先月鬼籍に入られた俳優菅原文太さんは、晩年山梨県で農作物の栽培を通して自然に勤しむ生活をされる傍ら、世界の中での日本のあり方に関して、強いメッセージを残されました。
「政府、国の責任は2つある。ひとつは、国民を飢えさせないこと。もうひとつは、絶対に戦争をしないことである。」と。
先月行われた沖縄県知事選挙でも、菅原文太さんの勇姿が見られましたね。辺野古移設反対の候補を応援されました。何か、沖縄県知事選挙の結果は、菅原文太さんの遺言のような気がいたします。
でも大丈夫でしょう。
国民を飢えさせないためにアベノミクスはあり、国民を戦争に巻き込まないために集団的自衛権の行使が閣議決定されたのだからですから。
菅原文太さんに限らず、著名な芸能関係の方が、社会活動をされることは結構あるようです。
杉良太郎さんは、数々の慈善活動をされることで有名です。既に15歳のときからボランティア活動をされ、紫綬褒章を受賞されました。最近では、東日本大震災の折の救援物資の車両手配や杉さん自らの炊き出しが記憶に新しいですが、長年ベトナムとの有効支援に尽くされ、里子は80人を超えたと聞きおよびます。
また、杉良太郎さんと言えば、『遠山の金さん』を思い出される向きもあろうかと思いますが、杉良太郎さんは、刑務所への慰問活動を続けられる過程で、日本の矯正に強い関心と問題意識を持たれ、法務省から、史上初となる名誉矯正監を拝命されてもおられます。そして今なお、刑務所への慰問や矯正の関するご講演など続けておられるのです。
以前、杉良太郎さんの講演を拝聴させていただきましたが、わたしども法曹関係者さえいかに刑務所内の実情を知らず、改善や新しい施策を行おうとしない怠慢を叱責されました。
しかし、いちばんの問題は、国民が、自分には関係ないとして目を向けないこと、予算の問題とも絡むが、受刑者なんかにお金使う必要はないなどの空気があって、社会の仲間と見ていないことだと仰っていたことです。確かに、死刑の執行があるたび、ネットなどで、「無駄メシを食わすのは勿体無い、早く執行しろ!」などという意見が並びます。
日本は、いつから共生博愛の気持ちがなくなったのでしょう。つとに議論されるヘイトスピーチもしかり、排除の論理が見受けられます。
でもこちらも大丈夫そうです。
今回の衆議院議員総選挙で、各紙で優に300議席を獲得すると予想された政党の『マニフェスト』では、自助自立を第一に、共助と公助を組み合わせた国民の立場に立った制度を確立すること、企業の収益が増えると賃金が上昇し消費が増え、『トリクルダウン』すなわち、社会の隅々まで裕福になり、しあわせがもたらされるのだそうですから。
あらゆる立場環境の人であっても、しあわせになる権利があります。
いろいろな役柄を経験された名優の活動から、学ぶところは大きいと思います。