「出されたお茶を飲みのは失礼です」は本当でしょうか?

2015年6月10日
テーマ 
訪問先で出されたお茶を飲むのは失礼?こんなビジネスマナーが、ネット上で話題になっているそうです。

弁護士である私は、外出先は裁判所や警察署等ですから、そもそもお茶が出てくることはあまりないので、深く考えたことはありません。ただ、事件の打ち合わせで、他の法律事務所に行くことや、きさらぎ法律事務所の特徴でもある出張相談、訪問相談等の折には、確かにお茶をいただくことはあります。

私の場合、話すことが仕事ですから喉が渇きます。事務所にいるときでも、相当水分を補給します。もちろん、事務所での水分とは、アレではありません。私は、どてでも当たり前のように、出されたお茶はいただいております。

ところが、最近のビジネスマナーは、『出されたお茶は、飲んではならない』のだそうです。

なんでも出されたお茶を飲んで当然と言うのは、自分はお客様との意識なのだそうです。私の場合、「客人だから飲んで当然」なんて思っているわけではありませんが、打ち合わせ、すなわち話をするときに水分があるのは、もう、身についたのかもしれません。ただ、先様から出されたお茶をいただくときは、「ちょうだいいたします」とか、「ありがとうございます」とか言葉を添えますが。

こんなネットの話題を知って思い起こせば、事務所を訪れる相談者依頼者の皆さまは、こちらから「どうぞ」とお勧めしないと、お茶に手を伸ばすことはないですね。私の場合、はっきり言って接客をしていると言うのではなく、自分が喉が渇くからと言う切実なところがあるのですが、少なくとも事務所にお越しになった方は、こ自分が、お客様だと思っていないでしょう。そんなマナーから、手をつけられないのでしょうか。

むしろ、緊張され、あるいは畏まっておられる皆さまに対して、緊張を和らげる、会話の突破口とすべく、お茶出しの意味があるように思います。きさらぎ法律事務所では、初回の相談は無料で、時間の制限はございません。ときとして数時間におよぶこともあります。当然私は何回も、お茶のおかわりをします。ご相談者も、私にお付き合いくださっているようです。

そんな時間を過ごして事務所を出られるとき、何回もお茶を振る舞われた、つまり、長時間の相談に付き合わされた文句疲労を言われるのではなく、「本日は、お茶を⚪️杯もいただきました」とか、「美味しいお茶、ありがとうございました」と言って帰られる方がおられます。

もちろん、こんな事務所に美味しいお茶なんてありませんし、お世辞だとわかってはおりますが、まさに「うまいことを言うな!」と感じ、悪い気持ちがしないのです。

それは、お茶を飲む飲まない自体が問題ではなく、話の中身が大切、このお茶で始まった時間が有意義だったかどうかなのだと思います。

ビジネスマナーも取引のイロハなのだと思いますが、大切なのはビジネスの中身でありましょう。大雑把、アバウトな人間からすると、見栄えを含めたマナーを言われるのは、辛いものがあります。