面積340平方キロメートル,人口144万人で、都心までわずか10分,おそらく、世界一街の中に位置する空港と、16年連続『外国航路旅客者数日本一』の港を持つ国際都市福岡,この町の中心地に、日没とともに開店するのが、名物『博多の屋台』です。
博多の屋台の歴史は、長浜ラーメンとともに始まったと言われています。
昭和30年代に、中央区長浜に魚市場が移転し、ここで働く人のために、細麺と替玉を特徴とする豚骨ラーメンが屋台で提供されたことから、『長浜ラーメン』,『豚骨ラーメン』と称され、移動式屋台となって、博多の街中に広まったとされます。
都市化が進み、道路を占有する屋台は、行政,そして、市民から、批判の的とされるようになりました。
しかし、県議会は、屋台を残す方針で、当時の厚生省と交渉し、営業許可,ついで、道路使用許可を受け、博多の屋台は、存続することになりました。
屋台は、臭い,不衛生,景観を害す,公共の場をタダ同然で使っている等々の意見もまた然りで、現在は、『一代限り』の条件のもと、最盛期の3分の1程度の数(大体150軒くらい)が残り、いまなお愛され続けているのです。
では、屋台の魅力はなんでしょう。
寂しいとき、辛いとき、一杯やるのもよし,解放された屋台で、夜風に吹かれながら人生を語り合うのもよし,個性的な大将と、名物料理を味わうのもよし,屋台は、誰でも受け容れてもらえる,ひとつの公共の場ではないでしょうか。
そして、屋台では、ときに隣に座った人が有名人だったりします。
タレントさん,スポーツ選手等に、行きつけの屋台があると言われます。
屋台で知り合って結婚したカップルもありました。
学生のころ通い、転勤等でまた通い、そして、自分の子どもを連れて通う長年の常連さんもおられます。
屋台には、人生そのものが凝縮されていると言っても良いでしょう。
福博の屋台の特徴,「どこに行けば良いの?」は、次回以降にご説明いたします。