欧米か、北欧か

2014年12月18日
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「日本の消費税率(現在は8%)は低すぎる」

「福祉の国と言われるスウェーデンは25%だ」

 

よく言われます。誰が言っているのでしょう。

 

「少子高齢化社会となった日本の社会保障のため、どうしても消費税に頼らざるを得ない」

 

これもよく聞く言葉です。誰が言っているのでしょう。

 

消費税を福祉の財源にするしかやり方がないならば、消費税(増税)を求める声は、福祉を受ける側から出されて当然だと思います。

 

たとえば、生活保護世帯,介護保険に依存する高齢者,子育て中の女性等々…。ところが、消費税は、本当に福祉を受ける立場の弱い人には、有難い税金なのでしょうか。これは、絶対にそうではありませんね。

 

年収100万円の人も、年収1000万円の人も、生きるために1個108円のパンを買う必要はあるでしょう。108円のパンを買うのが苦しい人に対して、「人間として生まれたのだから、皆平等」と言えますか。もっとも、年収1000万円の人は、あえて108円のパンを買う必要はないかもしれません。

 

私は、消費税の必要性,その税率アップを主張するひとは、「金持ち」と思っています。きれいに申せば、「高額所得者」であります。

 

「所得の再分配」という言葉があります。平たく言えば、自分の金を出してまで、他人を助けられるかということだと思います。お金持ちが、政府の施策により、弱い立場の人にお金が流れることを容認するのか、お金持ちであっても、弱い立場の人であっても、全て「国民」である以上、皆同額のお金を出して、弱い立場の人を助けるのかの選択です(私はあまり使いたくありませんが、あえてここでは、「弱い立場の人」と表現します)。

 

現在の日本の消費税のシステムは、「所得の再分配」とは真っ向から対立するものです。しかし、ヨーロッパ諸国の「消費税」の運用は、まさしく福祉に根差した仕組みとなっています。

消費税率20%を超える国は、学校・医療は原則無料です。住宅取得,金融まで、かなりの非課税項目があります。そして、先の選挙で連立与党が盛んに言っていた軽減税率が、生活必需品には執られているのです(この「軽減税率」に関する疑問は、また改めて述べます)。

 

その結果、消費税が国の税収に占める割合は、消費税が5%であった「今は昔…」の時代でさえ、日本とヨーロッパはほぼ同じ――8%になれば、おそらく日本がスウェーデンを上廻る――というのが現実です。

 

要するに、日本は消費税5%の時代であってさえ、その国庫収入が同じヨーロッパ諸国より、少子高齢化社会が進みながら、福祉は著しく遅れていること,それを言われると、政治の世界からは、「財源がない,だから消費税アップだ」との論法となるわけであります。

 

ここで愚痴を言えば、なんでもアメリカ経済を見本としたい空気がある中、なぜ「消費税率」の部分だけ、福祉先進国の数字を持ち出すのでしょうか。ちなみに、アメリカの消費税(附加価値税)が、日本より高いと聞いたことはありません。

ヨーロッパでは、国民から受け取った消費税で教育・医療等を充実させ、国民に還元されているのです。よくテレビで、北欧の学校が放映されますが、実にきれいですね。消費税は、国民に再分配されていると考えます。

日本の現状で、消費税を8%にしても、先般の選挙で「民意」となった10%に上げても、5%時代でさえ、こんな状況でしたから、そもそも消費税を社会保障費の財源とするシステムは、機能していないと認めるべきではないでしょうか。

 

もちろん、これは福本悟のひとりごとです。

 

現に消費税8%を達成出来なかったことを理由に、選挙直後、2015年の介護報酬の削減が、9年振りに決められたようです。本当にヨーロッパ並の福祉の国になりたいのならば、まさにヨーロッパ諸国でなされている所得の再分配しかないと思っています。

 

次はこのことについて、ひとりごとをつぶやくかもしれません。

二度あることは三度ある?

