前回の『よかとこ九州』では、宮崎県出身の小渕健太郎氏の詩,曲,言葉から、多くを学ぶお話をいたしました(『歴史のたられば 九州番外編…』)。
コブクロの新曲『Blue Bard (青い鳥)』の紹介に、心を打たれ、あれから毎日のように、青い空を見上げています。
さて、九州で青いのは、空だけではありません。
むしろ活火山が多く、火の国といわれる九州では、『温泉の青』が、特徴ではないかと思っています。
九州を代表する温泉地別府では、『別府地獄めぐり』が、別府観光の定番です。
9つある地獄の中でも、玄関口に位置し、ひときわ大きく見えるのが、『海地獄』で、そのコバルトブルーの色の神秘を眼前にすれば、誰しも美しさに息を飲むことでしょう。
海地獄は、約1300年前に、鶴見岳の爆発によって誕生し、熱湯には、硫酸鉄が含まれることから、コバルトブルーの色に見えるのだそうです。
『誰も近付きたくない熱湯』だから、いつしか『地獄』と呼ばれるようになったのですが、地獄には見えぬ美しさです。
別府地獄は高温で、入浴はできません。
青い温泉は、別府地獄のある鉄輪温泉のいくつかの宿で、経験することができます。
別府と並ぶ大分県の温泉地といえば、言わずと知れた湯布院です。
湯布院にもまた、コバルトブルーの温泉があります。
100人は入れるであろうといわれる巨大露天風呂を擁する『ゆふいん庄屋の館』がそれです。
こちらは、弱アルカリ性のナトリウム塩化物・硫酸塩で、『メタケイ酸』という成分が、シリカのツブとなってコロイドになり、日光と合わさって青く見えるのだそうで、肌触りもよく、女性に人気の温泉です。
ところで、九州と並ぶ温泉天国北海道ではどうでしょうか。
残念ながら、福本悟は、北海道には詳しくはありません。
ただ、先日、大好きな美瑛町で、『青い池』を見てきました。
美瑛の風景は、きさらぎ法律事務所ホームページを飾るとおり、いつ行っても、何度見ても、心に焼きつく日本の美しさがあります。
そんな美瑛で、数年前まで知られていなかった、誰も立入ることがなかった原生林の中に、青い池はあったのです。
今ではすっかり有名になり、近くの街道入口には、駐車施設が出来、観光バスのルートにも入る有様です。これが青い池です。
なぜ青いのか。
もともと『青い池』は、美瑛川砂防工事によってできたおおきな水溜りでした。
その水溜りに、背後にそびえる十勝岳から、アルミニウムを多く含む地下水が美瑛川に流れ込み、川の水と混ざり合って出来たコロイド状物質が、太陽の光とぶつかって、青い光が反射して、水が青く見えるのです。
そういえば、かつて宿泊した『美瑛白金温泉』近くの美瑛川が、青く光っている姿を見たことがあります。
興味をもった私は、『十勝岳温泉』に連れて行ってもらうことになったのです。
こちらは、次号に掲載いたします。
以上、いずれも心に残る美しさ、『九州の青』と『北海道の青』のご紹介でした。