冬期、東京・九州間の航空機の飛行時間は、行きと帰りで20~30分違いがあります。
これは、日本列島上空の偏西風,つまり寒帯前線ジェット気流と亜熱帯ジェット気流が合流し、ジェット機の巡航高度付近を、非常に強い西風となって、吹き流れるからだと説明されます。
もっとも、九州から東京に帰るときも、最近の羽田空港の過密状況から、結局、搭乗時間は、あまり変わらなくなってはおりますが。
九州は、これから梅雨に入り、やがて夏を迎えます。
この梅雨の時期も、また、航空機内で感じることがあります。
『前線』,すなわち、北からの寒気と、南からの暖気がぶつかる場所が、この時期、北緯30°から40°の位置に停滞することで、まさに、東京から西に向う航空路に重なります。
よく、機内で、「本日は、前線の影響で、航路上揺れることが予想されます」とアナウンスされるのがこの例です(もっとも、続けて、「大きく揺れることがありましても、飛行の安全には全く問題はございませんので、ご安心ください」と言われます)。
ほぼ真西に向かい、山間部の上空を経由する福岡,長崎便は、よく揺れると感じます。そして、この前線付近では、上昇気流が起こり、下は、強い雨となっています。
梅雨も後期となって、南からの高気圧が強くなり、前線を押し上げると、福岡空港,長崎空港では、短時間に集中豪雨が発生し、しばしば航空機の運航に、影響が出るのではないかと思います。
7月といえば山笠,毎年脚を踏み入れる福岡では、何回か雨のため、航空機のダイヤが乱れた経験があります。
しかし、梅雨前線が、玄界灘を越えたとき到着する雨上がりの福岡の街は、潤いを増し、輝いています。
特に、福岡空港へ、南側から侵入する際には、街の中心天神付近を通過するので、空(機内)から見た夜景は、とてもきれいです。
雨は、万物に恵を、人々に潤いを与えます。
梅雨前線を飛び越えて、潤いを増す九州に、どうぞお越しください。