『福岡博多』(この違いは、『歴史のたられば 九州編1』をご参照ください)の名物といえば、『屋台』を挙げる人は多いと思います。
福岡市内には、現在150軒くらいの屋台が出ていると言われます。
それでも、私が在住した昭和の時代からすると、半減した気がいたします。
屋台は、『邪魔』,『汚い』,『美観を損ねる』等の意見があり、営業権の譲渡が禁止されたため、その数は、年々減っています。
さて、前回に引き続き、今回は、屋台のルールについて、『九州大好き,福岡大好きな東京人』から、お話しさせてください。
まず、屋台の基礎中の基礎ですが、屋台は、夜営業します。
午後7時ころから、だいたい翌日午前3時ころまでが一般的です。
屋台は、15人前後で満席になります。
定休日を日曜としている店が多いですが、雨や風が強い日は、だいたいお休みです。
次に、屋台側の決まりとして、『生のものは出せない』があります。
そして、料金表示は、ほとんどの屋台でなされています。
私は、未だに、料金表示がない屋台に入った(見た)ことはありません。
では、客側のルールはどうでしょうか。
『ルール』と言っても、別に、屋台側が決めたものではありません。
博多っ子が、屋台を愛する人たちが、長年培ってきた『伝統』といえましょうか。
まず、大人数での来店は、ご法度です。
これは、屋台の椅子が、12~15人くらいで、いっぱいになるからです。
次に、長時間の居座りも、ご法度です。
並ばなければ入れない屋台は当然として、「多くの人に福博の屋台を味わってもらいたい」という博多っ子の優しさでしょう。
そして、屋台のお客さんは、みな仲間です。
屋台では、時にとなりに座った人が、有名人だったりします。つまり、屋台とは、まさに、『袖触れあうのもなんとやら』の世界です。ぜひ飛び交う博多弁の中に、入ってみましょう。
博多弁の世界に入ることができたら、次は、屋台の大将(店主)の話を良く聞いてみましょう。
大将は、皆屋台が大好きな個性派揃いです。わからないことは、何でも優しく教えてくれます。
しかし、時に、知ったような口をきく人,たとえば、自分はラーメン通であるかの偉そうな態度をとる人は、怒られます。
さらに、屋台にトイレはありません。当り前ですが、先に用を足しましょう。
もっとも、屋台の近くには、必ず公衆トイレがありますから、大将に聞くと良いです。
最後に、注文の順番も考えましょう。
前回、『屋台の三種の神器』の話をしました。
屋台の料理は、中の狭い『厨房』で作られます。
そこで、効率を考えて、たとえば、焼き物はまとめて数本,ラーメンは、締めにまとめて人数分など、客側でも、注文の内容・順番を工夫してあげましょう。
このように、屋台と、屋台を愛する人たちの長い間の努力と苦労があって、めんめんと、日本国中他に例を見ない『博多の屋台』が続いているのです。
福岡博多の屋台は、他の屋台とどう違うの?
それは、次回にご説明いたします。