たけだ,ひた,おおいたは、春も秋も人々を魅了します。

2010年11月9日
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前回の『よかとこ九州』では、大分県の南西部,熊本県に接する竹田市について、ご案内しました。

『春高楼の・・・』の竹田は、秋もまた素晴らしいことを知っていただけたかと存じます。

ところで、大分県の北西部,福岡県に接する行政区域は、日田市です。

日田では、毎年11月に、『日田天領まつり』が開催されます。

このとき、3万本の竹灯籠に蝋燭を入れて灯火する『千年あかり』もまた、大分の秋の風物詩です。

また、春の日田の『天領日田ひなまつり』も、見逃せません。

江戸時代、蝋燭で財をなした草野家のおひなさまは、必見です。

『3月,九州のおまつりは、色鮮やかです』でもご紹介しましたが、ぜひとも訪問したい土地です。

さて、久住が竹田市に属したように、平成の大合併で、日田市に属することになった町に、『天ケ瀬』があります。

天ケ瀬は、もともと川沿いにいくつも露天風呂が並ぶ、天ケ瀬温泉で有名な土地でした。

それと、日田市天瀬馬原には、『高塚さん』と親しまれる『高塚愛宕地蔵尊』があります。

今から約1200年前の聖武天皇時代、高僧行基が、この高塚の地を訪れた折、「人々の悩みを救う大権現様が出現される霊地に違いない」と予言され、地蔵菩薩を念じていると、樹木の中に、金色の光を放つ三個の玉を見たのです。

行基は、なお祈りを続け、樹木にあった宝珠を捧げて、ノミをもって、一体の地蔵菩薩を彫りました。

行基亡き後、この土地の人々の手で、地蔵菩薩を祀ったのが、『高塚愛宕地蔵尊』の始まりとされます。

『高塚さん』は、神仏混合の信仰施設で、病気平癒,学業成就,商売繁盛などの諸願成就のご利益があると評判になり、特に毎月『4』の日は、多くの参拝客が訪れます。

境内には、いくつもの地蔵があり、田村亮子氏(谷亮子氏)が奉納した地蔵様には、金メダルが掛けられていました。

これが、『高塚さん』でいいただいた熊手です。

『高塚さん』は、大分自動車道天瀬高塚インターチェンジに程近い山間にあり、福岡天神バスセンターから、湯布院又は特急大分行の高速バスに乗車すると、高速天瀬高塚バス停まで、1時間40分くらいで到着します。

ここから徒歩10分くらい、山を登ります。

なお、湯布院行きは、途中、福岡空港国内線ターミナルを経由しますので、福岡空港から乗車すると、高速天瀬高塚停留所まで、1時間少々の距離です。

厳しい社会情勢の中、『神頼み』『仏頼み』に流れるところですが、歴史と観光を兼ねて、福岡から近い山間の小京都といわれる日田にも、ぜひ足を運んでいただければと思います。

11月,九州は、秋のあかりで癒されます

2010年11月7日
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10月の『よかとこ九州』は、大分に始まって、大分に戻って来ました。

くじゅうの山並みも、秋の気配が感じられることでしょう。

久住町や、ラムネ湯で有名な長湯温泉も、現在の行政区域は、『竹田市』です。

もっとも、豊後竹田といえば、『滝廉太郎』→『荒城の月』→『岡城跡』と、連想されるほど、古い城下町のイメージが、強いのではないでしょうか。

旧国鉄時代には、豊後竹田駅に列車が到着すると、『春高楼の・・・』の音楽が流れたものでした。

そんな竹田市の秋を飾る町を挙げての取り組みが、『竹楽(ちくらく)』です。

竹田市は、山林が、総面積の65%を占めます。

竹は、古来より春を告げる『たけのこ』,また、建築材料,鳥籠などにも利用され、私たちと馴染みの深い自然の産物です。

しかし、竹林は、需要の減少とともに、過疎化で、管理されないまま荒廃が進み、里山を壊しかねない状況になってもおりました。

竹田市では、自然に感謝しつつ、孟宗竹2万本を竹灯篭にして、竹・光・音,そして、『出逢い』をテーマに、人々に里山の保全と資源の活用を理解してもらう町おこしとして始めたものが、11月に街を彩る『竹楽』です。

また、竹田市街は、湧水や、キリシタン洞窟礼拝堂,殿町武家屋敷などが点在し、街の散策も楽しめます。

そして、昨年から3年にわたって、年末に放映されるNHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』では、主人公秋山真之の親友として、竹田出身の軍人『広瀬武夫』が登場します。

