福岡博多の屋台のおはなしにお付き合いくださり、有難うございます。
さて、さっそくですが、博多の屋台が、日本国中のあちこちに見られる屋台と比べて、はっきり違うことがあります。
それは、『料理のメニューが豊富』ということです。
今でも都内では、ラーメン屋台の類は見られます。
しかし、博多の屋台では、ラーメンとおでんだけではなく、多種多様の料理が楽しめます。
以前、福博屋台の三種の神器は、『ラーメン』『おでん』『焼とり』と、申し上げました。
これは、ほとんどの屋台で見られるからです。
ラーメンは、各屋台の個性が、最も表れるものだと思います。
最近は、トンコツに限らない、ユニークなラーメンが、出現してもおります。
おでんは、博多風うす味ですが、牛すじが入って、コクのあるダシになっています。
おでんのネタとして、大抵その屋台の『手作りの一品』があります。
焼とりは、『鳥』だけではありません。
初めて福岡に行って、屋台に入ったとき、『焼とり』は、関東人の常識を覆すものでした。
豚バラ,牛タン等の肉系,しいたけ,ぎんなん等の野菜類があるのは、まだ驚きませんが、イカ,エビは珍しくなく、冬のタイラギ(貝柱),夏のアゲマキには驚きました。
福岡近海で獲れた魚貝まで、楽しめるのです。
『三種の神器』以外に、どのようなものがあるかと言うと…
屋台の看板メニューとされる料理があります。
ギョウザ,ホルモン,天ぷら等が、その例です。
料理のジャンルもまちまちです。
中華中心の屋台,フレンチ,イタリアン等の欧風屋台,エスニックから屋台バー,料亭と見間違えるような和食を提供する屋台もあります。
好みは人それぞれですが、やはり、かしこまらず、雑多な、混沌とした元気いっぱいのオーソドックスが良いですね。
オーソドックス系(これは、私が、いま勝手に付けた名称です)では、鉄板(フライパン)を使う屋台が多いです。
そして、ほとんどの屋台が、『三種の神器』を備えています。
キムチを使うアラカルト、 牛すじを煮込んだどて焼や、もつ鍋,お好み焼,その他諸々です。
入った屋台では、大将にお勧めを聞くと良いと思います。
もっとも、大抵の大将は、「うちはなんでん美味しかけん、わからん」と応えるような気がします。
福岡博多の屋台のおはなし(3)でご説明したような事情で、福博の屋台は、減り続けています。
福岡に行くと、『新しい屋台情報』を求めて、屋台本を探し歩いたものでした。
『屋台はどこにあるのか?』『場所によって特徴があるのか?』については、次回にお話しいたします。
面積340平方キロメートル,人口144万人で、都心までわずか10分,おそらく、世界一街の中に位置する空港と、16年連続『外国航路旅客者数日本一』の港を持つ国際都市福岡,この町の中心地に、日没とともに開店するのが、名物『博多の屋台』です。
博多の屋台の歴史は、長浜ラーメンとともに始まったと言われています。
昭和30年代に、中央区長浜に魚市場が移転し、ここで働く人のために、細麺と替玉を特徴とする豚骨ラーメンが屋台で提供されたことから、『長浜ラーメン』,『豚骨ラーメン』と称され、移動式屋台となって、博多の街中に広まったとされます。
都市化が進み、道路を占有する屋台は、行政,そして、市民から、批判の的とされるようになりました。
しかし、県議会は、屋台を残す方針で、当時の厚生省と交渉し、営業許可,ついで、道路使用許可を受け、博多の屋台は、存続することになりました。
屋台は、臭い,不衛生,景観を害す,公共の場をタダ同然で使っている等々の意見もまた然りで、現在は、『一代限り』の条件のもと、最盛期の3分の1程度の数(大体150軒くらい)が残り、いまなお愛され続けているのです。
では、屋台の魅力はなんでしょう。
寂しいとき、辛いとき、一杯やるのもよし,解放された屋台で、夜風に吹かれながら人生を語り合うのもよし,個性的な大将と、名物料理を味わうのもよし,屋台は、誰でも受け容れてもらえる,ひとつの公共の場ではないでしょうか。
そして、屋台では、ときに隣に座った人が有名人だったりします。
タレントさん,スポーツ選手等に、行きつけの屋台があると言われます。
屋台で知り合って結婚したカップルもありました。
学生のころ通い、転勤等でまた通い、そして、自分の子どもを連れて通う長年の常連さんもおられます。
屋台には、人生そのものが凝縮されていると言っても良いでしょう。
福博の屋台の特徴,「どこに行けば良いの?」は、次回以降にご説明いたします。
屋台(福岡市提供)
福岡博多が最も暑く(熱く)なるのは、
ソフトバンクホークスが優勝したとき
連敗中のアビスパ福岡が勝利をつかんだとき
九州場所で魁皇関の勇姿が見られたとき
GW中、人出日本一の博多どんたくがフィナーレとなったとき
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博多もんは、「山が動いたとき」,つまり、「7月15日早朝の『追い山』を迎えるとき」と答えるでしょう。
博多祇園山笠については、昨年7月『福岡を心から愛する東京人』福本悟流のご説明ご案内を、『よかとこ九州』に掲載いたしました(『博多祇園山笠のお話です。』等参照)。
山笠期間は、7月1日から7月15日までです。
ただし、6月に入ると、法被の着用が認められ、舁き山,飾り山の標題が発表されます。
また、各流れでは、山の組立て,棒洗いが始まります。
今年の一番山,すなわち、7月15日午前4時59分に櫛田入りを果たすのは、西流であることも、博多祇園山笠振興会総会で確認されました。
今年は、山笠発祥から770年の節目に当たるそうです。
ぜひ今年は、追い山を見学したいと思っています。