1月,大宰府で春を感じましょう。

2011年2月4日
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福岡県太宰府市は、古くから『アジアの玄関口』とされ、素晴らしい歴史・文化遺産が点在しています。

大宰府は、もともとは、7世紀後半に、九州に設置された地方行政機関ですが、天智天皇の663年に、大和朝廷が、朝鮮半島白村江の戦いで敗れた後、大陸へ向けた外交と、軍事防衛の中心として、強力な権限を与えられた『政庁』となりました。

大宰府政庁が置かれた現在の太宰府市には、国宝と指定された日本最古の梵鐘を伝える『観世音寺』,国内4番目の国立博物館として、満5年を迎え、多くの国宝を収蔵した『九州国立博物館』など、多くの見どころがあります。

それでも、大宰府といえば『天満宮』,天満宮といえば『管公』,管公といえば『梅』と連想されるほど、太宰府天満宮と梅,そして菅原道真公との関係は、深いものがあります。

菅原道真公は、平安前期の学者・政治家で、清らかな誠心を持った秀才で、こよなく梅を愛していたそうです。

この菅原道真公が、権力者たちの陰謀に巻き込まれ、太宰府へ左遷され、失意のまま配所で生涯を終えたことから、話は始まります。

管公は、管公の遺骸を乗せた車を引く牛が、伏して動かなくなった場所に、葬られました。

そして、その地に社殿が建立され、これが後に、『太宰府天満宮』となったのです。

大宰府天満宮は、管公を祭神とし、以来、『学問の神』,『至誠の神』として崇敬を集め、新年1月ともなれば、受験生の姿を多く見ることができます。

東風ふかば にほひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春なわすれそ』

本殿の右側で、枝を伸ばす梅の木があります。

菅原道真公を慕い、一夜にして、京の都から飛来してきたという伝承の御神木。

これが、『飛梅』です。

今も飛梅は、太宰府天満宮に咲く200種約6000本の梅の木の中で、最も早く清香を咲かせるのです。

1月も後半になると、飛梅は、乳白色の花を咲かせます。

「春はもうそこまで」と感じるときです。

また、太宰府天満宮のいたるところで、『神牛』を目にすることができます。

これは、管公が、845年乙丑歳の誕生であり、先にご説明した本殿建立の聖地が、牛との神縁によることに由来します。

『神牛の頭を撫でると知恵がつく』という信仰も、管公ならではのものでしょう。

そして、管公と梅で忘れてはならない逸品が、『梅ヶ枝餅』です。

大宰府天満宮に向かう参道のあちこちの茶店,土産店で、あつあつの梅ヶ枝餅が販売されています。

配所で、寂しい日々を送る管公を慰めるため、老女が、1つ梅の枝を添えて、餅を差し上げたことが起源とされるようです。


神牛

大宰府観光協会発行のパンフレットには、丁寧な大宰府観光マップがあります。

門前町


マップ

新春の大宰府へ、春を感じに行ってみませんか。