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 12月14日は、赤穂浪士の討ち入りの日として知られております。しかし、2014年(平成26年)12月14日は、もしかすると、後世の歴史に名を刻す戦後日本の分岐点となっているかもしれません。

 

このとても意義のある日、私は、これまでに経験しなかった出来事に遭遇し、自ら経験いたしました。

 

第47回衆議院議員総選挙は、かなりの低投票率が予想されていました。寒波に見舞われた地方もありますが、そのような地域の方々はたいへん真面目で、雨にも負けず風にも負けず…必ず投票に行かれるようです。投票率が低いのは、概して都市部の有権者です。

 

しかも、与党の圧勝予想が報じられていて、変わらないからと考え、わざわざ行かなくても…との意識に至った向きも、ないではないと思います。

 

真面目な?私は、投票所に行くときは、それなりに緊張しているというか、気持ちの高ぶりがありました。

今回投票所の前で、ユニフォーム用のジャンパーを纏った女性から声をかけられました。手に、何か用紙を持っています。

 

一瞬「これは出口調査かな?」と思ったのですが、投票前ですから、「ちょっと早いな。投票してからにしてよ」と思いました。

 

するとこの女性、投票所の入りでニコニコしながら、「よろしくお願いします」と言って、私に対してマンションのパンフレットを渡したのです。この区域の最寄駅からほど近い場所に建築中のマンションがあって、その勧誘でありました。

 

もう、選挙なんて結果は決まっていて、どうでも良いというか、このマンション販売会社、政府与党の経済政策のおかげで、業績好調なのでしょう。

 

投票所前に営業マン(営業ウーマン)が居て、投票直前に営業をかけられた経験は初めてでした。

 

そして午後8時の投票締め切りと同時に、各局いっせいに、出口調査に基づく各党の獲得議席数の予想を発表します。以前の『ひとりごと』でも言いましたが、最近、ことに小選挙区制になった後は、この予想はほとんど当たっております。

 それでもあまのじゃくなのか、諦めが悪いと言うのか、かつての郵政選挙でも、政権交代選挙でも、そして2年前の自民圧勝となった選挙でも、私は、投票日の午後8時には、きちんとテレビの前に構えて、開票速報を見ていたものでした。

 

しかし、今回は、午後8時には、事務所で所用をいたしておりました。つまり、ハラハラドキドキなどないことはもちろん、『選挙予想』とおりになることは間違いないと納得してしまったからであります。

 

私と同じ思いのマスコミもあったようです。

 

今をときめくお方から、常日頃目の敵にされていた?局は、開票速票そっち除けで、羽生結弦選手らが出演するアイススケートグランプリファイナルのエキシビションを放映しておりました。

私も、これに同意して、元気になられた羽生選手に魅入ってしまいました。

 

開票速報開始時刻に、テレビの前に居なかったこと、まして、帰宅するや開票速報ではなく、別の番組を見ていた自分に驚いた次第です。

 さて、初めてずくしの私とは異なって、また同じ経験をされた方がおられます。だれあろう菅直人元内閣総理大臣です。

 菅直人氏は、今回475議席の最後の当選者となられました。ちなみに、この瞬間に、海江田万里民主党代表の落選が決定したものです。

 

驚いたことに、前回2012年の選挙でも、菅直人氏は、惜敗率がモノを言う比例復活により、最後の当選者となっておられます。

 

これは、やろうと思ってできることではありませんね

 

菅直人氏は、市川房枝さんのもとで、市民の手になる民主主義を学んだと言われます。その菅直人氏は、今回は選挙区に張り付いてビール瓶箱に乗って、支持を訴えたと聞きます。投票日前日、その姿を見た女子高生から、「あの人誰?」「総理大臣だったらしいよ」「へぇ~、」と会話されて、写メの人となりました。

 

ところ変わって、投票日前の秋葉原には、安倍晋三内閣総理大臣が、若者を前に、何事か訴えております。テレビ局のインタビューを受けた若者は、総じて投票には行かない、感心がないと言っていました。

 

私にとっては、二度と経験したくない、菅直人氏にとっては、三度は経験したくない。

さて、秋葉原がこのときばかりは、お好きなご様子の安倍晋三氏はいかがでしょう。