九州大好き、福岡大好き、魚大好き人間にとっては、『いかの活き造り』を食わずして、いかを、そして九州の美味を語るなかれです。
日本三大朝市で知られる『呼子』(よぶこ)は、平成の大合併で、唐津市に属しました。
呼子といえば、いかの活き造りがあまりにも有名です。『河太郎』が、福岡中洲で最初に提供したとされています。週末ともなれば、呼子の河太郎は、順番待ちです。
呼子のいかは、『ヤリイカ』が主ですが、東京などで出回るヤリイカではなく、『ケンサキ(剣先)イカ』を意味します。『ケンサキイカ』は、本州の西半分、特に九州北西部が、漁獲の中心で、『ヤリイカ』よりも、脚先が長く、肉厚です。
ところで、イカは弱く、人間が触れると死んでしまいます。『時化』が続くと漁ができず、入荷が難しくなります。よく、福岡市内の飲食店で、『活いかあります』と表示が出されるのは、その例です。
もっとも、呼子の飲食店は、海から生け簀をつないでおり、ほとんど毎日、いかが泳ぐ姿が見られます。特に、呼子大橋たもとにある海中レストラン『萬坊』は、ちょっとおもしろいでしょう。
ただし、1時間30分かけて呼子に行かずとも、福岡市内では、『ケンサキいか』を、年々容易に食することが可能となったようです。天然とらふぐで有名な、鐘崎漁港からは、玄界灘の『ケンサキイカ』が入るからです。
今の時期、ケンサキイカ以外では、コウイカが、とても美味しいです。これも、九州が産地といってよいと思います。亀の甲羅のような形をして、噛めば噛むほど味が出る感があります。
さて、折角福岡に行ったけれども、イカを食べられなかったらどうしますか。やはり、呼子に行かなければなりませんか。
『呼子』では、ほぼ毎日イカが確保されていると申しました。そんな呼子から、『角打萬坊』が、福岡空港に出店しています。
確か、3年くらい前から、姿を見掛けましたが、「なんで活き造りが出てないの?」と思って、敬遠していました。
ところが、昨年(実はもっと前かもしれませんが)、『ヤリイカ姿造り』の案内を見つけました。呼子直送であれば、売り切れない限り、イカをゲットできるはずです。今回も、食べてきました。
九州の方にとって、『呼子』と書いてあれば、いか活き造りは当り前なのでしょうが、悲しいかな、他県の者にとっては、あえて表示が出ていなければ心配!なのです。
以前なら、イカを食べ損ねたら、ありつけるまで、『行かなければ』と申しました。
それが、イカがなければ、最後に福岡空港が待っていると思えば、旅の楽しみは最後まで残ります。
『イカなければ、福岡』
を覚えてください。