子どものころ、縁日がありました。縁日とは、神仏との有縁の日ことで、神仏の降誕、示現、請願などのゆかりのある日を選んで、祭祀や供養を行うので、この日に参拝すると、普段以上にご利益があると言われます。 これが日本古来の意味ですが、いつのころからか、神社仏閣で、お祭りが行われて露店が出る日を、『縁日』と言うようになりました。まさしく私の記憶する縁日とは、ヨーヨー、ベーゴマ、あんずすもも、おでん、かき氷などの店が出るお祭りでありました。子どものころ住んでいた大田区のある神社では、毎月8の日が縁日で、これが楽しみで、何をするでもなく、よく遊びに行きました。 私の場合、東京に居ながら、縁日があったので、神社仏閣のお祭りには、疎かったと思います。だんだん都市化して、伝統文化を残すことが難しくなったのだと思いますが、やがて縁日はなくなり、都会では、お祭りそのものが少なくなった感があります。お神輿担いで町内を回るなんて、常日頃できなくなったと思われます。 きさらぎ法律事務所のある新宿1丁目は、旧花園町と言い、新宿の花園神社が氏神様です。毎年5月下旬の土日に、日頃花園神社に納められている新宿1丁目の祭神となるお神輿を受け取って担ぎ、町内を回るお祭りがあります。この辺り、会社が多くあり、昼間この地で働く人たちも、お祭りのときは、参加されているのです。ご本体の花園神社では、縁日さながら露店がたくさん出ております。 もっとも、事務所ができた当時は、土日月がお祭りの日で、金曜日ともなると、町内には、法被を着込んだ男女が現れ、祭り気分で盛り上がっていたものです。月曜日夕刻に、お神輿を花園神社に納めてフィナーレを迎えたと思います。 歳と体型の問題から、神輿を担ぐことはない悪いですが、新宿1丁目町内を回り、そして事務所前を神輿が通過するとき、ありったけのパワーをいただいております。来年もまた、平穏に、この地で神輿の姿を見たいと願います。 この新宿花園神社のお祭りころから、急に暑くなっていきます。 そして、花園神社のお祭りが終わりますと、私にとってふるさとである福岡博多の『博多祇園山笠』に思いを馳せるのです。 山笠期間中の7月1日から15日の間には、必ず福岡博多に参ります。単に空気を吸うだけなのですが。 新宿花園神社のお祭り、そして博多祇園山笠に逆上せる素地は、あるいは子どものころ、なんとも思わず関わっていた地元神社の縁日が、体に染み付いたのかもしれません。今の子どもたちにも、こんな時間を差し上げたいと思いました。 今日も、童心に帰った気分です。