科、『赤ムツ』は、スズキ目スズキ科に属し、共に、高級魚です。

我が家のお客様へのおもてなしは、この時期、赤ムツの煮付けがメインディッシュです。柳橋連合市場の仲西商店さんから直送されます。

以上が、冬の九州の高級魚のお話です。さて、『あぶってかも』って、何でしょう。

アラや赤ムツをあぶって噛むのではありません。

『あぶってかも』も、九州で獲れる魚です。こちらは、冬が終わらなければ、その姿を見ることができません。

その名の由来も含め、旬の時期に、再びお話しさせてください。

2月,福岡は、もう春がやってきます

2010年2月8日
テーマ 

春の訪れを感じるのはどんなときでしょうか。

ひな祭り,雪解け,卒業式,桜等々…

九州福岡では、大宰府の梅が有名です。でも、それ以上に、『春が来た』と感じる風物詩があります。それは、シロウオ漁です。

博多湾に注ぐ室見川の河口では、毎年2月中旬ころ、シロウオ漁が始まります。
シロウオ(白魚)は、『ハゼ科』に属し、いわゆるシラウオ(白魚)とは異なります。その小さく透き通った姿は、とてもきれいです。

室見川河畔の『とり市』や、『三四郎』は、しろうお料理で有名ですが、地下鉄室見駅の1つ手前,藤崎駅上にある『磯貝』でも、お通しとしてこの時期、『シロウオのおどり』が出されることがあります。

磯貝は、つぼ鯛のみそ焼きの発祥の店と言われ、今では岩田屋(天神本店,福岡空港売店等)に商品を出され、昨年東京にも、店舗が開店しました。

それでも、未だカウンター席のみで、予約不可の時代から通い続ける藤崎店が『原点』です。
藤崎店では、夏は、同じ室見川から上る天然うなぎを食したことがあります。

さて、このシロウオ漁は、2月から4月上旬ころまで行われます。春が本格化するとき、シロウオは、姿を消すからです。

シロウオと地元のつくしを合わせた卵とじも美味しいです。福岡に春を告げる魚シロウオの案内でした。

「シロウオば食いたか」

「いっちょう博多に来てみんしゃい」