錦織圭さんが、今年最も輝いたアスリートのひとりであることは、おそらく異論はないでしょう。
全米オープンでは、アジア男子として、初の4大会シングルスでの決勝進出という快挙を成し遂げ、怪我と疲労が極に達して迎えたBNPバリバマスターズでも好成績を残し、ATPワールドツアーファイルの出場権を獲得されました。そして今まさに、これの決勝目指して、力を振り絞っているのです。
錦織圭さんは、アメリカフロリダを拠点として登録しているとのことですが、ご出身は、島根県松江市です。
全米オープンを終え、久しぶりに帰国して、「何が食べたいですか?」とインタビューを受けた際、
「のどぐろが食べたい」
と答えられました。
ノドグロって何?
と思われる方も少なくないと思われます。ノドグロ(のどぐろ)は、正式名称あかむつ(赤ムツ)のことです。
あかむつは、スズキ目スズキ亜目ホタルジャコ科に属する暖海性魚で、新潟から西、特に九州に生息する赤紅色のだいたい40センチくらいの『超高級魚』です。
あかむつが、のどぐろと称されるのは、文字通り喉の奥が黒いからです。
『超高級魚』と言ってしまったのは、福本の私見ではありますが、錦織圭さんのあの発言以来、『のどぐろを探せ!!』と、ちょっとしたブームになっている感があります。
実は、このあかむつ、福岡出張の際、柳橋連合市場や岩田屋さんにあれば、ほとんど持ち帰る逸品でした。福岡や長崎では、あかむつは、目がとても大きいので、『大目』と呼ばれるのです。
超高級魚と言いましたが、単に値段が高いからそう表現するのではありません。もちろん、そこそこの値段はつきます。新宿伊勢丹では、ときどき6000円くらいで出ていることがあります。
超高級魚と言ってしまったのは、食べたときの満足度と、これをゲットできる可能性との相関関係です。
焼いてよし煮てよしですが、私は、断然あかむつの煮付けを勧めます。白身のトロと言われるようですが、まさしく『ほろっ』ととろけます。
『目は口ほどに、物を言う』
大目であっても、のどぐろであっても、あかむつの大きい綺麗な目をみれは、口の中を開けて、喉などみなくても、錦織圭さんの頑張りと、甘いマスクと優しい人柄を彷彿させるだけの魅力(魔力?)が、この魚には漲っているように思えます。