2017年から消費税は10%になります。

2014年12月17日
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 財団法人日本漢字能力検定協会のキャンペーンとなっている『今年の漢字』に、『税』が選ばれました。衆議院議員総選挙の2日前となった12月12日、京都の清水寺の森清範貫主が、今年も和紙に毛筆で揮毫される姿が放映されました。

 

今年は、かつてのいわゆる三党合意により法制化され、消費税は8%に増額されました。アベノミクスは確実に先進していて、その効果は、近いうちに国民隅々まで齎されると信じられているわけでありますが、この秋、

 

「①2015年秋には、消費税は上げない。②2017年4月には、そのときの景気、経済情勢がどのようなものであっても、絶対に10%に上げる。」

 

このことの是非を問うとして、政府は衆議院を解散し、先般選挙が行われました。もっとも、選挙戦では、「アベノミクスを進めるのか、(民主党政権時代のような社会に)あと戻りするのか!」が叫ばれ、「2017年には絶対に増税します」と言った政府与党の声は聞かれませんでしたが。

 

民主党最後の(失礼!)内閣総理大臣を務めた野田佳彦氏に対して、近時意外なところから評価がされているようです。かつて自民党の中枢にいた方々です。

 

少子高齢化社会が進み、社会保障の財源確保が言われてもう何年も経っているのに、選挙を意識して、誰も増税を言えなかった。この間何人も総理総裁は代わっても、問題の先送りをしてきた。選挙が怖かったからだ。野田さんは、三党合意という形で泥を被ってくれた。これでもう争点隠しなく、堂々と政策論争ができる。腫れ物が取れた思いだ。

 

こんな感じです。

 

ハッとしました。軽薄な私は、民主党野田佳彦氏を、あのときボロクソに言いましたから。

 

そうです。これからは、税金問題、増税可否は、もう選挙で語られる必要性はなくなったのです。まして、それについて、「国民の信を問う」理屈は、成り立たなくなったのでした。

 

今回選挙の投票日の2日前、まさしく清水寺での様子が放映されていた番組で、待機児童問題と介護の問題について、街の声を聞くシーンがありました。この局、「アベノミクスの実感はない」「景気が回復した感じがしない」の声ばかり流していると、番組に生出演された方から、お小言を頂戴しておりましたが、投票日直前には、しっかりと、「消費税増税が先送りされて、待機児童の問題等子育て支援策への財源が心配」「介護施設への負担は大きく、介護報酬の引き下げなどなされると、もう成り立たなくなる」などの現場の声を伝えておりました。

 

そして選挙は終わりました。

 

16日、早速政府は、2015年度の介護報酬の引き下げを打ち出しました。9年ぶりの引き下げとなって、介護事業者が被るため、結局介護サービスの低下や過酷な労働にもつながりかねず、業者の不正請求などあると、社会福祉そのものが、強き者から袋叩きにあう可能性も指摘できます。

 でも、これは消費税率アップをしなかったからなのでしょうか?子育て支援策は、消費税で賄うべきなのでしょうか?少子高齢化社会の社会保障の財源は消費税だと、いつから、どうして決まったのでしょうか?

 

選挙期間中は、「子育て支援、介護制度などの社会保障には、どうしても財源が足りないんです。それには消費税率の引き上げしかありません。2017年から絶対に消費税増税して、アベノミクスを成功させます」という説明は聞かれませんでした。

 それはそうでしょう。だって、野田政権時代に、「もう、税金の話は選挙の争点にしない。だから選挙戦ではその話はしなくても良い」合意ができたのですから。

 

でも、なお私は、少子高齢化社会の社会保障の財源は、消費税しかないのか、また、増税された国庫の収入が、本当に社会保障のみに回されるのか、まだ疑問が氷解しておりません。このことについては、このあとも、ブツブツ呟くことをお許しください。