今日は、宇都宮に来ました。宇都宮と言えば餃子です。なぜ宇都宮が餃子の街になったのか知りませんが、東日本大震災の年は、餃子日本一の座を、浜松市に明け渡したそうです。もっとも、浜松市は、正々堂々勝負したい由で、日本一は辞退し、翌年に持ち越したそうです。フェアプレイですね。さながらスポーツならば、スポーツマンシップと言うところでしょうか。
これで思い出すのは、ロサンゼルスオリンピックの柔道山下泰裕さんの金メダルです。山下選手は、オリンピックでの金メダル獲得を幼いころより目標に精進努力を重ね、無類の強さを誇りましたが、4年前のモスクワオリンピックが、まだ冷戦の最中、西側諸国のボイコットにより参加の道を閉ざされました。そして満を持して臨んだロサンゼルスオリンピックで、順調に勝ち進んだものの、準決勝で脚(腕?)を負傷してしまったのです。とても試合ができる状態ではないのに、山下選手は、決勝戦に強行出場しました。
ここで相手となったのは、エジプトのラシュワン選手でした。山下選手は、まともに柔道ができないのに、彼は力を抜くことはせず、しかも痛めている箇所は、一切攻撃しなかったのです。こうして山下泰裕さんは、金メダルを獲得しました。
このとき日本では、山下さんの勇姿よりも、ラシュワン選手を讃える声が大きかったと記憶しております。
ラシュワン選手は、互いに互角のところは正々堂々と闘い、本人の責任ではないのに、差がついたところはそれを利用しないと言う潔さ、寛容の精神、優しさを持っておられました。
さて近頃、本人の責任ではなくついている差について、寛容ではなくなった様相が見られます。競争が成り立たない分野にまで、競争原理を取り入れていることがそれです。常々私は、「強さよりも優しさが大切」と申しております。
果たしてフェアプレイとは何でしようか。宇都宮で餃子を食べながら、ふと考えてしまいました、