今年は、いよいよ歌にもなり、軍神第1号に奉られた広瀬中佐の日露戦争での生死が、大きな山場となるようです。

広瀬神社もまた、竹田市街にあります。竹田市は、今まさに旬を迎えます。

先日、百貨店の九州・沖縄物産展で、『ツーリズムおおいた Gururitto』というパンフレットを見つけました。

この時期、大分では、『うすき竹宵』(臼杵市),『<千年あかり』(日田市)も開催され、街は竹あかりで、幻想的な風景が醸し出されます。

これからの季節、大分の秋の『あかり』に、癒されることでしょう

北海道美瑛発、九州大分着のおはなし

2010年11月4日
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北海道美瑛発、九州大分着のおはなし

前回ご紹介した『青い池』のある『美瑛白金温泉』からは、正面に、美瑛岳が見え、右側に十勝岳,富良野岳と続き、左側には、トムラウシ山から大雪山国立公園に連なる山脈が続きます。

「美瑛は、風景を楽しむ場所,まさか登山など…」と思っておりました。

もちろん、登山はいたしませんが、『青い池』を生んだ十勝岳の自然に近付きたいと思い、南昇税理士事務所のスタッフにお願いして、さらに山へと車を走らせました。

美瑛白金温泉から登ると、10月上旬というのに、紅葉が真っ盛りでした。

途中、行政区域は、上富良野町となり、すぐに吹上温泉に到着します。

『白銀荘』という温泉施設がありますが、吹上温泉で有名なのは、『吹上露天の湯』でしょう。

『北の国から’95秘密』で、田中邦衛さん扮する黒板五郎と、宮沢りえさん扮する純の恋人小沼シュウの雪中入浴シーンは、この吹上露天の湯で撮影されました。

さらに登ると、十勝岳温泉『バーデンかみふらの』続いて、『カミホロ荘』があります。

道はさらに続き、車道の終点に、十勝岳温泉『凌雲閣』がありました。

『凌雲閣』は、文字とおり、『雲を凌ぐ宿』で、眼下には、美瑛・富良野の風景が、絵のように見えました。


《美瑛側》

これが、『凌雲閣』です。


《凌雲閣玄関》


《凌雲閣パンフレット》

この十勝岳温泉『凌雲閣』は、標高1280mと、北海道で最も高地にある温泉宿なのだそうです。

早速、自慢の露天風呂に入りました。

露天風呂に、カメラは持参いたしませんが、目の前には、見事な十勝岳の紅葉が、飛び込んでまいりました。

これが、露天風呂の方向から見た10月上旬の風景です。


《凌雲閣からの風景》

ちなみに、女性用露天風呂の近くに、この日、キタキツネの姿があったそうです。

10月中旬になると、降雪が始まり、やがて道路も閉鎖され、北の動物たちも、冬の眠りに入るのでしょう。

美瑛の丘と山,そして温泉を満喫した一日でした。

『丘のまち美瑛』では、これまで、『ぜるぶの丘』,『新栄の丘』,『北西の丘』,『三愛の丘』等々に立ち寄り、パッチワークの風景に、心を癒されました。

今回の美瑛では、『四季彩の丘』に連れて行っていただきました。

言葉とおり、色とりどりの花が点在し、丘からは、いつも変わらぬ美瑛の風景を、目にすることができます。

『四季彩の丘』は、冬は、スノーモービル等の雪遊びの場所に変わるそうです。


《四季彩の丘から臨む美瑛岳・大雪山系》

さて、今回の美瑛紀行では、青い池から十勝岳温泉へ行き、ここが北海道一の高地の温泉宿であることを知りました。

では、九州で、最も高地の温泉地を、ご存知でしょうか。

それは、大分県久住町にある『法華院温泉』です。

平成の大合併で、竹田市に属しますが、『阿蘇くじゅう国立公園』のくじゅう連山のほぼ中央に位置し、四方を山に囲まれた盆地状の場所です。

むしろ、『法華院』と言わず、『坊がつる』と聞けば、「えーっ」と、思われるのではないでしょうか。

そう、『坊がつる讃歌』に歌われた『坊がつる』の由来は、かつてこの高地には、九重山法華院白水寺の『本坊弘蔵坊』があり、高地に広がる盆地状の中には、『つる』が一面に生い茂った,湿原植物の宝庫となっていたからです。

この坊がつるの湿原は、国内最大級の面積を有する湿原で、『くじゅう坊ガツル・タデ原湿原』として、ラムサール条約の登録湿地でもあるのです。

法華院温泉は、坊がつるの南西側に位置する標高1303㎡の温泉山荘です。

『くじゅう』と言えば、『やまなみハイウェイ』を欠かすことができません。

熊本・阿蘇から入った『やまなみハイウェイ』は、やがてくじゅうを通って、湯布院,そして別府へ到達します。

九州大分は、やはり温泉でしょうか。

意外なところで、北海道美瑛と、九州大分の共通項に、思いを巡らした旅となりました。